猿谷家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 10:44 UTC 版)
猿谷 猿丸(さるたに さるまる) 主人公。通称「猿(サル)」。猿谷家の長男。名の通り猿そっくりの野生児だが、実は天才少年ゴルファー。昭和38年3月10日生まれ、H県奥山市深森区猿ヶ瀬に住んでいる。6歳でゴルフを始める。アマチュアであるが、自称「プロゴルファー」(賭けゴルファー)として活躍している。関西弁交じりで話す。 自慢の手作りの木製クラブで日夜勝負を繰広げている。並外れたショットの腕前を持ち、「旗つつみ」など数多くの必殺技を編み出した。また、記憶力にも優れ、自身が持っている猿谷ゴルフ場のコースにて目をつぶっていても確実にショットを打つ自信があり、ゴルフ特訓道場でも筆記試験にて早朝マラソンで回ったコースのグリーンに立てられたピンの位置まで全部正確に答えた程である。反面、女性に弱く褒められるとだらしなくなる。初期の頃は勝つことしか考えておらず、自意識過剰が激しい面があり、常に勝利しか見えない。剣崎にもその点を指摘されている。 「わいはプロや」と常に叫んでいる。剣崎との試合でも「わいはプロであんたはアマチュア、アマチュアがプロに勝つわけはないんや」などと自意識過剰が目立つ。初めて黄金仮面のときに敗北を味わう。 また、賞金の話になると金に目がくらみ、獲得した貯金に執着し(木の切り株に穴の開いたものを貯金箱にし、常にそこに賞金〈現金〉を詰め込んでいるが、ネズミに襲われて二十五万円分をかじられた事がある〈かじられた分のお札を換金した際に損をした分は、銀行強盗を撃退したお礼で埋め合わせをした〉。一千万円を目標に賞金稼ぎに励んだ末、最終的には三千万円以上になった)、兄弟にはお小遣いをあげない(ただし、パットの試合で優勝した小丸に千円を贈呈している)ほど、金にはがめつい。一方、母親にはデパートで高級なドレスを買ってあげたり、海浜温泉市に温泉旅行に連れて行ったりと、親孝行の面を見せる。 ゴルフの腕は確かだが、インプレー中の球を触ろうとしてペナルティを受けかけたり(紅蜂の注意で未遂になった)ウォーターハザードでソールしたら2打罰ということや、体にボールが当たったら2打罰ということを知らなかったり、2度打ちを指摘され驚いたり、動いている球をプレイしたら2打罰を知らなかったり(特別ルールにより事なきを経た)とルールには疎い(なお2019年のルール改正によりボールが当たったのと2度打ちは故意でなければペナルティの対象にならなくなったため猿の場合は不可抗力がはっきりしているため無罰となるようになった)。 中学生という設定だが、学校にはほとんど行かずゴルフに明け暮れる。猿谷(さるだに)が自分の庭同然で練習場でもあり、棲んでいるサルとも親しみを感じている。市販の薬が体質に合わない代わりに、野草の知識に長けており、雪の奥山カントリークラブでおっちゃんとの試合で足に傷を負った後に、傷を治すユキノシタや、プロテスト一日目終了後の食べすぎが祟った事による腹痛に効くゲンノショウコを見つけ出す。 ゴルフクラブは主に自作のもの(ドライバーの他に中丸が作っているクリークやウッドウェッジ、左甚五斎の「正宗」)を用いるが、市販のクラブにも関心を持っている。ただし、自分で購入した事がなく、アイアンに関しても角丸デパートでの試打や、『サル』第17話「タイガーを追って」の例外があるだけにすぎない。 市販の道具は合わないせいか、「ブラックシャフト」など、市販のクラブではまともに打てない事を指摘され、ゴルフ道場に入門する事になる。 アマチュアゴルフ選手権で優勝した後にゴルフ特訓道場で受験資格を得たうえでプロテストを受けて合格し、『新プロゴルファー猿』では正真正銘のプロゴルファーとなる。 しかし、続編の『サル』では正式のプロではない。猿丸が受験したプロテストは、悪天候で合格者が猿丸だけだったため他のテスト生からクレームが出て結果、猿丸の合格まで取り消されてしまう。救済措置で再試験が行われるのだが、全力を使い果たして一度プロの資格を得た猿にとっては屈辱的であり、改めてプロテストを受けなおす気は起きず、日本を離れる事になった。渡米後の猿丸は長髪を紐で後ろに結んでおり、また、大の酒好きで「アルコールには目がない」と自ら語るほど。 なお、連載当時はプロとなるにはプロテスト合格が必須だったが、現在はツアー競技に参加する、いわゆるツアープロの場合、制度が変わっている。詳細はリンク先参照。 猿谷 中丸(さるたに なかまる) 次男。瞳が透けて見えないほどの度の強い眼鏡をかけている。兄弟間では一番の賢さで、猿丸のキャディ兼ブレーン役。パッティングが得意で、モップの柄で作ったパターをサム・スニードの得意とする「サイドサドルスタイル」で使いこなす。また、猿丸にサンドウェッジ、小丸にクリークを作成する等、猿丸のクラブ製作技術と同等の手先の器用さがある。猿丸のことは「猿丸兄さん」と呼び丁寧語、敬語で話す。竜との対戦では猿丸に留守番を頼まれた代わりに、試合での心の助けとなる「ポケット版ゴルフ金言集」を託している。東京タワーでのドライビングではあまりの高さに恐縮し、猿丸の打球を見ていないほどの高所恐怖症でもある。 続編の『サル』では己の知識の元で育て上げたゴルファーと、猿のどちらが優れたゴルファーか競うために猿の敵となり現れる。 猿谷 大丸(さるたに だいまる) 三男。大柄でのんびり屋。猿丸のことを「猿丸(の)あんちゃん」と呼ぶ。少々頭が良くないが、ゴルフの腕は良い。特にカップまでの目算に優れる。木の枝を削って作ったパターを所持。力持ちで、ドライバーの材料となる木の根を引き抜き、猿谷家の庭の専用グリーンの施工も手がけた。中丸が仕込んだジャック・ニクラウスのスタイルを体得している。物語序盤では「おおまる」と読み仮名が振られていた。竜との対戦で出発前にニューボールを猿丸に渡した。後述のおっちゃんにゴルフの腕を見込まれ、自身が果たせない猿丸へのゴルフでの勝利を大丸で果たそうと、地元の奥山カントリークラブの会員登録の必要料金を払い、本格的な高級ゴルフクラブセット、その他を買い与えられる等大きく援助を受け、猿丸がゴルフ特訓道場にいる間に中丸のアドバイスにより見違えるほどのゴルフの腕を磨き、猿丸がプロを目指すためのスパーリング・パートナーとして任命された。猿丸は実家に帰郷した後、大丸の他に剣崎や神楽と賞金を懸けて試合をした。 猿谷 小丸(さるたに こまる) 四男の末っ子。幼児のくせにいつも一升瓶を抱えて酒を飲んで酔っ払っている。彼の酒は左甚五斎によると、辛口の高級日本酒(白雪)とのこと。アニメ版では瓶の中身がラジウム鉱泉入りのミネラルウォーターに変更された。兄達を「あんにゃー」と呼ぶ。たまに一升瓶で殴りかかろうとしたり、ひざに蹴りを入れたり(ミスターXに対しても)と反抗する事もある。傘の柄を改造したパター(3パットメンには中丸たち三兄弟で挑んで敗れ、再試合では、猿丸が加わったために仲間外れにされた代わりに、小丸のパターを中丸に貸した)と、猿丸のドライバーと同じ方法で中丸が作ったクリークを所持。ゴルフの腕前としては、猿谷家のグリーンのパットは必ず1パットで決めるが、ショットには自信が無く、板塀の向こうのタライに5発とも入らない(中丸も同様)。試合中のトラブルの原因にもなっており、アマチュアゴルフ選手権では突然姿をくらましキャディとしてクラブを担いでいる大丸に迷惑をかけたり、シャドウ・アイランドでのキング・シーザーとの対戦で、猿丸の後ろでアドレス中に突然喚き、グリーンに乗り損ねるミスをさせたりした。ただし、一度猿丸は怒ったが、いかなるシチュエーションでも怯まないようにという、小丸の心遣いから猿丸は憎まずに冷静になった(ニクラウスも近くで火事が発生しても気づかずに冷静にプレイした)。 母 農業で一家を支えている。猿丸たちの行動や体調をいつも心配している。黄金仮面に試合で敗れた時も、姉と一緒に支払金の工面をしようとしたが、猿丸に遠慮してもらっている。猿丸に海浜温泉へ旅行に招待された時も、ホテルの番頭に薄汚い部屋へ移された時に不満を感じていた猿丸に対し、母はこれでも十分だと言った。テレビ撮影のために上京する猿丸のために東京は寒かろうとチョッキをプレゼントした。 姉 長女で猿丸の姉。家計を支えるために、剣崎のゴルフ場でキャディをしている。アニメ版では『デパート HIKARI』で働いている。また、新しいドライバー作りに熱中する猿丸に夜食のおにぎりを作ってあげている。 ゴエモン 猿谷家の飼い犬。温泉好き。アニメ化に伴いコミック版の「影のスペシャリスト編」より登場。ヤマメの収穫に長けているほか、尻尾をパター代わり(※アニメ版では練習用グリーンでパット病で苦しんでいる猿丸をさしおいて中丸たちと同じように1パットを決めている)にしている。中丸の解説により、第三者(キャディ・審判を除く)はゴルフの競技に介入してはならないが、ゴエモンは犬なので第三者にあたらないという例外を逆手に取り、ゴルフ寺の暗闇地獄を道先案内し、猿丸のショットを助けてくれた。 カンクロー 猿谷家周辺に生息するカラスでいたずら好きの一方、他のカラスの例にもれずよく狙われる。映画化に伴い、コミック版で初登場。近所のゴルフ場などでロストボールを集めるのが趣味。時折ゴエモンと対立するが仲はいい。おっちゃんのショットをからかっては楽しんでいるようである。
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