トリュフ
トリュフとは、和名でセイヨウショウロ(西洋松露)と呼ばれるキノコ、および、その子実体の呼び名である。あるいは、そのキノコに似せて作られたチョコレート菓子のことである。
【トリュフの語源】
「トリュフ」という呼び名はフランス語のtruffeに由来している。フランスはトリュフの主な産地でもあり、フランス料理の食材として用いるため主な消費地でもある。トリュフは学名をTuberといい、英語名はTruffle(トラッフル)という。
トリュフには独特の芳香があり、主に料理の香り付けに用いられる。地下に生じるため見つけにくく、嗅覚に優れて豚や犬に探させる採取方が伝統的に行われている。産出量は決して多くない。トリュフはキャビアとフォアグラと共に、いわゆる「世界三大珍味」のひとつに位置づけられる。「黒いダイヤ」と呼ばれることもある稀少な食材である。
洋菓子のトリュフはキノコのトリュフに似た色形のチョコレート菓子である。生クリームや洋酒などを練り込んだ口溶けのよいチョコレートを別種のチョコレートで覆ったりココアパウダーをまぶしたりして作られる。キノコのトリュフとの混同を回避できる呼称として「トリュフチョコレート」(chocolate truffle)が挙げられる。というか「トリュフ」が「トリュフチョコレート」を略した呼び名と捉えられる。
トリュフ【(フランス)truffe】
トリュフ(仏:truff 英:truffle)
トリュフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 22:52 UTC 版)
トリュフとは、地下に生息する子嚢菌の子実体のことで、主にセイヨウショウロ(Tuber)属の多くの種のうちの一つである。セイヨウショウロ属以外にも、Geopora、Peziza、Choiromyces、Leucangiumなど100以上の属がトリュフに分類されている[1]。これらの属はPezizomycetesとチャワンタケ目(Pezizales)に属している。トリュフに似るRhizopogonやGlomusといった担子菌類は、Pezizalesから除外されている。
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- ^ Giant truffle sets record price BBC News. Sunday, 2 December 2007
- ^ 「世界一高価な2300万円の白トリュフ、香港の晩さん会に」AFP通信(2007年11月15日)
トリュフ(Truffles)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:31 UTC 版)
「ピーナッツ (漫画)」の記事における「トリュフ(Truffles)」の解説
ライナスがスヌーピーを豚がわりにしてトリュフ狩りに行った森の中で出会った女の子で、スヌーピーとライナスのハートをつかんでいる。黒髪で他のキャラクターよりも比較的目が大きく、リボンをつけている。ライナスを巡りサリーと大喧嘩をしたことがある。鶴書房版では名前が「しょうろ」と訳されていて、これはトリュフの和名が“松露(しょうろ)”であることに由来している。またキャラクター紹介では英語名の読みが「トラッフルズ」とされていた。
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トリュフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 15:05 UTC 版)
アルカナの辺境の地で、辺り一面砂地が広がっている。パルムが造り出されたところ。
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トリュフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 14:39 UTC 版)
「クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」の記事における「トリュフ」の解説
5つ星A級グルメラヴァーズの一人。オネエ系の男性。モデルはKABA.ちゃん。
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トリュフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 16:43 UTC 版)
プロヴァンスの名産に「オル・ノワール(黒い黄金)」の異名を持つ黒トリュフがある。フランスのトリュフの8割はプロヴァンスで採取されたもので、有名な産地であるペリゴールをはるかに凌ぐ。 高級食品のイメージが強いが、一番良い食べ方は「ジャガイモのように食べる」ことというように、かつては農民の味覚だった。南フランスではかつてトリュフの栽培農家が多かったためでもある。プロヴァンスの諺に「鋭敏な豚は太らない」というものがあるが、この豚は肉用の豚ではなくトリュフを探すための豚である。現在は豚の代わりに訓練された犬が使われる。
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