被曝との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/30 06:59 UTC 版)
ナトリウムの安定同位体は23Naの1種類のみである。この23Naは中性子を照射すると中性子捕獲によって24Naへと変化する。 Na 11 23 + 0 1 n ⟶ Na 11 24 {\displaystyle {\ce {^{23}_{11}Na}}+{\ce {}}_{0}^{1}{\mathit {n}}{\ce {->}}{\ce {^{24}_{11}Na}}} ヒトの血漿には23Naが含まれているが、例えば臨界事故によって、中性子線による急性被曝が生じた場合、23Naが中性子捕獲によって24Naへと変化する。したがって、被曝した時刻が分かっていれば、血漿に含まれる24Naの濃度と半減期、および23Naの反応断面積で、被曝量を推定することが可能である。このため、24Naを指して放射化ナトリウムと呼称する場合がある。なお、24Naからは1.37MeVと2.75MeVの高エネルギーのガンマ線が放出されるため、24Naの内部被曝のみでも危険な場合がある。 なお、高速増殖炉の冷却材に液体ナトリウムを用いるナトリウム冷却高速炉においても、発生する中性子線により冷却材の23Naが24Naに変化する。このため、直接核燃料に照射される一次系は中間熱交換器で接続する二次系と分割されている。 東海村JCO臨界事故では、臨界状態にあった硝酸ウラニル水溶液から大量の中性子線が生じ、作業員や周辺住民が被曝したが、被曝の有無や被曝量の推定にはこの24Naが使われた。
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