【X-15】(えっくすじゅうご)
アメリカのノースアメリカン社が1950年代に開発したロケット実験機。
有人飛行での世界最速記録(マッハ6.7)及び最大到達高度記録(107,960m)を持つ機体である。
(当時、アメリカ空軍では高度50マイル(=約80km)以上を「宇宙」と規定していたため、同機に搭乗してこの高度域を突破した8人のテストパイロットに「宇宙飛行士記章」が与えられた)
飛行する際はB-52等の大型爆撃機で有る程度の高度まで牽引してからロケットエンジンに点火し、80秒から120秒ほど飛行する。
任務終了後は滑空しながらランディングスキッドで着陸するが、着陸速度は(プロペラ機の飛行速度に匹敵する)360km/hにも達し、非常に長い滑走路長が必要だった。
このため、実験はカリフォルニア州ロジャース乾湖に面する、エドワーズ空軍基地に併設のNASAドライデンフライトリサーチーセンターで行われていた。
本機による飛行実験
本機が行った飛行実験は大きく二つに分かれている。
一つは母機から離脱した後、ロケット推進で一定の高度を稼いだ後、緩降下を続けながらひたすら加速し続ける「高速飛行実験」。
もうひとつは、母機から離脱後に急角度上昇して大気圏外にまで達し、その後、放物線軌道を描きながら降下して着陸するものだった。
スペックデータ
X-15 (航空機)
(x15 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 07:13 UTC 版)
X-15は、アメリカで開発された高高度極超音速実験機。ノースアメリカン社によって3機が製作された。ジェットエンジンではなくロケットエンジンにより高高度まで上昇出来る能力を持つロケットプレーンであり、この機体で得られた極超音速下での空力特性や熱力学的影響などの研究結果は、やがてはスペースシャトルの開発にまで貢献した。YouTubeではX-15の記録映像を見ることが出来る。[1]
- ^ (日本語) The Fastest X-Plane - Mach 7 North American X-15 2022年4月29日閲覧。
- ^ a b 「Xプレーンズ」,世界の傑作機No67,文林堂 ISBN 978-4893190642
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- ^ Johnsen, Frederick A. (2005年8月23日). “X-15 Pioneers Honored as Astronauts”. NASA. 2005年8月23日閲覧。
- ^ Pearlman, Robert Z. (2005年8月23日). “Former NASA X-15 Pilots Awarded Astronaut Wings”. space.com. 2005年8月23日閲覧。
- ^ Cassutt, Michael (November 1998) (英語). Who's Who in Space (Subsequent ed.). New York: Macmillan Library Reference. ISBN 9780028649658
X-15
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X-15
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詳細は「X-15 (航空機)」を参照 X-15は、アメリカで開発された高高度極超音速実験機。ノースアメリカン社によって3機が製作された。ジェットエンジンではなくロケットエンジンにより高高度まで上昇可能な能力を持つロケットプレーンであり、この機体で得られた極超音速下での空力特性や熱力学的影響などの研究結果は、やがてはスペースシャトルの開発にまで貢献した。 1963年8月22日に行われた91回目のフライトで、ジョセフ・A・ウォーカーの操る機体がカーマンラインを超えて高度107,960mに到達した。これがX-15計画中の最高到達高度となった。
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