鶴書房(初出)版
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「UTOPIA 最後の世界大戦」の記事における「鶴書房(初出)版」の解説
鶴書房により、1953年に単行本として刊行された。この本の扉絵は、当時の人気漫画家、大城のぼるが描いている。本来のタイトルは「UTOPIA」だったが、単行本化の際に「最後の世界大戦」のタイトルがついている。 プロの漫画家を目指していた安孫子・藤本両人は上京し、あちこちの雑誌社に持ち込みをするも、当時の雑誌は人気作家の手塚治虫の漫画ですら月に数ページしか掲載しておらず、100ページもの作品をとても雑誌に掲載できる状況ではなかった。また、当時の子供向け作品としてはやや難解なストーリーで、出版社から難色を示されていた。結局、この原稿は手塚の紹介で単行本化されたという経緯がある。中島利行『覆面団』も収録されているが、中島の名は本のどこにも書かれておらず、あたかも足塚不二雄の単著のような装丁になっている(ただし、『覆面団』を表題とした本も出版されたという)。 安孫子・藤本が自身で用意した扉絵は没にされたこと、白黒原稿を鶴書房側で彩色し、また勝手に別人によるコマが最後に付け加えられたため、両人にとっては不満の残る内容になった(藤本所有の同書には、別人によるコマに×を付けてあるという)。 1980年代前半当時、「まんだらけ」では50万円で買い取りし、販売価格は100万円としていた。90年代にまんだらけ社長の古川益三が『開運!なんでも鑑定団』に出演した際に紹介したことで有名になり、10冊以上が市場に出てきた。 現存部数は確認されているだけで20冊弱ほどで、初版本は数百万円の値段がついており、『開運!なんでも鑑定団』の2010年8月10日放送分において鶴書房版が300万円の鑑定額となるなど、2000年代において手塚治虫の「新宝島」(育英出版の初版)と共に日本で最も(相場が)高い単行本とされている。原作者ですら持っていないといわれる(安孫子によると、引越しの際に紛失してしまったとのこと)。 松本零士は高校時代に130円で1954年発行の再販本を購入し、現在も所有している。2017年11月14日放送の『開運!なんでも鑑定団』で鑑定依頼し本人評価額は130万円だったが、鑑定額は280万円となった。同書の復刻(後述)のため本を貸し出した際に背表紙に白い線が入ってしまい、「背表紙の線がなければ300万円、初版で状態が良ければ400万円以上」と評価された。
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