慈しみの女神たちとは? わかりやすく解説

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エウメニデス (アイスキュロス)

(慈しみの女神たち から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 06:04 UTC 版)

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エウメニデス』(: Εὐμενίδες: Eumenides)は、アイスキュロスによるギリシア悲劇の1つであり、「オレステイア」三部作の中の一篇。『慈愛の女神たち[1]、『慈しみの女神たち[2]、『恵み深い女神たち[3]等とも。

復讐の女神たち(エリーニュエス)に取り憑かれたオレステースが、ヘルメースに付き添われながら、デルポイアポローン神殿、続いてアテナイアクロポリスアテーナイ神殿を訪ね、最後にアレイオス・パゴスの評決によって無罪となり、復讐の女神たち(エリーニュエス)が慈愛の女神たち(エウメニデス)へと変化するまでが描かれる。

表題「エウメニデス」(: Εὐμενίδες)とは、上記の通り、オレステースに取り憑いていた復讐の女神たち(エリーニュエス)が、アレイオス・パゴスにおける裁きを経、アテーナーの説得によって変化した形態である、慈愛の女神たちを指す。舞台上では、復讐の女神たち(エリーニュエス)の段階も含め、コロス(合唱隊)の役割を担う。

紀元前458年アテナイにおけるディオニューソス祭にて、「オレステイア」三部作の他の二篇、およびサテュロス劇『プローテウス』と共に上演された[4]

構成

日本語訳

  • 『ギリシア悲劇1 アイスキュロス』「慈みの女神たち」 ちくま文庫、1985年 - 各 呉茂一
    • 元版『世界古典文学全集 8 アイスキュロス ソポクレス』「慈みの女神たち」 筑摩書房、1964年
    • 『世界文學大系 2 ギリシア・ローマ古典劇集』「慈みの女神たち」 筑摩書房、1959年
    • 『ギリシア悲劇全集 第1巻 アイスキュロス』「慈みの女神たち」 人文書院、1960年
    • 『筑摩世界文学大系 4 ギリシア・ローマ劇集』「慈みの女神たち」 筑摩書房、1972年
  • 『ギリシア悲劇全集1 アイスキュロス』、橋本隆夫訳「エウメニデス」 岩波書店、1990年
  • 『アイスキュロス 悲壯劇』 田中秀央内山敬二郎訳「仁慈なる女神達」 生活社、1943年
  • 『ギリシャ悲劇全集1』 内山敬二郎訳「仁慈なる女神達」 鼎出版会、1979年
  • 『古典劇大系 第一巻 希臘編』 村松正俊訳「エウメニデス」、近代社、1925年
  • 『世界戯曲全集 第一巻 希臘編』 同「エウメニデス」、近代社、1927年

脚注・出典

  1. ^ オレステイアとは - ブリタニカ国際大百科事典/コトバンク
  2. ^ 『ギリシャ悲劇I』 ちくま文庫
  3. ^ 『全集1』 岩波
  4. ^ 『全集1』 岩波 p.269

関連項目


慈しみの女神たち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 06:02 UTC 版)

オレステイア」の記事における「慈しみの女神たち」の解説

詳細は「エウメニデス (アイスキュロス)」を参照 デルポイ巫女神殿の前で、放浪の末にアポローンすがってここに来たオレステース眠っている姿を見て恐怖かられるころから話が始まる。巫女逃げるように退場すると、神殿の扉が開きオレステース復讐の女神たちからなるコーラス隊に囲まれ一緒に眠っている光景現れるアテーナイアテネ)に行って女神アテーナー裁判受けよというアポローン指示により、ヘルメースオレステースその場から連れ出すが、オレステースがいなくなると、クリュタイムネーストラーの霊が現れ復讐の女神たち起こしてオレステースを追わせようとするアポローン復讐の女神たちなだめる彼女たちはまった聞き入れずオレステース再度追いかけ出す。 復讐の女神たちアテーナイのアクロポリスにある女神アテーナー神殿オレステース捕まえてとり囲むと、復讐の歌を歌いながら踊り狂う。 やがてアテーナー現れオレステース弁護するアポローンと、オレステース母親殺しとして告発する復讐の女神たちの間での裁判が始まる。陪審員判決は、有罪無罪半々にわかれるが、裁判長アテーナーオレステース支持したため、7対6でオレステース無罪放免となる。若い神々がより古い神々である自分たちをないがしろにしたと復讐の女神たちエリーニュス)は激昂するが、なだめられアテーナイの慈しみの女神たち(エウメニデス)となるよう説得されると、この申し出受け入れる。こうして、憎しみ復讐連鎖はついに断ち切られアテーナー守護するアテーナイ民主政治により、ギリシア世界調和安定もたらされる。それは母権制父権制の間の闘争として解釈しアポローンアテーナーによって代表される父権的な精神の法が最終的に勝利を納める。あるいは、母権制から父権制への発展反映するとも言われている。

※この「慈しみの女神たち」の解説は、「オレステイア」の解説の一部です。
「慈しみの女神たち」を含む「オレステイア」の記事については、「オレステイア」の概要を参照ください。

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