エウメニデスとは? わかりやすく解説

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エウメニデス

名前 Eumenidēs

エリーニュス

(エウメニデス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 08:56 UTC 版)

ウィリアム・アドルフ・ブグローの1862年の絵画『オレステースを責める復讐の三女神』。クライスラー美術館所蔵。

エリーニュス古希: Ἐρινύς古代ギリシア語ラテン翻字: Erīnús)は、ギリシア神話に登場する復讐の女神たちである。複数形でエリーニュエス(古希: Ἐρινύες古代ギリシア語ラテン翻字: Erīnúes)、またはフューリズFuries、単数形はフューリーFury))とも称する。日本語では長母音を省略してエリニュスエリニュエスとも呼ぶ。

古くは数が不定で、多数からなる女神であったと考えられるが、後代の神話では、アレークトー(止まない者)、ティーシポネー(殺戮の復讐者)、メガイラ(嫉妬する者)の三女神に整理された。親殺しや偽誓の罪に対する「復讐の女神たち」として知られる。オリュンポスの神々とは異なる祭祀を受けた。

概説

神話によればクロノスウーラノスを襲って去勢したとき、ウーラノスの傷口から血が大地母神の上にしたたり落ち、そこからエリーニュスとメリアスたちが生まれたという。メリアスは、トネリコのニュムペーである(複数形はメリアデス)。

エリーニュスは冥府にあるエレボスに住み、頭髪は、頭は、身体は炭のように黒く、コウモリの翼を持ち、血走った目をした老女の姿をしている。手には青銅の鋲のついた鞭を持ち、これで打たれた者はもがき苦しんだ末に死ぬ。エリーニュスたちは恐るべき女神であり、本当の名前を出すことははばかられるため、エウメニデス(慈しみの女神たち)と呼ばれる。

初期には、母親に対する侮辱や暴行に対する復讐を司っていたと考えられ、訴えに応じて町から町へ、国から国へと罪を犯した者を追跡し、情け容赦なく罰する神と考えられた。時代が下ると、若者の老人に対する無礼、主人の客人に対する非礼、権力者の嘆願者に対する横柄な態度などについても、追及するようになった。

ギリシア神話のよく知られるエピソードでは、オレステイア三部作の中の第三曲『慈しみの女神たち』に出ている[1]。母イオカステーの死の原因となったオイディプーステーバイ攻めの七将の伝説で母エリピューレーを殺したアルクマイオーンや、トロイア戦争後にクリュタイムネーストラーを殺したオレステース(オレステースが殺したのは情夫のアイギストスだけで、クリュタイムネーストラーは裁判にかけたともいわれる)を追跡して狂気に追いやった。

エリーニュスの信仰は特にアテーナイに広がっているが、アテーナイにあるアレイオス・パゴスの近くに彼女たちの神殿があった[2]

ローマ神話での対応

ローマ神話においては、フリアエFuriae, 「狂乱」を意味するフロールが語源[3])またはディーラエDirae)を、エリーニュスに対応させた。

アエネーイス』第4巻の注釈の中でセルウィウスは、復讐の女神たちが棲む領域で異なる呼び名となると述べ、地上ではフリアエ、冥界ではエウメニデス、天上ではディーラエになるとした。

出典

  1. ^ 呉茂一『ギリシア神話(上)』新潮文庫、353頁。
  2. ^ フェリックス・ギラン『ギリシア神話』 青土社 1982年、255頁。
  3. ^ マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル 『ギリシア・ローマ神話事典』 大修館書店 1988年、156頁。

関連項目


エウメニデス(Eumenides)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 10:03 UTC 版)

THE ビッグオー」の記事における「エウメニデス(Eumenides)」の解説

Act:10登場小さな玩具サイズと、そのまま巨大化させたものの二種類がある。レトロな玩具風の外観をしたロボット異国の女テロリストファントムリモコン操作稼動する。爆破テロ使われた。目から破壊ビーム放つほか、体内多数自爆爆弾搭載しており、自爆テロ利用されそうになったが、ビッグオーアークライン爆破された。名はギリシャ神話における復讐の女神エリーニュスの別名に由来

※この「エウメニデス(Eumenides)」の解説は、「THE ビッグオー」の解説の一部です。
「エウメニデス(Eumenides)」を含む「THE ビッグオー」の記事については、「THE ビッグオー」の概要を参照ください。

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