九里浜探偵局(仮)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 17:02 UTC 版)
三鶴城大助(みつるぎ だいすけ) 本作の主人公。平磐二高二年。愛称は三助。この愛称は、度々苗字を読み間違えられるため、これ以上苗字を間違えられないように自分で名乗るようになったもの。物語の舞台である平磐市で幼少期を過ごし、現在は平磐市に戻って親戚の花谷家に下宿している。両親は実家に住んでいる。 偶然、魂裸醒となり、目の前で人が過醒によって死ぬ所を目撃し、これ以上犠牲者を出さないために八阪井親子の手伝いをすることを決意する。 身長185cmの長身であるが、常に八歳年上に見られてきたフケ顔と、苗字を度々読み間違えられることにひそかな悩みを抱えている。九里浜に構うのが好きで、度々からかってはどつかれている。好物はチョコパフェで、本人は「チョコパフェは違いの分かる男の食べ物だ」と主張しているが、最近は違いが分からなくなってきている。似顔絵は父と同じで下手であり、彼の人物画は「液漏れした乾電池」と称される。 普段は常識人のような振舞いをしているが、意外にも本人には何かとボケずにはいられない気質があり、「熊殺し」という小噺から、にらめっこの必勝技など、幅広いボケのバリエーションを持っている。 魂裸醒は「パープル・シックル」。最初は太鼓のバチ程度長さの単なる棒だったが、後に両手棍ほどの長さにまで伸び、先端から大鎌の刃を出せるようにもなった。更に2巻以降は、変形して二本のサイ(琉球武術の武器)に変えられるようにもなる。これらの性質を利用した不意打ちが三助の切り札。パープル・シックルという命名は、シックル(=草刈り用の鎌)と過小な名前をつけておくことで、相手を油断させるという意図からつけたもの。 後に、二志名海の醒核を飲んだため、海の記憶を受け継ぎ、さらに魂裸醒も海の大鎌と彼の大鎌を統合したものに変化し、海の使った技も扱えるようになった。 八阪井夏月(やさかい かづき) 本作のヒロイン。生まれついての魂裸醒で、魂裸醒の住む戸有村から平磐市にある三助の住む花谷家の隣家に引っ越してきた。三助と同様に二高の二年生でクラスメイト。 平磐市の後天性タマラセ増殖に歯止めをきかせるため、夜な夜なカイゼル髭とターバンで変装し、「撲殺魔」として昼間に発見した魂裸醒達を狩っていた。撲殺魔の正体が三助に露見してからは、彼を協力者に魂裸醒に関係する事件を処理していた。後に九里浜探偵事務所の面々も彼女の協力者となる。 真面目で責任感が強い性格で、同い年相手にも丁寧な口調で話す。普段はぼんやりとしているように見えるが、戦闘時には一変して冷静に敵を「撲滅」する。 元々人見知りをする性格のため、クラスでは大人しい引っ込み思案な女子と認識されている。 はねた癖毛が特徴的で、均整の取れた体つきと整った顔立ち、時折みせる子犬のような幼い仕草と、数々の素晴らしい魅力を持っている。その魅力に本人は自覚的でないが、父の三千人は「(三助は)夏月と四六時中くっついているのがムカツク、とかいう理由で襲われても不思議ではない」と言い、三助もそれに同意している。 引っ越してきた当初から三助の弁当を作っていたが、非常に不器用で毎日台所がマグロの解体をしたような状態だった。しかもその味は三助曰く「ラヴクラフト的表現を必要とする」ほどのシロモノで、見た目はただの弁当なのにクレヨンや石鹸の味がした。ただきちんと上達はしているらしく、最終的に十分食べられる味となった。 片田舎に住んでいたことから世間知らずな面もあり、平磐に引っ越してきた当初は「この辺にはどんな熊が出るの?」「子供のころ親子で熊狩りとかしなかった?」などトンチンカンなことを話すこともあった。 切羽詰ると暴力に訴えるという悪癖がある。 魂裸醒は「ブルー・ハンマー」。青い色をした大型の手甲と足甲の形をしている。目だった効果はないが、本人の体術が飛びぬけているために強力な武器となる。 九里浜純(くりはま じゅん) 三助たちの同級生で友人。ある事件によって平磐に大量発生した、後天的に魂裸醒となった人間の一人。自称天才美少女探偵だが、実際は「ツインテールの悪魔」「人間枯葉剤」「情け無用の残虐ファイター」など様々な異名で恐れられる。 幅の細い眼鏡をかけ、髪をツインテールにしている。背が低く、発育も(伊勢谷と比べても)悪い。喋らずに普通にしていればそれなりに可愛い顔だが、目つきが鋭く険があり、また喧嘩っ早く荒々しい性格と相まって、可愛いと思うどころか関わり合いたいという人間すらいない。しかし仲間や弟の事は本当に大切に思っており、三助に裏切られて衝撃を受けたり、弟が攫われて取り乱すこともある。 推理小説の名探偵に憧れているが、推理よりも暴力で事件を解決しようとする。三助は彼女に探偵としての才能がまったくないと思っているが、時々独断と偏見で真実を見抜くこともある。が、大抵は全く見当違いな人をボコボコにするに留まる。 魂裸醒関連の事件を追う「九里浜探偵局(仮)」を結成し、三助と夏月たちを半ば強引に引き入れる。 仲良くしている人や構ってくれる人に対して文句を言う癖がある。 魂裸醒は「エア・キル」。鉄扇の形をしている。単純な攻撃力は高いが、その能力そのものより、普段のツッコミにも当たり前のようにこれを使用する九里浜自身が脅威である。 長坂陵梧(ながさか りょうご) 三助たちの同級生にして後天性の魂裸醒。とある事件から三助達と知り合い、「九里浜探偵局」の一員となる。口癖は「クソタレ」。三助とはウマがあうようで、いつの間にか十年来の友人のように仲が良くなっていた。よく三助と一緒に夏月にしょうもない嘘を吹き込んでいる。洗剤に指をつけつづけることで、最終的には自在に手から洗剤を出せるようになるという「あわあわ毒手拳」を開発しようとしたりとなかなかの変人だが、良識はそれなりにある。 コルシカ流忍法という自作の忍法の使い手。忍者と言えば黒装束だが、コルシカ忍者は現代の忍者ということで、社会に紛れ込むためにその仕事着はスーツである。 ちなみにコルシカ流忍法は、放課後の教室で長坂がタマラセを使って落ちた教科書を拾ったのを偶然人に見られてしまい(一般人にはタマラセは見えないため、ひとりでに浮いたように見えた)、これを誤魔化すために「忍法だ」と咄嗟に言い訳したため生まれた。その際、「流派は?」と突っ込まれ、落ちた教科書のページがたまたまナポレオン戦争時代のページが開いていた為、ナポレオンの出身地「コルシカ島」から即興で名付けた。終盤になってコルシカ忍者にかける情熱を失いかけていたが、最終的にコルシカ忍者の系譜を後世に残すべきと考えを改めた。現在はコルシカ忍者の継承者を探しているようである。 この年で婚約者も存在し、そのコネを使って三助達をサポートすることも。拷問吏として才能があり、その手腕は三千人も認めるほど。 魂裸醒は「ナイン・トゥ・ファイブマン」。ネクタイの形をした遠隔操作型の魂裸醒で、攻撃能力はほとんどないが、蛇のように動いて物影から相手を奇襲したり、拘束具として用いたり、嫌がらせに使ったりと、用途は結構幅広い。ちなみにナイン・トゥ・ファイブマンという命名は、ネクタイはサラリーマンの必需品、ということで名付けた。 伊勢谷景(いせや けい) 後天性の魂裸醒の一人。ある事件で三助達と対峙するが、後に協力者となる。三助達とは違う学校である平磐一高に通っている。九里浜は探偵局の一員として見ているが、実際はあくまで協力者的な存在。ちなみに、出会った当初に九里浜に殺人犯呼ばわりをされたために九里浜とは犬猿の仲だった。神山の醒核を飲んだため、先天性同様過醒になっても力をコントロールすることができるようになる。ステフや三助のように、本来の醒核の持ち主の魂裸醒が、伊勢谷自身の魂裸醒の形状に影響を及ぼすことはなかったものの、神山の記憶の一部が頭に浮かぶようになった。 無愛想でやや近寄りがたい性格である一方、義理がたい性格で、自分を助けてくれた八阪井一家と九里浜探偵事務所(仮)の面々に深い感謝の念を抱いている。また「疎開ライダー」に異様に詳しいなどオタク気質の持ち主でもある。自分の体型に少なからず不満があるようで、プロポーションのいいステフに対しては「種の奇跡」とまで言って戦慄した。 魂裸醒は「ダーク・オブ・ザ・ムーン」。棍型の魂裸醒で、先端からは方天戟を出すことができる。本人は日常生活で遠くのものを近くに寄せたりなど不精なことにも魂裸醒を使っていたりした。また、三助も似たような魂裸醒であるが、一度コーヒーを溢してから使用していない、とのこと。 八阪井三千人(やさかい みちと) 夏月の父(実際には叔父)。彼女と共に戸有を脱走した魂裸醒を捕らえるべく平磐にやってきた。 普段は冗談を言ったりする陽気な中年男性だが、必要とあらば拷問や殺人も辞さない冷酷な一面も有り、また、戸有で最強の十二人の一人である銀剣持ち。恐ろしいことをさらりと言う事もある。 弟の三十四は反乱派であるが、反乱を起こした彼のことを良く思っておらず長老派に属している。しかし、現在の戸有の長である亘理に対してはよく思っていない様子でもある。 「ポキン活動家」を自称していた時期があり、村の人間は彼の通称としている。ポキンとは三千人の作った単位のことであり、一ポキン=肋骨を一本ポキンと折る痛みだが、最近は肋骨を折るのが面倒くさくなってきたので、一ポキン=指を一本ポキンと折る痛み、に変化している。ちなみに、カップアイスを食べ始めているときに門野が襲撃してきた折には、怒りと悲しみのあまり、尋問に三ポキンほどぶっこんで半殺しにした。 「レッド・ドラゴン」の騒動後、ステフや葉月、記憶を失った亘理一花と佐土原結衣などを引き取る。 魂裸醒は「ビースト・イン・ビュー」。一見三千人の背丈の二倍ほどの長さの単なる竹槍だが、三千人が振るえば剛槍となる。過醒状態では竹槍が二本になり、竹馬に変化しジェット噴射で空も飛べる。
※この「九里浜探偵局(仮)」の解説は、「タマラセ」の解説の一部です。
「九里浜探偵局(仮)」を含む「タマラセ」の記事については、「タマラセ」の概要を参照ください。
- 九里浜探偵局のページへのリンク