高速増殖炉の冷却材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 02:03 UTC 版)
高速増殖炉では、冷却材として現在は溶融金属ナトリウムが使われており、核分裂による熱エネルギーは高温の金属ナトリウムとして取り出される。ナトリウムの利点として、中性子をあまり吸収せず、反射させ、減速も少ないということがある。熱伝導率が良い為、原子炉から取り出される出口温度は500℃を超える。特に原子炉から熱を取り出す金属ナトリウムを一次冷却材といい、熱交換器を通して二次冷却材である金属ナトリウムへ、さらに蒸気発生器を通し、三次冷却材の軽水を蒸気に変えてタービンを廻す。二次冷却材として金属ナトリウムを挟むのは、ナトリウムの性質から、原子炉内でのナトリウム爆発を防ぐ為の配慮で、水と金属ナトリウムが混ざることを防いでいる。また、一次冷却系の周囲は、全て不活性ガスと鋼鉄の壁で覆われており、万が一ナトリウム漏洩が起きても原子炉には影響が出ないようにしている。二次冷却系は鋼鉄の床のみとなっている。
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