超巨大地震のスーパーサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:07 UTC 版)
「東北地方太平洋沖地震及び津波のメカニズム」の記事における「超巨大地震のスーパーサイクル」の解説
Mw9.0の東北地方太平洋沖地震の発生によって、プレート境界では普段はMw7-8程度のプレート境界型地震が起きているが、それらの地震では開放しきれないひずみが長年蓄積することによって、何回かに一回はひずみを一気に開放するMw9クラスの超巨大地震が発生するとの説がクローズアップされるようになった。これまでもMw7-8程度のプレート境界型地震が何回か発生するうちに、普段よりも規模が大きい地震が発生することは、チリ付近の地震やスマトラ沖での地震の履歴についての調査、日本でも相模トラフによる関東地震、南海トラフによる東海地震、東南海地震、南海地震、そして北海道東部の千島海溝で発生する地震などで研究が進められていた。Mw7-8程度の巨大地震が繰り返し発生するプレート境界では、それらの地震では開放しきれないひずみが蓄積することによって、何回かに一度Mw9クラスの超巨大地震が発生するという、巨大地震と超巨大地震が階層的に発生する現象が普遍的に見られる可能性が指摘されており、この階層的な地震発生のサイクルはスーパーサイクルと呼ばれている。つまり東北地方太平洋沖地震はスーパーサイクルにおける超巨大地震と考えられる。 また東北地方太平洋地震後、千島海溝や日本海溝で発生した超巨大地震によって引き起こされた津波の堆積物調査が北海道や東北で進められ、また本州、四国、九州の太平洋沿岸では南海トラフで発生する超巨大地震による津波の堆積物調査が進められている。その結果、北海道や東北地方の各地の海岸では、かつて発生した大津波による堆積物が数多く検出され、その結果から日本海溝から千島海溝にかけては、岩手県南部から茨城県にわたって大きなすべりが発生した東北地方太平洋沖地震の震源域以外に、岩手県から青森県沖、そして北海道の襟裳岬沖から根室沖、根室沖から色丹島沖にかけてという4つの超巨大地震発生域があって、それぞれ数百年から千数百年の間隔で超巨大地震を発生させてきたとの仮説が提唱されている。
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