アイ_(チンパンジー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アイ_(チンパンジー)の意味・解説 

アイ (チンパンジー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/28 13:46 UTC 版)

アイ1976年10月 - )は、アフリカ生まれのメスのチンパンジーである。

概要

1977年11月10日、彼女が1歳の時、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所にやってきた。 名前の由来は、梶原一騎原作・ながやす巧作画の劇画、『愛と誠』のヒロイン早乙女愛に基づくといわれている。絵(ただし模写ではなく抽象画のようなもの)を描くことができる[1]

1978年より「アイ・プロジェクト」の一環として、文字学習を始めている。「アイ・プロジェクト」とは言っても、アイだけではなく他の多数のチンパンジーも同様の学習をしている。 そのプロジェクト・リーダーであるのが、同研究所の松沢哲郎教授である。

1989年10月3日にアキラとともに檻の鍵を開けて脱走。オランウータンの檻の鍵まで開けて逃がしてやったという。この事件で一躍、天才チンパンジーとして話題になった。このときアキラは施設内にいた複数の小学生を襲撃し、一人に傷害を負わせている[2][3][4]。詳細は京都大学霊長類研究所#チンパンジーの脱走および人間への襲撃事件を参照。

2000年4月24日午後10時49分、人工授精によってアイとアキラとの間にアユム(歩)と名付けられた子供が産まれた。

研究の模様は、民放の各テレビ局でも紹介され、NHKでは『NHKスペシャル』の枠で、1997年5月4日に「ことばを覚えたチンパンジー アイちゃん19年の記録」、2001年5月5日に「ことばを覚えたチンパンジー アイちゃんの子育て日記」と2度に渡ってドキュメンタリーを放送した。

明石家さんまによると、ジミー大西は番組の企画で アイと計算対決をして負けたと 明石家さんま初のロングインタビューで話している。

脚注

  1. ^ 脳科学と芸術』工作舎 2008年 ISBN 978-4-87502-414-9 参照
  2. ^ 鈴木樹理, 髙井一恵, 野田直美 『京都大学霊長類研究所五十年の歩み』京都大学霊長類研究所、2017年3月、1-240頁https://hdl.handle.net/2433/226812 
  3. ^ 『朝日新聞』1990年12月7日
  4. ^ 日本実験動物技術者協会「研究所の過失問わザル 脱走騒ぎ「やはり自力開錠濃厚」『日本実験動物技術者協会 広報誌』第8号

参考文献

  • 松沢哲郎(著)、薮内正幸(イラスト) 『ことばをおぼえたチンパンジー』 福音館書店たくさんのふしぎ〉9号(1985年12月号)
    • 松沢哲郎(著)、薮内正幸(イラスト) 『ことばをおぼえたチンパンジー』 福音館書店〈たくさんのふしぎ傑作集〉、1989年。ISBN 4834006530
  • 松沢哲郎 『おかあさんになったアイ』 講談社、2001年。ISBN 4061542540
  • 松沢哲郎 『アイとアユム母と子の700日』 講談社、2002年。ISBN 4061542672

関連項目

外部リンク


「アイ (チンパンジー)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アイ_(チンパンジー)」の関連用語

アイ_(チンパンジー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アイ_(チンパンジー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアイ (チンパンジー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS