【熱の壁】(ねつのかべ)
Heatbarrier(ヒートバリアー).
音の壁を越えた人類の前に立ちはだかった新たな「壁」。
マッハ3にも達する飛行機は空気の断熱圧縮により部分的に1000度を超える熱を持つ。
多くの飛行機を構成する資材であるアルミやジェラルミンの類の合金では、この熱に耐えることが出来ない。
これを解消するためには、より融点の高いチタニウムや鉄を素材として採用することが必要となるが、前者は加工を行うのに莫大な投資を必要とし新たにコストの壁を招き、そして後者は非常に重いため航空機には向いていない。
この壁を越える事は技術的には可能だが、調達価格が非常に高価になってしまうため、マッハ3を超えて飛べる実用機はSR-71と大気圏外を航行する機体を除いて誕生していない。
関連:極超音速 金の壁
熱の壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 08:54 UTC 版)
熱の壁(ねつのかべ)とは、航空機にとって、マッハ3付近の速度で飛行が困難となる状況を表す。
- ^ 一般にジェットエンジンは、機体の速度がジェット噴流よりも若干低い程度の速度で最も効率が高い。ターボジェットエンジンはジェット噴流の速度が高いことから、機体の速度が高ければ効率が増す傾向にある。そのため後に、ジェット噴流の速度を下げたターボファンエンジンが開発された。
- ^ 理論値
- ^ 牧野光雄 『航空力学の基礎(第2版)』 産業図書株式会社、1989年、276頁。ISBN 4-7828-4070-5。
- ^ 実測で約300℃ (同書277頁)
- ^ 強度的な限界温度。尚、アルミの融点は約660℃
- ^ 『ミグ戦闘機―ソ連戦闘機の最新テクノロジー メカニックブックス』原書房
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