入手難や高価を理由に作られたコピー食品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 09:07 UTC 版)
「コピー食品」の記事における「入手難や高価を理由に作られたコピー食品」の解説
培養肉 カニ蒲鉾 茹でたカニの身に似せた食品で、原材料はスケトウダラである。略して「カニカマ」。茹でたカニの赤い色やカニの筋繊維を模して作られており、風味付けにカニ煮汁を使用するなどしているが、本物のカニが入っている訳ではないため、今日では「カニ」という言葉が商品名に使われていない。日本で開発されたコピー商品だがアメリカやイタリアでは日本以上に受け入れられており、カリフォルニア巻きなど米国寿司では定番のネタである。 ホタテ蒲鉾 カニ蒲鉾と同じく、魚のすり身にホタテの風味をつけて成型したもの。 うなぎかば焼き風練り物製品 うなぎの価格高騰、資源の枯渇等を受けてうなぎかば焼きに似せた練り物製品が商品化された。 人造イクラ 海藻から抽出したアルギン酸ナトリウム水溶液やカラギーナンに調味液や食用油を着色して塩化カルシウム水溶液に落として表面をゲル化してカプセルとし、本物らしい食感を持たせた物。一度は廉価な鮨ネタにも普及したが、その後ロシア産のイクラ価格が暴落、現在では市場を天然輸入物に奪われて姿を消した。 人造キャビア チョウザメの卵ではないイミテーションキャビアである。ランプフィッシュキャビア(ダンゴウオ科の大型種、ランプフィッシュの卵)、アブルーガキャビア(ニシンの卵)といった他種の魚卵をそれらしく見せるため黒く着色してある。また、人工イクラと同様の方法でアルギン酸から製造されたものも存在する。 成型肉 安価で形状が不定のくず肉などに脂肪を加え、結着剤で固め成型したもの。カルビやハラミ、キューブ状のものはサイコロステーキなどの名称で、一般の精肉に混じって販売されている。外食チェーン店などで不当表示がしばしば問題になる。 牛脂注入肉 赤身肉に脂肪を加えたもの。 トウモロコシ米・ジャガイモ米 北朝鮮で考案・開発。細かく砕いた穀物の粉を米状の大きさに整形加工した食品。主食である米の代用品として、困窮に喘ぐ同国内で流通。 高級果実ゼリー 味だけでなく食感まで本物のメロンに近づけたホリ(北海道の菓子メーカー)製造・販売の「夕張メロン・ピュア・ゼリー」など。 バナナ饅頭 バナナが非常に高価であった時代、バナナを一切材料に使用せず考案・開発された菓子。バナナが安価になった現在では郷土菓子的な地位を獲得、意外性のあるお菓子として親しまれている。類似品としてバナナカステラなどもある。 無果汁のジュース・シロップなど 香料と着色料を使用し果汁の風味・外観に似せた清涼飲料水(主に炭酸飲料)は現在でも大量に生産されている。かき氷用のシロップも戦後に登場してから現在に至るまで無果汁で合成着色料を使用したものが主流である。 蜂蜜やメープルシロップに風味を似せたものもある。本物に糖類・香料などを加えて薄めたものは不当表示でしばしば問題になる。 マーガリン もともとはバターが高価であることからバターの代替としてつくられた食品で以前は人造バターと呼ばれていた。植物油を使っているため、コレステロールが少なく健康に良いと好む人がいる他、ビタミンなどの栄養添加ができる、冷蔵庫で硬くならないよう加工ができる、クリーム等の添加で風味の良いものを作れる等、既にバターとは別の食品として考えられるようになっている。ただし、近年トランス脂肪酸を含むことによる健康への影響が論議されている(マーガリンの項を参照のこと)。 生クリーム代用品 乳製品に植物油脂・乳化剤などを加え、気泡を保つ特性を持たせたもの。安価であるほか、マーガリンと同様に低コレステロールや加工しやすさ(あらかじめ砂糖やバニラ・チョコレートなどの風味を加えた物もある)、日持ちが良いなどの利点がある。大量生産の洋菓子では本物の生クリームよりも多く使われる。 コーヒーフレッシュ・クリーミングパウダー 上と同様に生クリームの代用品で、乳成分を使用しない物もある。 ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤の一種)や脱脂粉乳など 牛乳の代用、もしくは添加比率の抑制目的で使用される。主に乳製品の原料コストを抑えるため。他、物資が不足していた戦時中・終戦時に重宝される。 合成清酒 米が貴重だった時代に研究された。一部技術が醸造期間が短縮できる・製造コストが安くつくなどの理由で流通した。その後、三倍増醸清酒に流用された。現在ではシェアは限られるものの、生産は続いている。 発泡酒 麦芽又は麦を原料の33 %以下としたビール風の発泡性を有する雑酒。ほとんどの国ではビールの酒税はアルコール分が低いため安いが、日本では非常に高いため、手頃な価格のビール風飲料として工夫された。第三のビールも参照。 ホッピー 見た目がビールに酷似していた為、ビールが高額であった終戦時とその後数年の間、好まれて飲まれた。ノンアルコール飲料だが、酩酊を楽しみたい場合は焼酎を割って飲む。2000年代でも意外性や話題性から愛好者層も存在し、一部の居酒屋などでもメニュー中にみられる。 混和酒、イミテーション酒 前者はワインやウイスキーをエタノールやカラメル・果汁などで嵩増ししたりしたもの。後者はエタノール類にカラメル・果汁や香料などを添加して作ったもの。 ワインは戦国時代に宣教師などを通じて流入していたものの貿易が確立されない中では輸入ワインの総量が極めて少なく、また国産化の目処も立たないため果汁に清酒を添加したものが広く作られていた。また、明治時代以降にも洋酒の輸入が始まったものの遥かに高価だったことから、混和酒やイミテーション酒が広く出回った。 代用醤油 醤油の代用品。 みりん風調味料 みりんの代用品で、アルコールは全く、もしくは殆ど入っていない。 このほかにも、カズノコ、カラスミ、トリュフ、フォアグラ、フカヒレ等の美食の類に似せようと努力したコピー食品が作られている。
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