さいげん‐せい【再現性】
再現性
再現性
再現性
科学実験で得られた結果が一度きりのものではなく、別の人が同じ条件で行えば、いつどこで行っても同じ結果が得られること。実験結果の信頼性を計るもっとも基本的な指標。
実験方法装置単位など: | 免疫電子顕微鏡法 全圧 共焦点レーザー蛍光顕微鏡 再現性 再結晶 凝固点降下度 処理実験 |
再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 16:48 UTC 版)
再現性(さいげんせい、英: reproducibility)とは、同一の特性が同一の手法[注釈 1]により発現するとき、その結果の一致の近さのことである。言い換えると、実験条件を同じにすれば,同じ現象や同じ実験が同一の結果を与える場合,再現性があるという[1]。 例えば、同一の手法を測定条件の変化した状況に対して適用することで、結果が測定に由来する人工産物でなく、再現性があると確認できる[2][3]。関連する概念は複製可能性 (replication) であり、サンプル・研究手順・データ分析手法に違いがあるとき、少なくとも類似しているが同一でない結果を、独立して達成する能力を意味する[要出典][4]。再現性と複製可能性は共に「科学的手法[注釈 2]」の主要な信念である[5]。再現された測定値は、研究者によって提供された生データやコンピュータ・プログラムに基づいていてもよい。再現性の研究は、メタサイエンスにおいて、重要なテーマである[6]。対立概念は、事象が再現しないことであり「一回性」「再現不可能性」などと呼ばれる[要出典]。
注釈
出典
- ^ 日本化学会, ed. (2005), 第2版 標準化学用語辞典, 丸善出版, ISBN 978-4-621-07531-9
- ^ JCGM 100:2008. Evaluation of measurement data – Guide to the expression of uncertainty in measurement, Joint Committee for Guides in Metrology, (2008)
- ^ Taylor, Barry N.; Kuyatt, Chris E. (1994), NIST Guidelines for Evaluating and Expressing the Uncertainty of NIST Measurement Results Cover, Gaithersburg, MD, USA: National Institute of Standards and Technology
- ^ Leek, Jeffrey T; Peng, Roger D (February 10, 2015). “Reproducible research can still be wrong: Adopting a prevention approach”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 112 (6): 1645–1646. arXiv:1502.03169. Bibcode: 2015PNAS..112.1645L. doi:10.1073/pnas.1421412111. PMC 4330755. PMID 25670866 .
- ^ F., Repko, Allen (1959). Interdisciplinary research : process and theory. Szostak, Rick (Third ed.). Los Angeles. ISBN 9781506330488. OCLC 936687178
- ^ “Metascience: Reproducibility blues” (英語). Nature. pp. 619–620 (2017年3月29日). doi:10.1038/543619a. 2019年5月9日閲覧。
- ^ “Definition of COMMENSURATE”. Definition of Commensurate by Merriam-Webster (2019年1月9日). 2019年1月9日閲覧。
- ^ Subcommittee E11.20 on Test Method Evaluation and Quality Control (2014), Standard Practice for Use of the Terms Precision and Bias in ASTM Test Methods, ASTM International, ASTM E177(要購読契約)
- ^ Oxford Dictionaries "reproducibility" 1.1
- 1 再現性とは
- 2 再現性の概要
再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 19:34 UTC 版)
ここでの再現性は画質とほぼ同義である。写真の画質を判断する基準は多数あるが、分解能、コントラスト、色再現性が骨子と考えられる。ここでは分解能をとりあげる。これについて、その写真が何個の画像セル(ピクセル)で構築されるかで計ろうとする試みがある。 フィルム写真とデジタル写真を比較するとき、フィルムを撮像素子の画素数に換算するとどの程度かと考えがちだが、何よりもまず両者はあまりに異なる。そのため、フィルムとデジタルで分解能を比較をするのは容易でない。分解能の測定はさまざまな条件に依存する。フィルムの場合、フィルムの寸法・サイズ、粒状性などのフィルムの性能、用いたレンズの性能に依存する。フィルムにはピクセルが存在しないため、フィルムにピクセルが存在するものとして計測した分解能は目安に過ぎない。デジタルカメラではセンサー画像の補間に用いる画像処理アルゴリズム、センサフィルタのバイヤーパターン(Bayer pattern)の効果、記録画質などが関係する。加えて、デジタルカメラの撮像素子や表示装置の画素の配列は、規則正しい繰り返しパターンを持つため、モアレを生じる場合があるが、フィルムの感光粒子は不規則に並んでいるためこのような現象は起こらない。24×36mm(ライカ)判カメラで撮影した写真の解像度評価はまちまちである。たとえば、10メガピクセルという評価がある。より粒子の細かいフィルムを使うと、この数字は上がり、低級の光学系の使用や劣悪な照明や不適切な現像がこの数字を下げることもあり得る。この評価は2007年の最新鋭デジタルカメラはライカ判カメラよりも優れているという評価を含意している。ただし、35mmフィルムは一般消費者向けのフォーマットである。プロ向けフィルムカメラとして中判カメラ、大判カメラがある。これらに先の数値を単純にあてがうと、2007年現在の最新鋭デジタルカメラより優れた分解能を持つことになる。具体的には、6×4.5cm判のフィルム写真は約36メガピクセル、4×5in判は約130メガピクセルである。8×10in判は約540メガピクセルになる。しかし、20メガピクセルや7メガピクセルという評価もある。ライカ判フイルムはISO50クラスの低感度で20メガピクセル相当というのは銀粒子のサイズなどから計算されたものであり、実効的には空間周波数的にみて、色調的・階調的に平坦な特性を有するのはそのおおむね40%程度であり、それ以下の細部描写は空間周波数に比例して劣化してくることから、およそ8メガピクセル程度とみるのが正しい。やはりフイルム感光粒子の並びやサイズの不均一性や分散性・乳剤層の厚みによる焦点のにじみなどの物理的限界からみてもこれは疑いようがないといえる。 高性能レンズを用い理想的な露出で撮影した現代の超微粒子白黒フィルムの分解能は、30メガピクセル以上のファイルサイズにおいて適当な細かさが得られる。一般消費者向けライカ判カラーフィルムでは12メガピクセル以上に、安価なライカ判フィルムカメラ(コンパクトカメラ)でも8メガピクセル以上に価し得る。 画像の表示に用いる媒体も考慮に入れる必要がある。たとえば、せいぜい2メガピクセル程度のものが主流であるテレビやコンピュータのディスプレイで写真を表示するのみであれば、ローエンドのデジタルカメラで出せる解像度でさえ十分と言える。4×6inのプリントに出力する場合に限っても、デジタルとフィルムの間に知覚できる差はある。出力媒体が大きな広告板なのであれば、高い解像度をもった媒体か大きな判が必要になるだろう。
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再現性
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IEEE 754-1985 では実装の自由度が大きかった(符号化や例外発生条件など)。IEEE 754-2008 では実装の自由度を狭めているが、それでも若干の自由は残っている(特に二進形式)。再現性に関する節では、再現性のあるプログラムが書けるよう言語標準に推奨しており(すなわち、その言語のどの処理系でも1つのプログラムが同じ結果となること)、そのためにどうすべきかを解説している。
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再現性
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論じる対象を測定することが可能であったとして、今度は、再現性が問題になる。再現性については、例えば、物理学者中谷宇吉郎(1900-1962)は1958年の著書において「科学は再現の可能な問題に適用範囲が限られる」と述べた。19世紀の科学では、文字通りの「再現性」が重視されていた。 一方、筑波大学教授・宮島龍興が日本教育工学振興会提言で、現代では(厳密な意味での)再現性や定量化が難しい対象も科学の対象となってきている、と指摘した。この背景には、(20世紀、なかでも20世紀後半における)推測統計学の導入により従来の記述統計をベースとした統計処理だけでは扱い切れなかった対象が定量的に考察しえるようになったことがある。 例えば医学・薬学・心理学・経済学などは、根本的に複雑性や複合性を内包していて、再現性を得にくい生体や社会そのものを扱う。(19世紀までの科学の水準ではこれをうまく扱えなかったが)現代の科学においてはこれらも、科学的な研究対象である。つまり、このような「古典的な意味での再現性が無い分野についても、統計学の手法を用いて、科学的な方法の対象とする」という立場が、現在の科学的方法の主流である。この論点については、次節にて述べる。
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再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 08:46 UTC 版)
「Galaxy (計算生物学)」の記事における「再現性」の解説
科学的結果が公表されるとき、出版物は他の人が実験を繰り返して同じ結果を得るのに十分な情報を含むべきであり、実験分野から計算過程分野にまで拡大するための多くの努力がなされてきたが、当初の期待より困難であることが判明した。 Galaxyでは、計算分析であらゆる段階についての十分な情報を取得することで再現性をサポートしているため、分析を正確に繰り返せる。その為には、すべての初期条件、過程、および最終データセットのほか、提供されるパラメータ、および分析の各段階の順序の追跡が求められる。
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再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 04:54 UTC 版)
特に困ったのは「同音を連打する」ことである。アップライトピアノはただでさえ同音が連打できないのだから、19世紀のピアノ音楽の再現には非常に不適な存在であった。しかし、スケールは生のピアニストより速く弾けるため、その手の演奏曲目は好んで収録された。ピアノリストも、演奏家の解釈まではさほど修正していなかったので、当時のピアニストがまったくもってイン・テンポでは演奏できておらず、その上速くなったり遅くなったりといった演奏家の性能はそのまま収録された。 これは現在YamahaのDisklavierでもその同音再現能力は疑問視されており、Yamahaが自動ピアノのプロモーションを行ったときも同音連打を行う曲目はカットされ、代わりに「トリル」なら大丈夫だったというありさまだった。ヤニス・クセナキスの「エヴリアリ」も現在のDisklavierの性能をもってしても遅延が生じる。2016年のテクノロジーをもってしても、同じ個所を素早く連打するというピアニストの性能は実現できていないのである。
※この「再現性」の解説は、「ピアノロール」の解説の一部です。
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再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 03:41 UTC 版)
詳細は「再現性の危機」を参照 2017年6月に72人の著名な研究者が、新たな発見をしたと主張する際の証拠の統計的基準の低さが再現性の危機の一因になっているとする論文を発表した。新発見の統計的有意性を評価するために、科学者が好んで用いるP値の閾値は0.05から0.005に引き下げるべきであると、統計学の大家たちは主張する。その一方、イリノイ工科大学の計算機科学者Shlomo Argamonは「実験する方法が多数ある限り、どんなに小さいP値の閾値を用いてもその中に一つの実験方法が偶然に有意になる可能性が極めて高い」と新しい方法論的な基準を求める。実際小さいP値の閾値を用いたらお蔵入り問題がより著しくなり、多数の論文が出版できなくなる。その結果、多くの学者たちはP値の使用を停止し、代わりにベイズ因子を多用するようになった。
※この「再現性」の解説は、「ベイズ因子」の解説の一部です。
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「再現性」の例文・使い方・用例・文例
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