考古学の諸分野とは? わかりやすく解説

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考古学の諸分野

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 03:52 UTC 版)

考古学」の記事における「考古学の諸分野」の解説

プロセス考古学英語版)/ニューアーケオロジー 60年代アメリカ考古学者ルイス・ビンフォードが確立させた考古学的方法論従来伝播主義的考古学反論し社会内部あるいは社会間で働いている多様なプロセス抽出し分析する事を目指している。そこでは、社会自然環境の関係、生業経済活動集団内での社会関係、これらに影響与えイデオロギー信仰さらには社会単位間の相互交流効果など重要視されている。プロセス考古学発展の中で、考古資料過去に関する見解橋渡しを行うための中範囲理論Middle Range Theory)が登場しその理論実践するために実験考古学民族考古学歴史考古学派生した実験考古学 過去遺構・遺物模式的に製作・使用破棄する事によって、現在の遺構遺物どのような工程経て現状至ったのか考察する研究領域例えば、原石から石器製作して使用したり、粘土から土器製作して調理行ったりして使用痕分析するまた、住居建築した後、放火などの破棄行ってその後層位堆積状況観察する事もある。 民族考古学 現存する伝統的文化保持する小規模な民族集団調査し、そこで得られ知見基づいて過去考古学上のデータから様々な人間活動パターン復元する際の比較資料モデル作り出そうとしたり、ある考古学上の仮説検討する基礎にしようと試みるものである歴史考古学 考古学研究法を、従来文字無かった時代だけでなく、文字史料現存する時代にも応用しようとした研究。これにより文献資料では空白部分であった情報が、考古学資料によって補完されようになった日本では主に奈良時代以降を指すことが多い。遺構遺物存在文献資料食い違い文献資料とは異なったり、また記録されていなかったり、不明瞭な記録に対して、全く違う事実判明した例(法隆寺再建論争などが顕著な例)もある。 ポストプロセス考古学英語版70年代イギリス考古学者イアン・ホダーとアメリカ考古学者マーク・レオーネを中心にプロセス考古学への批判から形成された。解釈学的考古学とも呼称される。構造主義批判理論・新マルクス主義思考影響を受けつつ、一般化避け個別的説明」を行う傾向がある・ 認知考古学英語版1990年代からよく使われるようになった認知科学、心の科学などの研究成果援用応用した考古学的研究過去生きた人々の心の研究推測復元)は、検証可能性実証性を保とうとすることが大変難しい。 産業考古学 詳細は「産業考古学」を参照 戦跡考古学 近現代における国内戦争痕跡戦争遺跡)を扱う我が国近現代考古学一分野。対象となる戦争遺跡は単に戦闘の跡に留まらず師団司令部航空機墜落跡、水没艦船防空壕軍需工場さらには現存する当時精神的支柱八紘一宇の塔忠魂碑)などと、非常に多岐にわたる1984年沖縄県當眞嗣一が提唱した激戦地であった沖縄では、盛んに調査が行われている。戦跡考古学に対しては、民俗学建築学など様々な方面からのアプローチが可能である。一部では外国戦跡研究中国虎頭要塞731部隊施設研究南洋諸島点在する旧日本軍軍事兵器など)も行われている。研究者として、坂誥秀一らがあげられる水中考古学、海洋考古学 水中にある遺跡遺物などを調査する考古学19世紀スイス上家屋跡の確認契機に、フランスクストー世界各地海底遺跡調査開始したのが始まりである。日本でも地すべり琵琶湖湖底沈んだ古代集落や、長崎県鷹島沖の元寇の際の沈没船などの研究が行なわれている。 宇宙考古学英語版)(衛星考古学1972年ランドサット1号打ち上げられ以来人工衛星データによる地球観測技術は、気象災害環境海洋資源など、さまざまな分野調査研究応用されこれまで多く成果をあげてきた。衛星搭載されセンサ解像力高度化し、マイクロ波センサ赤外線により地表状況がより明確に観測できるうになると、衛星データ応用範囲はさらに多様化し密林砂漠の下に埋もれた古代都市遺跡検知なども可能となってきた。この宇宙からの情報技術考古学研究応用したのが宇宙考古学である。坂田俊文は、この方法によってエジプト未知ピラミッド発見している。 なお、疑似科学古代宇宙飛行士説も「宇宙考古学」と称することがあるが、これとは完全に別物である。 環境考古学 文明歴史を、その自然環境との関係を重視して研究する分野1980年安田喜憲提唱した1999年刊行の『新編高等世界史B』には、環境考古学成果採用された。2003年入って安田以外の研究者による環境考古学題する本が刊行された。考古遺跡から出土する遺物中でも、特に動植物遺体などの分析から、当時食生活漁獲対象ひいては周辺の気候植生復元する考古学分析する遺体は、貝殻獣骨動物考古学限定することもある)などの比較大きなものから、土壌選別(篩掛け)することによって得られる花粉寄生虫卵などがある。1980年代以降考古学における理化学研究の進展に伴い提唱された。渡辺誠松井章らによる研究が詳しい。 地震考古学 地震の痕跡遺跡からさぐる学問1980年代寒川旭らの研究者により提唱され新しい研究領域である。 第2考古学 五十嵐彰が提唱する方法論上のカテゴリー従来考古学主流をなしている編年研究過去についての知識ではなく考古学独自の思考方法探ろうという観点に立つ。名称の適切さ含めて批判もあり、研究領域としての認知度は低い。

※この「考古学の諸分野」の解説は、「考古学」の解説の一部です。
「考古学の諸分野」を含む「考古学」の記事については、「考古学」の概要を参照ください。

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