仮面ライダーイクサの専用ビークル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:56 UTC 版)
「仮面ライダーキバの登場仮面ライダー」の記事における「仮面ライダーイクサの専用ビークル」の解説
2008年におけるファンガイアの王(キング)である登太牙が、ヘビの力を宿した人工生命体サガークの力を借りて、太古の鎧サガの鎧をまとった姿。その力は、キングの使命である「人類の進化に寄与する者の排除」と、同族の謀反者の処刑に用いられる。 変身に際しては、魔皇力の高まりに呼応して太牙の顔にステンドグラス状の模様が浮かぶ。この点は仮面ライダーキバと同様だが、キバの場合は模様出現のタイミングが一定であるのに対し、サガの場合はサガークの力を借りた後に模様が現れることが基本であるものの、ときにはサガークを手にする前に模様が浮かぶことがあった。これは、太牙が魔皇力を使いこなす才能に恵まれているためと思われる。 サガの頭には、魔皇力を増幅させる魔石ファングストーンで作られた王冠キングスクラウンがあり、この鎧がキング専用であることを示している。額の中央にはめこまれた魔皇石(紅)は最初に発見された魔皇石で、「禁断の実」と呼ばれる。その周りを取り囲むエターナルグラスはファンガイアの体組織に酷似したステンドグラス状のパワーグラスで、装着者の生命が危機に陥ったときは蓄えていた魔皇力を放出して助ける機能がある。仮面サガ・ペルソナに設けられた複眼ダークレンズの色は青い。 インナースーツドランメイルは黒龍ガオーラ・ドランの表皮で作られており、手足を取り巻く鎖デュナミスカテナは装着者の力を抑制するのではなく運動能力を数倍に高める。肩のバロッキングアーマーなど随所にファングストーン製の装甲をまとっているが、襟状の防具バイパーカラーは内側にルシファーゴールドを蒸着したルシファーメタル製で、不可視のバリアー、シャドウベールを展開して上半身を保護している。胸部のステンドグラス型防具エターナルラングの機能は、頭部のエターナルグラスに同じ。その中央に位置する漆黒の魔皇石は、歴代キングが受け継いできた最も貴重な魔皇石とされ、これ1つで仮面ライダーキバ エンペラーフォームの胸部にある3つの魔皇石の力に匹敵するという。 「運命の鎧」の異名を持つサガの鎧は、ナイトとポーンによって造り出されたキングのための鎧の中で最も古く、15世紀ごろファンガイアが他種族への侵攻を始めた際に用いられたものである。ゴブリン族との死闘に臨んだ初代キングは、この鎧をまとってファンガイア軍を率い、相手を根絶したと伝えられている。 『仮面ライダーキバ』の3号ライダーの制作にあたっては、吸血鬼や狼男といった「モンスター軍団」を凌駕できるような強いモチーフが求められ、すべてのミステリーの源流ともいえる「宇宙」がコンセプトに取り上げられた。そして本作品がテーマのひとつとしている「音楽」と「宇宙」との組み合わせで「円盤」というモチーフが連想され、ディスクジョッキーがターンテーブルの盤面をスクラッチするようなギミックの変身ベルトが考案された。こうして円盤状の生物「サガーク」がデザインされたが、東映側はしゃべるキャラクターとすることを拒否した。作品内のキャラクター要素をキバットに集中させるためと、同時期に放映されていた『炎神戦隊ゴーオンジャー』で「炎神」というキャラクターが大勢しゃべっていたので、差別化を必要としたためである。 サガークに日本語をしゃべらせないように東映から求められたうえ、当初のコンセプトであった「宇宙」も作品にそぐわないことが判明したため、デザインチームは軌道修正を図った。円盤型のバックルをヘビの頭に見立て、それに取り付けるベルト部分をヘビの胴体や尻尾とするギミックを発案したのである。ところがこのギミックは、安全面とコストの双方の問題で玩具化が不可能であったため、実現はしなかった。結局サガークは、「古代語をしゃべる謎の浮遊生命体」という奇抜なキャラクターとなった。 変身ベルトのデザインが迷走した一方で、3号ライダー本体のデザインはスムーズに進行した。1号ライダー「キバ」が人間とファンガイアのハーフ、2号ライダー「イクサ」が人間なのだから、3号ライダーがファンガイアとなることは自然な流れであった。阿部統はヨーロッパ出張のついでに宮殿や教会などの古い建築物を見学してきており、そこへサガークからは「ヘビ」、ファンガイア怪人からは「ステンドグラス」の要素をもらい受ける形でデザインを手がけた。仮面ライダーサガのバロッキングアーマーなどに三角形の意匠が見られるのはヨーロッパ建築の屋根の形状をイメージしたためで、キングスクラウンの造形も同様のコンセプトに基づいており、本来は王冠を表現したわけではなかった。デュナミスカテナはヘビの骨がモチーフ。ダークレンズはファンガイアの吸命牙を意識した形状になっている。耳の部分がS字状になっているのは、Snake (ヘビ)の頭文字である。 ツール ファンガイアの王のために作り出されたダークキバの鎧を、キバットバットII世の力を借りてキングがまとった姿。「闇のキバ」とも呼ばれるダークキバの鎧は、サガの鎧よりも強大な力を求めたファンガイア族が技術の粋を凝らした物で、当時レジェンドルガ族との戦いで劣勢に追い込まれていたファンガイア軍はこの鎧の完成によって一気に戦局をひっくり返すことができたという。このときの装着者は1986年のキングと同一人物で、以後も他種族を相手にその猛威を振るい、1986年においてはガルル、ドッガ、バッシャーを封印している。 しかし、紅音也と親密になった真夜からクイーンの力を剥奪したキングの酷薄さに、キバットバットII世が疑問を覚えて離反し、鎧を音也に与えてしまう。音也は3度にわたってダークキバの鎧を装着してキングに挑んだが、本来ならばファンガイアの王にしか扱えない鎧を人間の身でまとった代償は大きく、ついに命を落とすことになった。その後、鎧はしばらく真夜の手中にあったが、2008年に登太牙が真夜から強奪し、太牙が味わってきた苦しみを認めたキバットバットII世が変身能力を授けた。 ダークキバへの変身に際しては、魔皇力の制御に長けたキバット族のキバットバットII世による助力が必須となる。キバットバットII世がアクティブファングを変身者の手に突き立ててアクティブフォースを注入すると、噛みつかれた者の魔皇力が活性化し、顔にステンドグラス状の模様が浮かぶ。そして腰に出現したベルトのバックル部にキバットバットII世が収まるとともに鎧が装着され、変身が完了する。なお、普通の人間であればキバットバットII世に噛みつかれた時点で即死するため、それを3度も耐えた音也は並外れた体力と精神力の持ち主であったことがわかる。 ダークキバの頭部にはパワー安定翼ゼノンスタビライザーがあり、魔皇力を拡散して脳への負担を軽減している。インナースーツサタンメイルは1200歳に達したガオーラ・ドランの革から作られており、防御力は仮面ライダーキバのドランメイルよりも3倍高い。全身の装甲ブラッディアーマーは、二度と精製できないとまで言われる奇跡の金属ブラッディストーンでできており、要所に抑制剤ダークネスタールを塗布した帯スタビライズシャドーを設けることで、鎧自体に備わった強大な魔皇力の冷却を図っている。同じくダークネスタールが塗られた胸のダークネスブレストには、エンペラーキバの鎧と同様の魔皇石「宙」「水」「地」が埋め込まれているが、石の純度はこちらのほうが上回っている。背面のマントダークネスベールはあらゆる物理兵器の攻撃を無効化するほか、振るうことで闇の刃を放つこともできる。 『仮面ライダーキバ』終盤の展開についてスタッフ間で議論が交わされていたころ、音也が最終的に命を落とすことになる原因が必要になり、「人間が着てはならない鎧」であるダークキバが設定された。作中での最終ボス的な扱いとするため、主人公と対峙したときに見劣りしないよう、デザインはキバ エンペラーフォームのバリエーションとなった。主人公仮面ライダーのカラーバリエーションは『仮面ライダー龍騎』の仮面ライダーリュウガ以来たびたび登場してきたが、基本フォームではなく強化フォームのカラーバリエーションはこのダークキバが初である。全身の赤黒い彩色は、多くの種族や邪魔者を葬ってきて血に染まったキバをイメージしており、単なる色替えにならないように腰の横も赤くしてエンペラーフォームと差別化している。また、赤い体の中で映えるように、複眼は青緑のような微妙な色使いになっている。 ボディの構造はエンペラーフォームとほぼ同一であるため飛翔態もデザインされたが、設定上はファンガイアと他種族のハーフでなければ飛翔態には変身できないので、登場はしていない。 フエッスル ダークキバはベルト左右のホルダーにフエッスルを3本ずつ携帯している。 各フエッスルの形状は仮面ライダーキバの物と同一だが、本体が金色になっており、それぞれの意匠のカラーリングも若干異なっている。ウエイクアップフエッスル 右腰にある、必殺技を発動する黒のフエッスル。 ドランフエッスル 右腰にある、キャッスルドランを召喚する白のフエッスル。劇中では未使用。 ブロンフエッスル 右腰にある、ブロンを召喚する茶色のフエッスル。劇中では未使用。デザイン画には「無数のブロンミサイルを発射する」と書かれている。 シールドッガフエッスル 左腰にある、他種族封印用の紫のフエッスル。 シールバッシャーフエッスル 左腰にある、他種族封印用の緑のフエッスル。 シールガルルフエッスル 左腰にある、他種族封印用の青のフエッスル。 かつての戦いでは対レジェンドルガ用のシールフエッスルが携行されており、その力で仮面ライダーアークを封印したという。 必殺技 キバットバットII世がウエイクアップフエッスルを吹く回数によって別種の技を発動する。ダークネスヘルクラッシュ 「ウエイクアップ1」で発動する。全身の魔皇力を腕に集中させて衝撃波を放つパンチを繰り出す。破壊力は65t。 キングスバーストエンド 「ウエイクアップ2」で発動する。全身の魔皇力を脚先に集中させてキックを繰り出す。破壊力は180t。 キングスワールドエンド 「ウエイクアップ3」で発動する。全身の魔皇力を体の中心に集中させて繰り出す捨て身の技。劇中未使用。 対レジェンドルガ戦でキングが使用したときは、ほぼすべてのレジェンドルガを死滅させたものの、同時に多くのファンガイアの同胞を巻き添えにしたうえで戦場を灰に変えてしまった。ダークキバの鎧を作ったナイトとポーンはこの結果に恐怖し、ウエイクアップ3を封印して、安全に運用できる「黄金のキバの鎧」の開発に取り掛かることになった。 スネーキングデスブレイク 太牙が変身した最終話で使用。ジャコーダーで敵を吊り上げ、魔皇力を送り込んで撃破する。 結界 キバの紋章を出現させて敵を磔にする。
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