液体アンモニア
アンモニア
液体アンモニア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:21 UTC 版)
アンモニアは液化しやすく、20℃では、0.857 MPa (8.46気圧)で液化する。また沸点が-33℃と高いため寒冷地では冬季に自然に液化することもあり得る。液体アンモニアの性質は水と似ている。例えば、様々な物質を溶解し、液体アンモニア自体も水溶液と似た性質を示す。 液体アンモニア中では弱い自己解離が存在し、-33℃(沸点)におけるイオン積は以下の通りである。 2 NH 3 ↽ − − ⇀ ( NH 4 + ) + NH 2 − , {\displaystyle {\ce {2NH3 <=> (NH4^+) + NH2^- ,}}} K s = 10 − 32.5 {\displaystyle \ K_{\mbox{s}}=10^{-32.5}} 液体アンモニアは単体アルカリ金属、アルカリ土類金属およびユウロピウムなどを溶解する性質を持つ。アルカリ金属、特にセシウムの溶解度は非常に大きく、これらの金属の希薄溶液は溶媒和電子により青色を呈するが、濃厚溶液は金属光沢ブロンズ様の液体となる。液体アンモニアに溶解した金属ナトリウムは、有機反応に利用される。さらに、金属溶液は高濃度で金属的な伝導挙動を示すことが知られている。 比誘電率は-33℃において22.4と水に比べてはるかに低い。無機塩類の液体アンモニアに対する溶解度は一般的に低いが、アンモニアの配位能力によりヨウ化銀(AgI)などは非常によく溶ける。 人体においては、摂取した蛋白質が肝臓で分解される過程でアンモニアが生じ、さらに尿素へと変化する。肝機能が低下するなどしていると「汗がアンモニア臭い」と感じられることがある。またアンモニアを吸引するなどした場合は量によっては危険であるため、血中アンモニア濃度を測定する。また、魚介類などの人間以外の生体については、環境水における濃度を測定する。
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