超巨大地震の例とは? わかりやすく解説

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超巨大地震の例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 04:31 UTC 版)

超巨大地震」の記事における「超巨大地震の例」の解説

CMT解などから精度の高いモーメント・マグニチュード (Mw) が推定できるようになったのは1970年代後半以降である。それ以前津波遡上高地殻変動などから想定される断層モデルによる推定値であり、さらに19世紀以前歴史地震については断層モデル根拠となる津波遡上高諸説あり地殻変動推定史料限定され、また激震域の長さなどによる推定値でもあり精度は低い。 地質調査から推定される超巨大地震北海道太平洋側 十勝釧路根室海岸5世紀9世紀13世紀17世紀津波堆積物が見いだされ17世紀のものは慶長三陸地震相当するとする説もある。 東北地方太平洋側 石巻から南相馬に至る仙台平野紀元前390年頃、西暦430年頃、貞観津波西暦1500年頃の津波堆積物が見いだされる南海トラフ 高知県土佐市宇佐町ヶ池から宝永地震始め複数津波堆積物見出され、特に紀元頃の津波堆積物宝永津波をも上回る規模であった推定される。さらに6500年間地層から15回の津波堆積物見出された。 スマトラ900年頃に大規模な地震があったと推定される津波堆積物および珊瑚隆起痕から1394年頃から1450年頃の間および956年前後大規模な地震があったと推定されるカスケード沈み込み帯 紀元前600年頃、紀元前170年頃、西暦400年頃、西暦810年頃、西暦1310年頃および西暦1700年など1万年間に19回の巨大地震痕跡見出されている。 南チリチリ中南部沿岸のマウジン川河口周辺湿地において紀元前80 - 西暦220年頃、西暦430 - 660年頃、西暦990 - 1190年頃、西暦1220 - 1400年頃、西暦1575年および西暦1960年津波堆積物見出されている。 アラスカ沖 BP900年頃と、BP1500年頃推定される巨大地震波源域は、確認される堆積物分布から1964年のものよりやや大きいとされるカムチャツカ7000年間50個の大津波痕跡見出されている。 歴史時代超巨大地震歴史地震)名称発生日時現地時間モーメント・マグニチュード表面波マグニチュードスケール備考白鳳地震 684年11月26日22時頃 M8 - 9 M8 1/4 - 8.4 『日本書紀』記述があり、宝永地震同等または大分県龍神池など場所によりこれを上回る規模津浪堆積物確認土佐国では宝永地震同等被害地震として伝わる(『谷陵記』)。 貞観地震 869年7月9日Mw>8.7 M8.3 - 8.6 『日本三代実録』に記述があり、東北地方太平洋沖地震との類似性指摘される仙台平野見出され津波堆積物分布からMw8.4程度断層モデル推定されたが、これは下限値であり堆積物分布以上に浸水域が拡がっている可能性指摘され、Mw8.4を大きく上回り海溝軸付近まで大すべり域が分布していた可能性があるとされる従来M8.4程度推定され歴史地震中にはモーメント・マグニチュードではMw9クラス推定し得る地震存在するバルディビア地震 1575年12月16日14時30分頃 M8.5 揺れ強さ津波地殻変動などの歴史記録および津波堆積物調査から1960年チリ地震同等規模とする推定がある。 ペルー・カヤオ地震 1687年10月20日5時30分頃 - Mw8.9 M8.2 M0=2-3×1022N・m程度地震モーメント見積もられている。『肯山公治家記録目録によれば陸前塩釜市中50程度潮が溢れ琉球与那城郡にも津波到来カスケード地震 1700年1月26日21時頃 Mw8.7 - 9.2 地質調査から発見され巨大地震であり、アメリカにおける歴史記録現存しないが、原因不明とされていた『大槌古今伝記』、『田辺町大帳』などに記され日本各地津波記録地質調査との整合性から日本津波到達したものと推定され日時判明した地震震源域長さカスケード沈み込み帯のほぼ全域亘る1100 kmに及ぶ。 宝永地震 1707年10月28日13時45分頃 Mw8.7 - 9.3 M8.4 - 8.6 日本の歴史最大級地震東海地震南海地震二元地震考えられたこともあり、推定され津波波高等からMw8.7程度断層モデル考えられていたが、これでは済州島達した津波説明できず、震度分布余震分布による東北地方太平洋沖地震との比較からMw9.1 - 9.3程度との推定もある。震源域長さ南海トラフのほぼ全域亘る約700kmに及ぶ。 チリ・バルパライソ地震 1730年7月8日3時45分頃 M8.7 約1000 km海岸津波襲来しバルパライソは港が破壊されコンセプシオン全滅した。『東藩史稿』には陸前牡鹿津波到来し田畑損したとある。 カムチャツカ地震 1737年10月18日0時30分 Mw9.0 - 9.3 M8.3 震源域長さは約700 kmに及ぶ。1952年カムチャツカ地震同等規模との説もある。 ペルー・リマ地震 1746年10月28日2230分頃 Mw8.9 - 9.0 M8.3 リマではほとんどの家屋倒壊。 チリ・コンセプシオン地震 1751年5月25日0時頃 M8.5 コンセプシオン全滅しファン・フェルナンデス諸島は町が洗われ船が沈没した。『大槌官職記』には陸中大槌で浦々民家敷板田畑浸水した記されるリスボン地震 1755年11月1日9時40分 Mw8.5 - 9.0 M8.5 ヨーロッパの歴史最大級地震大津波発生比較稀な大西洋全域津波波及スマトラ沖地震 1833年11月24日 Mw8.9 - 9.0 M8.7 2004年のものより南側震源域発生バルディビア地震 1837年11月7日8時頃 Mt9 1/4 M8.0 コンセプシオンバルディビア大津波ハワイ諸島でも大被害となった。『東藩史稿』には陸前気仙郡牡鹿郡宮城郡津波到来し田を傷むとある。 チリ・アリカ地震 1868年8月13日16時45分 Mw8.8 - 9.1 M8.5 震源域アリカからピスコ付近までの約600 km或は900 kmに及ぶ。太平洋全域津波波及し南米沿岸もとよりハワイオーストラリアニュージーランド日本にも襲来した記録がある。 チリ・イキケ地震 1877年5月9日21時16分 Mw9.0 M8.3 イキケ沖で発生し震源域チリからペルーにかけての海岸沿いの約450 kmに及ぶ。太平洋全域津波波及しチリ沿岸ハワイオーストラリア日本にも襲来し被害出した記録がある。 地震計による観測時代超巨大地震カムチャツカ地震 1952年11月5日1時58分 Mw8.8 - 9.0 Ms8.2 震源域長さは約600 kmに及ぶ。ソビエト連邦(現・ロシア観測史最大地震アリューシャン地震 1957年3月9日4時22分 Mw8.6 - 9.1 Ms8.1 震源域長さは約1200 kmに及ぶ、津波マグニチュードもMt9.0になるとされ、金森 (1977) はMw9.1と推定したが、長周期地震計による観測ではそれほど大きな振幅認められず、断層滑りも殆ど西側半分のみで発生した推定されMw8.6程度であるともされるチリ地震 1960年5月22日15時11分 Mw9.2 - 9.5 Ms8.3 - 8.5 世界観史上最大地震震源域長さ800 - 1000 km、幅は約200 km平均滑り20 m程度最大滑りは約40 mに及ぶ。地震モーメントM0=2.0-2.7×1023 N・m (2.0-2.7×1030 dyncm) に達する。津波太平洋全般に被害与えハワイ日本でも死者出た金森(1977)は地震データ解析および津波規模などからMw9.5と推定したが、地殻変動からこの値は過大評価であるとされ、Mw9.3、あるいはMw9.2程度が妥当ともされるアラスカ地震 1964年3月27日17時36分 Mw9.1 - 9.2 Ms8.4 アメリカ合衆国観測史最大地震震源域長さ700 - 800 km、幅は約250 kmに及び、震源域東北端の震源付近に地震モーメント大半開放された超大すべり域が推定されている。 グローバルな観測網整備下の超巨大地震スマトラ沖地震 2004年12月26日7時58分 Mw9.1 - 9.3 Ms8.8 インドネシア観測史最大地震震源域スマトラ島沖からアンダマン諸島まで約1300 km、幅は約180 kmに及ぶ。インド洋全域津波波及地震直後はMw9.0が報告されていたが、超長周期地震動解析などからM0=1×1023 N・m (Mw9.3) とする解析もある。 チリ・マウレ地震 2010年2月27日3時34分 Mw8.8 Ms8.5 震源域長さ450 - 500 kmで、幅は約200 kmに及び、Mwはやや9を下回る1960年チリ地震などと同様に超巨大地震として扱われることもある。 東北地方太平洋沖地震東日本大震災2011年3月11日14時46分 Mw9.0 - 9.1 Ms8.3Mj8.4 日本観測史最大地震気象庁地震発生直後従来計算方法気象庁マグニチュードをMj7.9と速報し、振幅振り切れていない地震計記録からMj8.4に修正したが、気象庁マグニチュード飽和見られ規模適正に表されないことから、モーメント・マグニチュードでMw8.8と速報し、2日後遠地波形記録からMw9.0と修正した震源域長さは約500 km、幅は約200 kmに及び、宮城県沖の震源付近に地震モーメント大半開放された約50 m以上に及ぶ超大すべり域が推定されている。

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