珠茶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/05 06:44 UTC 版)
Gunpowder tea | |
---|---|
![]() |
|
種類 | 緑茶(中国緑茶) |
|
|
別称 | Lo Chu Ch’a, Zhu Cha, 珠茶 |
起源 | 浙江省,台湾, インドネシアほか |
|
|
|
珠茶 ( [tʂú tʂʰɑ̌])は中国緑茶の一種であり、他の中国緑茶やウーロン茶同様、茶葉を固めて作られる[1]。
英語圏では「ガンパウダー」(Gunpowder tea)と呼ばれており、その由来は見た目が黒色火薬に似ていること[2]や、「珠茶」の発音が "gunpowder"に似ているといった 説が挙げられる。
珠茶の製造は唐 (618–907)に始まった。
製法
まず乾かした茶葉を蒸し、それを揉んだ後に再び乾燥させる。かつては人間の手で茶葉を揉んでいたが、今日においては最高級の茶葉を除き、機械によって行われている 。揉むことにより 包装や保管時のダメージを軽減することができ、風味と香りをより長く保つことができる。また、一部のウーロン茶は、定期的に焙煎することにより、数十年風味を保たせることができる[1]
酸化を防ぐため、茶葉を鍋で焼いたり乾燥させることで固め、時には複数回にわたって行われることもある。この工程により、わずかにスモーキーな風味が加わることもある。
なお、日本の緑茶の場合、乾燥ではなく蒸すことで酸化を防いでいるため、このような形状にはならない。
新鮮な茶葉ほど光沢が生じる。また、粒の大きさも品質を左右しており、粒が小さくしっかり丸まっているものほど高級とされる一方、粒が大きくゆるく丸まっているものは低いとされている[3]。茶葉の等級は英数字で別れており、最高級の3505AAAから9375まで存在する[4]
種類
珠茶には複数の種類が存在する。また、珠茶と似たような形状をとるものとしては珍眉茶や黄観音茶、 のほか、鉄観音や凍頂烏龍茶をはじめとする烏龍茶の大半や、 高級ジャスミン茶などが該当する[5]。
名称
一方、英語では「ガンパウダー」と呼ばれ、これは黒色火薬( 厳密にいえばプロペラント)に似ていることに由来する。
別の説としては、「熱闘に浸した際、爆発するように茶葉が広まる」、「煙を思わせるような風味がある」などが挙げられる。
このほかにも淹れたてを意味する「剛泡的」( gāng pào de )が、英語の"gunpowder"と発音が似ていたという説もある[6]。

淹れ方
淹れ方は種類や好みによるが、水 150ミリリットル (5 US fl oz) に対し、茶葉はティースプーン1杯(5 mL)が良いとされている。湯の温度は70 °C (158 °F)から 80 °C (176 °F)が良いとされている。お茶を淹れる前に、あらかじめ急須と茶碗を温めておくことが勧められる。一番茶と二番茶を淹れる際は、茶葉を約1分間蒸らす。淹れた時の珠茶は黄色くなる[7]。
マグリブ地域での扱い

珠茶は マグリブ地域においてもアッツァイの材料として親しまれている。茶会は、近所への気軽な訪問から、要人を迎えた夜会まで、社交の場の中心に位置する。このような場では、珠茶にミントや砂糖(またははちみつ)を加えたミントティーが供される[8][9][10]。
脚注
- ^ a b “Gunpowder Black”. 2016年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月22日閲覧。
- ^ 工藤佳治 (2007年9月28日). “asahi.com:中国特集コラム「鳴小小一碗茶」”. 朝日新聞社. 2025年10月5日閲覧。
- ^ “For All The Tea In China”. 2014年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月1日閲覧。
- ^ “Vicony Tea”. 2019年5月8日閲覧。
- ^ “Gunpowder Tea”. 2012年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月22日閲覧。
- ^ “Powder”. 2016年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月22日閲覧。
- ^ “Slimming Green Tea”. 2016年2月22日閲覧。
- ^ “Empereur”. 2016年2月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Tie Guan Yin Oolong Tea” (2021年6月30日). 2021年12月10日閲覧。
- ^ 佐藤 わか子 (2005年12月28日). “モロッコの「ミントティーの淹れ方」 [エスニック料理 All About]”. All About(オールアバウト). 2025年10月5日閲覧。
- 珠茶のページへのリンク