スマトラ沖地震とは? わかりやすく解説

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スマトラ島沖地震

(スマトラ沖地震 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/31 08:37 UTC 版)

スマトラ島周辺のM5.5以上の地震(1900-2016)

スマトラ島沖地震(スマトラとうおきじしん)は、スマトラ島周辺で起こる大きな地震の名称。スマトラ沖地震スマトラ地震とも通称される(後者についてはスマトラ島内で発生した地震との使い分けに留意)。スンダ海溝の近くで起きている海溝地震とスンダ海溝に並行しているスマトラ断層の付近で起こる地震が主である。本項ではスマトラ島周辺で起こる地震の全体の概要を説明する。なお、単にスマトラ島沖地震という場合、通常は2004年に発生したマグニチュード9.1の地震を指すことが多い。

2000年以降の主な「スマトラ島沖地震」

時期 (WIB) 名称 マグニチュード 震源地
2000年06月04日 スマトラ島沖地震 (2000年) 7.9 スマトラ島南方沖
2004年12月26日 スマトラ島沖地震 (2004年) 9.1 バンダ・アチェ南南東沖
2005年03月28日 スマトラ島沖地震 (2005年) 8.6 メダン南西沖
2007年09月12日 スマトラ島沖地震 (2007年) 8.5 ブンクル南西沖
2009年09月30日 スマトラ島沖地震 (2009年) 7.5 パダン西北西沖
2010年04月06日 スマトラ島沖地震 (2010年04月) 7.8 バニャック諸島英語版付近
2010年05月09日 スマトラ島沖地震 (2010年05月) 7.2 バンダ・アチェ南南東沖
2010年10月25日 スマトラ島沖地震 (2010年10月) 7.7 パダン南沖
2012年01月10日 スマトラ島沖地震 (2012年1月) 7.2 バンダ・アチェ南西沖
2012年04月11日 スマトラ島沖地震 (2012年4月) 8.6[1] バンダ・アチェ南西沖
2016年03月02日 スマトラ島沖地震 (2016年)英語版 7.9 スマトラ島南西沖

スマトラ島周辺で起こる地震の概要

周辺の地形図

ミャンマーから大スンダ列島小スンダ列島ティモール島にかけて、インド・オーストラリアプレートユーラシアプレートがぶつかり合うスンダ海溝(ジャワ海溝)がある。ここは世界有数の地震多発地帯で、スマトラ島周辺では100年から150年の周期で大きな地震が繰り返し発生している。海に面している面積が大きいため、二次災害として津波が起きやすくなっている。過去から地震を多数経験してきており、2000年代に入ってから発生した上記の地震もその一連の流れの一つである。

過去の記録では901年頃にM8.9と推定される地震、1797年にスマトラ島中部沖でM 8.4と推定される地震、1833年にスマトラ島南部沖でM 8.9と推定される地震、1861年にスマトラ島北部沖でM 8.5と推定される地震などが起きている。

2004年の地震では、スマトラ島北西沖からアンダマン・ニコバル諸島にかけてのプレートの境界(ジャワ海溝)が1,000km超にもわたる巨大な範囲でずれ、一気にマグニチュード9.1のエネルギーが解放された。これによる被災者は120万人,死者及び行方不明者数30万人以上,被害総額は78億ドル超に達すると計算されているが、実際の被害額はまだ多いと思われる。二次災害として、大きな津波が起きたため、津波のみでも甚大な被害が生じた。この地震により周辺のユーラシアプレートにかかる力が大きく変わり、2005年の地震などを誘発[注 1]しているものと考えられている(「スマトラ島沖地震 (2004年)#地球への影響」も参照)。インドネシアで2004年以降地震が急増しているのは、このためではないかと見られている。なお、地震の種類としては2009年の地震(海洋プレート内地震)を除き、プレート間地震(海溝型地震)となっている。この他、スマトラ島の沖で発生したものではないが、2013年にはスマトラ島内(北部)でもM 5.9の直下型地震が発生している(スマトラ島地震)。

本来、「スマトラ島沖」はスマトラ島北西沖からスマトラ島南東沖までの広い範囲を指すが、2004年12月26日にマグニチュード9.1の地震が発生して大きく報じられて以来、「スマトラ島沖地震」はこの地震のことを指す場合が非常に多くなった。

これらの地震により火山活動も活発となっており10以上の火山で地震が増加[2]2006年5月と2010年10月にはムラピ山が噴火に至っている。また巨大地震の頻発により、トバカルデラにおける破局噴火に繋がる可能性も懸念されている[3]

脚注

注釈

  1. ^ 2005年の地震に関しては、2004年の地震と震源域が一部重複しているため、連動型地震であった可能性も指摘されている。

出典

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