烏天狗
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烏天狗(からすてんぐ)は、大天狗と同じく山伏装束で、烏のような嘴を持った顔をしており、自在に飛翔することが可能だとされる伝説上の生物。青天狗[1]、小天狗とも呼ばれる。烏と名前がついているが、猛禽類と似た羽毛に覆われているものが多い[注 1]。
注釈
- ^ 天狗は本来鳶の姿をしているとされることが多かったが[2]、江戸時代以降、鳥の姿をした天狗は烏天狗と呼ばれるようになった[3](古来、鳶と烏は一緒くたにされ併称される存在だった[4]。)。鳶の姿の天狗が数多く登場する『今昔物語集』が書かれた平安時代末期における「トビ」は、現在のいわゆるトビではなくノスリやチョウゲンボウ等の中型猛禽類を指す言葉であり[5]、天狗を描いた絵画ではオオタカやハイタカ、現在でいうトビの姿にも描かれているため、トビを含めた様々な猛禽類一般の姿でイメージされた様である[5]。また、幕末に描かれた絵画では烏に近い姿で描かれており、江戸時代後期には烏のイメージが定着していたことがうかがえる[6] 。
出典
- ^ 小松和彦監修『日本怪異妖怪大事典』東京堂出版、2013年、166頁。ISBN 978-4-490-10837-8。
- ^ 天狗の古典文学における図像上の変化に関する一考察 : 烏天狗から鼻高天狗ヘ - 勝俣隆、長崎大学教育学部紀要、2005年
- ^ 小松和彦編『怪異の民俗学5 天狗と山姥』河出書房新社、2000年、423,424頁。
- ^ コトバンク 普及版 字通「烏鳶(うえん)」の解説
- ^ a b 杉原たく哉『天狗はどこから来たか』大修館書店、2007年、ISBN 978-4-469-23303-2、107-109頁。
- ^ 久留島元『天狗説話考』白澤社、2023年、71頁。
- ^ a b c d e f 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年4月、119-120頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 宮本幸枝『津々浦々「お化け」生息マップ - 雪女は東京出身? 九州の河童はちょいワル? -』村上健司監修、技術評論社〈大人が楽しむ地図帳〉、2005年8月、35頁。ISBN 978-4-7741-2451-3。
- ^ 「カラスてんぐの正体見たり……実はトンビだった!?」『スポーツニッポン』、2011年1月20日。2011年9月2日閲覧。オリジナルの2012年9月11日時点におけるアーカイブ。
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