古きもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:03 UTC 版)
小夜が倒すべき存在である怪物たち(後述の「#用語」も参照)。姿や能力は様々で、各話ごとに異なったタイプが登場する。テレビアニメ版に登場した〈古きもの〉の多くは、村おこしの一環として生み出されたゆるキャラを想起させるようなユーモラスな姿となっているが、これは監督の水島によれば、シリアスで格好良くしたデザインは逆に違和感が出てつまらなくなるという判断によるという。一方、その姿は記号的にはせず生々しく血の通った質感を意図して描かれ、また人間を捕食する側に悪意はなく自然の摂理であるという考えや、大袈裟な流血シーンを描くことで現実感を希薄にするという思惑から、人間を捕食する場面は残虐に描かれた。 作中では各個体の名称などは明かされないが、以下ではビジュアルファンブック『BLOOD-C OFFICIAL COMPLETE BOOK 胎動』や、公式サイト内のコンテンツ「BLOOD-PEDIA」、ノベライズ版で用いられている呼称を記す。 石地蔵 第1話に登場。小夜が偽りの記憶を刷り込まれてから最初の日に対峙する〈古きもの〉。赤い前掛けをつけた大きな地蔵の姿をしており、恐ろしげにもユーモラスにも見える外観となっている。戦闘時には首が伸び、カマキリのような腕を展開して小夜に襲い掛かる。最期には首を御神刀に貫かれて倒される。 元々は背景のイメージボードに描かれた普通の地蔵であったが、監督である水島が最初の敵のモチーフとして採用した。「日本風」の敵というコンセプトを提案したシリーズ構成の大川や、シリーズ第1作から関わっている藤咲も、このデザインを意外に受け止めたが、水島には「これしかない」という確信があったという。 蝙蝠型 第2話に登場。長い手足を持ち、BLOODシリーズの過去作品に登場した「翼手」と似た姿で描かれている。素早い動きとジャンプ力を活かし手先の鋭い鉤爪で小夜に襲い掛かるが、最期は首を御神刀に刎ねられて倒される。 本作『BLOOD-C』の制作より前に描かれた翼手のデザインを流用している。 花 第2話に登場。牙の生えた花や触手を持つ、巨大植物のような姿をしている。植物のようでありつつも動物のようにも見えるデザインを意図して、胴体には無数の目のような器官が描かれている。 ノベライズ版には登場しない。 朽ちた電車 声 - 上田燿司 第3話に登場。松本電気鉄道モハ10形電車に取りついた〈古きもの〉。戦闘時には獏のような姿になる。地域で唯一のパン屋「うぐいす商店」の店主を、小夜の目の前で食い殺す。小夜が初めて遭遇した人語を解する個体であり、倒される間際には「約定」について口にした。 車両の選択は、本作の監督を務める水島が長野県出身であり、幼少の頃に上高地線を利用していたことにちなむ。獏のようなデザインのモチーフはダンボであり、可愛らしい怪物が人を襲うというイメージから、目元を可愛らしく見せるデザインが意図されている。 羽のあるもの 声 - 増谷康紀 第4話に登場。鳥のような頭と翼を持ち、他2体の〈古きもの〉「羽のあるものの配下」を従える。人語を流暢に操り、食らうために捉えた人間を盾にしながら小夜を翻弄した。 ノベライズ版には登場しない。 市女笠の女(いちめがさのおんな) 声 - 川澄綾子 第5話に登場。流暢な人語を操り、錫杖を持った人間の女性のような姿で現れるが、被った笠に隠された頭部は巨大な一つ目の眼球となっている。ノベライズ版では、本体は首の外れた人形に取り憑いているという設定。濃霧で小夜の視界を封じつつ、密かに御神刀に結びつけた糸で攻撃を読んで翻弄するが、御神刀を手放した彼女の貫手で頭部を貫かれて(すなわち、「実験」の設定に反して御神刀を用いずに)倒される。劇中では初めて御神刀を使わずに倒された敵。 共に他3体の〈古きもの〉「妖精」(声 - 岩田安宣)が同時に登場したが、小夜によって一蹴された。 蜈蚣(むかで) 第5話、第6話に登場。上半身の首の部分には無数の牙のある口を、下半身にムカデのような尾と無数の脚を供えた〈古きもの〉。ノベライズ版では、本体は古い注連縄に取り憑いているという設定。浮島神社に出現し、小夜の友人である求衛ねねを頭から食い殺すが、逆上した小夜に首の口部分を御神刀で貫かれて倒される。後に、ねねの死は偽装死であったと明かされる。 影 第6話に登場。求衛ののの影に取りついた〈古きもの〉。黒一色の身体は不定形で、人影の姿を作り出したり、刃物状に変形させたりすることができる。ノベライズ版では、本体は黒い小さな木の葉に取り憑いているという設定。白昼の街中に現れてののを盾にしながら、無数の通行人を虐殺・捕食した。小夜は捕らえられたののを避けて〈古きもの〉を斬ったが、ののは〈古きもの〉と共にバラバラになってしまった。後に、ののの死は偽装死であったと明かされる。 主要登場人物が次々と偽装死を始める、物語のターニングポイントとなるエピソードに登場する敵でもあり、従来のBLOODシリーズの翼手とは大きく路線の異なる姿で描かれた。 鎧武者 声 - 三宅健太 第7話に登場。巨大な鎧武者の姿をしており、通常の腕の他に6本の腕を背中から生やすことができる。武器はそれぞれの手が持つ巨大な太刀。ノベライズ版では、本体は古い兜に取り憑いているという設定。白昼の河岸に現れ、巡回中だった警官を背部から一刺しで惨殺した。 盲目的に唯芳を信じる小夜を嘲笑し、彼女の謎を知っているかのように振る舞う。小夜を始終「弱い」と蔑むも、最後は頭頂から両断されて倒された。兜の下の顔は、人間にそっくりであった。劇中では示唆されるのみであるが、平家の侍で唯芳の親友という裏設定がされている。 蜘蛛 声 - 滝知史 第8話、第9話に登場。カニのような5本の脚、そこから長く伸びた1脚につき4本(合計20本)の伸縮自在の爪、そして人間を一呑みにできる大きな口を持つ。ノベライズ版では、本体は古い櫛に取り憑いているという設定。白昼の三荊学園に堂々と現れ、小夜のクラスを襲撃する。 「なぜ怒るのか」との問いに「友人を殺されて怒らないはずが無い」と返した小夜を、「解せぬ」と評した。小夜との激戦で校舎内を破壊しながら、彼女と鞘総逸樹以外のクラスメイト全員を惨殺するが、最後は小夜の逆鱗に触れて切り刻まれ、倒された。後に、殺害された大勢のクラスメイトとは別に、優花の死だけは偽造死であったことが明らかになる。 元々は第2話に登場する予定のデザインであったが、序盤に登場する敵としてはあまりに強そうな姿をしていることから、登場エピソードが変更された。 女型 声 - 佐藤利奈 第10話に登場。人間の女性の頭部だけが宙に浮いているような姿で、首から垂れ下がった背骨を人間の背丈ほどの長い黒髪で覆っている。黒髪をプロペラのローターのように回転して突進することが可能なほか、黒髪を武器として使って人間を捕食することもできる。また、古風な言葉遣いで人語を話し、自分も小夜も人に操られている存在であることを仄めかす。 浮島神社に出現し、小夜と交戦中に現れた時真慎一郎を食い殺すが、背骨をさらした瞬間に頭頂から両断され、倒された。後に、時真の死は偽装死であったことが明らかになる。 ノベライズ版では姿も能力も異なる。「鵺」を参照。 巨大型 第11話と最終話に登場。巨大な六本足の犬のような姿を取るが、頭部に伸縮自在の2本の人間の手があり、これを伸ばして人間を捕まえる。文人に操られるまま、「実験」を暴露した求衛姉妹や時真慎一郎を用済みとして始末した。文人の命令を理解することができる。頑丈な体表面で小夜の攻撃を受けつけなかったが、口から体内に侵入した小夜により、心臓を鉄の棒で貫かれて倒された。 デザインモチーフは狛犬と狼。 量産型 最終回に登場。ウサギのような耳をした巨人。文人たちの研究の産物という設定で、文人が自身を追う小夜への足止めと町の壊滅役として召喚。一撃で小夜に倒されたかと思われたが、複数に分裂し、町に住んでいた大勢のエキストラ達を残虐な方法で食して全滅させた。最終的には、小夜が察知した本体らしい個体が切り倒されたことで全ての個体が死亡した。最後は街が壊滅している描写がされていた。 ノベライズ版では描写が異なり、エキストラ達は湖から出現した〈古きもの〉の群れに虐殺されたという描写になっている。 鵺 ノベライズ版に登場。テレビアニメ第10話の女型と同様の役回りを演じるが、その姿は鵺、あるいは猿に似ていると形容されている。鋭い爪のある長い腕を備えるほか、小夜に斬られても複数の個体に分裂し、本体にある急所を破壊されない限りは倒されないなど、テレビアニメ終盤に登場した量産型と同様の能力を併せ持つ。本体は数珠に取り付いている。 真奈の父 劇場版に登場。人間に取り憑いた〈古きもの〉で、変異後は人格や理性を失い目が黄色く変わり歯が剥き出しになるなどゾンビに近い顔になる。生前は新聞記者で、「セブンスヘブン」によって集められた人々が行方不明になっていることを知り、その真相を確かめるべく文人に会うため浮島地区に向かったまま行方不明になった。文人に会う過程で、彼が当主を務める〈塔〉の「実験体」として捕らわれていたが脱走し、地下鉄の列車内で〈古きもの〉の本性を現すと、側にいた女性の乗客と会社員を食い殺した。その後、娘の真奈を連れ去るが小夜に首を刀に貫かれて倒される。 蜘蛛型の蠍 劇場版に登場。上半身が蜘蛛で、下半身が蠍に近い姿をしている巨大型の〈古きもの〉。文人が自身を追う小夜への足止めとして召喚。無数の触手と長い尾で小夜を追い詰める。最期は小夜に体を両断され倒される。
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