金属ナトリウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 11:05 UTC 版)
技術的な最大の問題は、冷却材である金属ナトリウムの管理が難しいことである。金属ナトリウムは水や酸素に触れると高温を放って激しく酸化される。従って、その取り扱いには極めて難度の高い技術と、その技術を維持管理する持続可能な運用システムが必要不可欠となる。軽水は透明だが金属ナトリウムは不透明であり、これを用いると内部状態の計測が難しくなる。「もんじゅ」の停止は、配管からの金属ナトリウム漏出事故による。また、特に蒸気タービンに繋がる二次冷却系との間は、熱を伝えるための多数の薄い金属管を隔てて軽水と対向しているため、わずかな漏れでも大事故につながると考えられている。このような冷却系の取り扱いの難しさから、同型炉での事故例が多い。ナトリウムの代わりに鉛・ビスマスを使用した方式では発火性はない。「もんじゅ」の廃炉検討時には、金属ナトリウムを炉から抜く事の困難さが指摘された。
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