敵対者達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 09:25 UTC 版)
「フルメタル・パニック!アナザー」の記事における「敵対者達」の解説
ロバート・モーガン ジオトロン・エレクトロニクス社の新任役員。カニンガムの死後、ジオトロン社の新会長に就任した。 アーネスト・カニンガムCEOと共に、日本の次期主力ASとしてM9の売込みに障害となるAS-1を敵視し、新潟の事件を含む一連の事件を企んで奪取を試みる。 AS-1を『パーツ』と呼んで狙い、ユーコン研究所に運び込んだ際に『必要なピース』と呼んでいた「TAROSを通じて蓄積された達也の戦闘データ」を盗み取った。 マオを狙ったテロの黒幕であり、マオの昔の仲間に対して何らかの”対処”をすると発言しているが、実態はクルツによる復讐を恐れている。 11巻の冒頭で、ジオトロン本社の前で自動車に乗り込もうとしたところで不可視モードの〈ケントゥリア〉に襲撃され、死亡した。 ステファン・イリイチ・ミハイロフ 40半ばのスラブ系の傭兵。元ロシア軍所属で、現在は追われる身。菊乃と旭の2人姉弟を率いて暗躍する。菊乃からは「ステンカ叔父様」と呼ばれている。アデリーナは三条菊乃と旭姉弟の仲間という事を当初から知っており、6年前の事件により彼と何らかの因縁がある。 AS操縦者としても超一流で、マランパ共和国での内戦では1つ目の謎のAS〈レガトゥス〉を駆り、投げナイフを用いた戦闘術を披露し、謎のASの性能も相まって戦局を一変させた。初めて対戦するブレイズ・レイヴンのアジャイル・スラスタによる機動にも難なく追従するほどの腕前を持つ。 後に、テロリストによりマオが意識不明の重体に陥った後、ジオトロン社がD.O.M.S.の乗っ取り工作に成功した際に新社長として就任。当初は名目上のみの社長となる予定であったが、お仕着せの立場を良しとせずに自ら社長の仕事をこなしている。 7巻で達哉に敗北した事で、軍を抜けてからテロ屋となった自分が随分と鈍っていた事を自覚。自身の十数年にも及ぶAS操縦者としてのキャリアにわずか数か月で追いついてみせた達哉を、全力で戦うに値する宿敵であると認識し執着するようになる。 三条 菊乃(さんじょう きくの) 達哉がアデリーナとクララを伴って遊びに行ったゲームセンターで出会った、達也達と同年代の美しい黒髪を持つ美少女。物静かで上品な印象を与えるが、戦場で育ったため、戦いを好む戦闘狂の気や、戦いを恋愛になぞらえる奇妙なロマンチシズムを併せ持つ。弟の旭とペアを組み、主に近接格闘戦を担当する。AS-1受領のために日本に来ていたアデリーナに対して、挨拶がてらゲームセンターのAS操縦ゲームに乱入し勝利する。その後D.O.M.S.訓練施設にAS-1を運んでいた達哉たちを奇襲し、近接戦仕様のRk-02を駆ってアデリーナのM9アーマードと対決。撃破寸前まで追い詰めるも、達哉の操縦するAS-1に撃墜され、敗北の屈辱と共に感じた自分を降した者への興味から、達哉に対し殺したいという歪んだ恋心を抱く。 テロリスト歴はそれなりに長く、一度たりとて敵に情けをかけたことは無いにも関わらず、どういう巡り合わせか人を殺害出来た事が無かった。このことについて常々思うところがあったようだが、達哉に敗北した後は「『初めて』は恋した人に捧げたい」という持論を展開するようになり、その実現のために任務中敵機を倒しても、搭乗者が間違って死なないように手心を加え始める。 ただし、搭乗者が女性の場合は殺してもノーカウント扱いらしく、ブレイズ・レイヴンを駆るアデリーナとの2度目の対戦では殺すつもりで全力で斬りかかっているが敗れ、次こそ殺すと宣言して撤退する。5巻において、AS-1奪取作戦のためにジオトロン・エレクトロニクス社のユーコン研究所に潜入していた達哉を見つけるが、それを通報せずに達哉に自分の思いを伝え、ファーストキスを捧げた(同時に達哉のファーストキスを奪う形になった)。 また、派手な装飾や芝居掛かった様式美を愛するユースフには同類として何か通じるものを感じるようで気に入っている模様。 6巻において、クインコム要塞内での戦闘中に<エンハンスド>から脱出不可能となり、眼前で焼死しかけていた弟に達哉と共に慈悲の一撃を与えた。その後、新生D.O.M.S.の捕虜となるが、7巻においてシンドバッド号がマルヤムを誘拐した海賊の襲撃を受けた際、船を守るためにクララと溝呂木に釈放され、AS-1の4号機「イージス・レイヴン」を操縦し、アデリーナのブラスト・レイヴンと共に船を守りきった。この際に達哉と同じくTAROSに適正がある事も判明した。 その後、海賊のバックについていたミハイロフと対峙し、彼が自分たち姉弟を道具としてしか見ていなかった事実を再確認。同時に「戦闘狂」という役割を演じることで、本来は戦いに向かない心の弱い自分を誤魔化していたのだと悟り、ミハイロフやジオトロン社と決別。新生D.O.M.S.の新たな一員となった。そして、アデリーナに対しては「これからは、自分の慕情と肉欲に素直になる」と、達哉を巡る恋のライバルとなることを宣言した。 リーナに対しての感情はなかなかに複雑なもので、達哉を巡る恋敵というものとは別な友情のような思いも抱いている。D.O.M.S.の一員となってからは、リーナの事をからかいながらも認めている様子が窺えた。ガルナスタンでの戦いに新生D.O.M.S.が敗北した際、リーナが撃墜されて死んだのだと思った時には、泣きそうになる弱い自分を必死に押さえて達哉を脱出させるために決死の逃走を行った。 三条 旭(さんじょう あきら) 菊乃の弟。姉のように私情を戦いに持ち込むことはしない常識人だが、姉に比べてやや激情しやすい面が見受けられる。菊乃と共に砲撃戦仕様のRk-02を駆ってD.O.M.S.チームを奇襲し、カルロスのM9アーマードを大破させ、クララを危機に追いやるが、AS-1の常識を無視した機動に翻弄され、乗機の頭・両腕を破壊され敗北。 姉とは違い幾度も人殺しの経験があり、敵は容赦せず搭乗機の圧倒的な火力で虐殺している。戦闘では主に砲撃戦を担当する。ユースフと対峙した際には、彼の奇行とも言える言動と戦法に翻弄され敗北。また、ジオトロン・エレクトロニクス社のユーコン研究所でもユースフと戦っている。何かとユースフを挑発する言動が多いが、実力は認めていた模様。 姉のロマンチストぶりや自分勝手さが悩みの種で、ステファンに対して度々そのことを謝っている。 6巻において、クインコム要塞内での戦闘中に「ケントゥリア」による『同士討ち』に巻きこまれ大破した〈エンハンスド〉から脱出不可能となり、加えて現場で火災が発生したことから「自分はもう助からない」と確信。必死に助けようとする菊乃や達哉に「このままじゃ3人共死んでしまう」「焼け死ぬのは嫌だから殺してほしい」と懇願する。銃を手にして寄り添う菊乃と達哉の姿を見て目を閉じ、最後は微笑んで「慈悲の一撃」を受け、安らかに息を引き取った。 ナタリア・イワノヴナ・ヤコブレワ ジオトロン社にD.O.M.S.が乗っ取られた後の社長秘書を務める女性。AS操縦の心得があり、民兵時代のアデリーナに訓練を施していた。三条姉弟が居なくなってからは、あらゆる面でミハイロフの実質的な片腕となっている。ガルナスタンでの戦いにおいて、輸送ヘリで撤退しようとしていた達哉達を強襲。リーナの搭乗していたヘリを撃墜する。このことで彼女が死んだと思った達哉の強烈な殺意を引き出してしまい、ASの常識から大きく外れたありえない機体運用法の前に反撃すら許されず殺される事を覚悟したが、崖が崩れるという幸運に味方されて助かった。 ヨナタン・クルピンスキー D.O.M.S.の技術顧問として、ジオトロン社のAS開発部から出向してきた男。目的のためには手段を選ばないタイプで、非道な手段でも平気で使う。開発者でありながらAS乗りでもあるという珍しい肩書きを持つ男で、腹に一物抱えている事をミハイロフは理解しながらも共に戦っている。「カエサル・プロジェクト」の為に、<インペリウム・ネットワーク>の完成を目論んでいる。6巻において転送時の「揺らぎ」によって他のAIと異なる思考形態を獲得した「ケントゥリア」の残骸を発見し回収。これを元にした真AI「カエサル」が誕生する事を予言。これを成就するためガルナスタンへの介入を積極的に行う。8巻ではロシアの旧KGBともコネクションを持っていたことが判明。それを使ってガルナスタンのクーデターにスペツナズを投入させる。そして彼らを生贄にガルナスタン大統領の息子オルカンを覚醒させ、TAROSを用いた完全思考操縦型のトゥリヌスに搭乗させることで、ついにプロジェクトは一つの到達点にたどり着いた。 その正体はかつてのアマルガム幹部『ミスタ・Ni(ニッケル)』。かつてミスタ・Ag(シルバー)の下で研究開発に従事していたラムダ・ドライバへの執着と、天才であるミスタ・Agへの強烈なコンプレックス(研究者でありながらASに乗るスタイルも彼の模倣であると独白している)から、ラムダ・ドライバの再現に止まらず、更なる発展を目的とした「カエサル・プロジェクト」を発案、実行に移す。
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