根津家と関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 06:01 UTC 版)
根津 栄一(ねづ えいいち) 業子と恵の父で田舎の名家の当主。巫女をしていた業子の実母と結婚する気もなく関係を持ち、妊娠を知らずに文江との縁談を機に別れを告げるが、彼女の自殺騒動の後、生まれた業子を仲人によって引き取らされる。業子の実母に対して「(自殺するなら)川にでも身を沈めてくれれば子供も死んだのに」と愚痴ったり、文江の業子に対しての邪険な仕打ちを注意するのは「県会議員としての体裁」が故であったり、スピーチで成功した業子に感心する姿を文江に罵られても反論せずに引き下がる、業子が高校を中退し家を出ようとするのを止めないなど業子に対しての愛情は薄く、後に恵が彼女の居場所を突き止めたと知った時も無関心で、その直後に家元の婚約者として郷里を訪れた業子を目の当たりにした時も「良く似てるな」と驚きはしたが、それ以上の追求・確認をしない等、父親らしい態度は見せていない。 「いずれ恵と結婚させて婿養子に」という考えから、貴志の父と当時の担任からの依頼で大学の学費なども出していたが、婚約を断った貴志に激怒し支援を打ち切った。 結婚式当日以外の場面では眼鏡を掛けている。趣味は盆栽と植物の手入れで、猫を飼っていた事もある。厳格な印象ではあるが時折、ユーモラスな表情と言動を見せる場面もある。家出をしようとする恵に面食らう場面が最後の登場となるが、最終回付近での業子による回想シーンでは、更に年老いた姿となっているのと、業子と恵のやりとりなどから、その段階で在命している可能性が高い。 根津 文江(ねづ ふみえ) 業子の継母で名付け親でもある。自身の結婚式の場で業子の実母が自殺を図り、式を台無しにされる。この事が元で栄一に不信感を抱くが入籍。そして1年内に娘の恵を出産。業子のことを強く憎み、恵と差を付けて育て、「余計者」と暴言を浴びせる等、陰湿な嫌がらせをしており、貴志の件で立腹した時には「生まれた時に濡れ布を被せて殺せば良かった」と襲撃をしようとして栄一に止められる。同時に溺愛する恵以外の人間には、無関心で邪険な態度で接する。 家元と一緒に、目の前に立っている業子を本人と気づかず、「業子ではないか?」という恵の訴えに対して「似てはいるが別人」と言い放ったが、筒井の不倫相手として掲載された週刊誌の目張り入り写真に関しては業子と気づく。この時に離婚覚悟で出戻って来た恵を諭すが、過去に業子を引き取らされた事を持ち出されて反撃を受ける(この場面が最後の登場となる)結婚時は細身だったが、その後はふくよかな体型になっている。OL編、フランス編には登場しない。 根津 恵(ねづ めぐみ)/ 筒井 恵(つつい めぐみ) 業子の異母妹(状況等から業子が生まれた翌年の3月頃生まれと推定)。業子とは同い年で高校まで同級生だったが、「姉さん」と呼ぶ。容姿は母似。 明朗快活な性格ではあるが、 両親に溺愛されて育てられた事もあり、都合の悪い事を他人に責任転嫁する等、我がままな面がある。母から業子の悪口を吹き込まれている為に業子を嫌悪し、最後まで良い感情を持つ事はなかった。高校3年時で業子と同じクラスになっていて、表向きは「同年度内に生まれた年子」とされているが、真実を知っていて噂話をしたり比較をする友人らに対して立腹している。業子に対して「疫病神」と見下す様な態度で接していたが、嫌がらせをする度に反撃を受け、次第に恐れを抱く様にもなっている。再会、交際を開始した貴志に対して何かと業子を引き合いに出し、自己評価を求めたり、終盤付近で幼少期から抱き続けたコンプレックスを吐露し「どうあがいても勝てなかった」と一目置いている様子も見られる。 貴志に憧れ、両親の後押しで婚約しようとするが断られ、その原因として業子を刃物で襲撃した際に転んで額に消えない傷を作ってしまい、業子に責任転嫁をして事あるごとにつっかかっている。 古賀英雄と交際していたが、婚約直前に探偵を使って業子を探し出し出生の事で侮辱し怒らせた為、彼女の策略で破談になる。華道の免状を古賀家に突き返し英雄と別れた直後、父の紹介で近所の議員事務所で働いていたが、友人の翠の誘いで東京へ。 新曙流に入門し再会した貴志と同棲していた事もあるが、彼が業子を憎悪する様でいて、実は愛し続けていると気づき指摘。そして火災発生時、貴志が業子を救出しようと炎の中に飛び込んで行った為に破局。 業子が渡仏中に筒井と結婚。この時に父の過ち・異母姉の存在などを打ち明け、外に女を作るのは許さないと宣言。マスコミ対策など裏方の仕事を始め、百合子が収容されていた施設へ月1回、花と手作りクッキーを届けたり、細菌研究所への寄付等ボランティア活動なども行なっている。のちに夫の不倫相手が帰国した業子と知って激怒し夏世と結託。業子の勤務先の研究所から細菌を盗み出して業子への感染を画策。しかし研究所職員、宝石店の店員である村瀬、食事を届けに来た百合子からの報告、ケロイド状の病変が顔に表れた夏世の姿から悪事が発覚。筒井に離婚を切り出され、憎しみのあまり業子を殺そうとする。しかし人違いで夏世を殺害してしまい、警察に出頭しようとしたところを業子に言いくるめられて筒井の元へ戻ってゆく。妊娠・出産の経験はない様子。 OL編とフランス編には登場しない。 寺尾 貴志(てらお たかし) 業子の初恋の男で初登場時は大学3年生。帰省時に業子に同情するが、言い寄って来た恵に心惹かれる。それを知った業子に誘惑され肉体関係を持った末、一瞬の気の迷いから恵からの婚約の申し出を断り、業子と駆け落ちを決意。しかし駅へ向かう途中で業子の策略を知って激怒。別れを告げる。 根津家の近所で農業を営む実家は貧しいが、恵の英文スピーチを代筆するなど頭が良く、県内でもトップクラスに入る程の公立高校に通っており(業子と恵とは別の高校)当時の担任などが栄一に、大学進学の為の資金援助を依頼。本人の知らぬ間に援助、縁談が進行していた。しかし恵との縁談と入婿を断ったとして根津家からの学費支援が打ち切られ、同時に実家からも絶縁された為に、自力で学費を捻出し大学を卒業。この事でも業子に責任転嫁をしている。 卒業後は外資系商社の技師として就職。業子への屈折した感情から本来の心優しさ、純朴さは消失。拗けた非情な性格になっており、特に水商売の女性らに悪辣な態度を取る様になる。同僚の代わりに出向いた旅館で偶然、業子に再会。そこで愛憎の念をぶつけて強引に抱いた事、幼馴染みであった事などを嫉妬心から槇原に告げ、彼の心が麗子に向く様に仕向けて、破局に追い込む。そして結婚式当日に業子の部屋に侵入して彼女の母を侮辱したことが、業子が悪女として生きる発端となる。 後に業子を強請ろうとした同僚に激怒。殺人を起こし、証拠隠滅をした事から悩む様になり企業を退職。業子を憎む篠崎と新曙会を立ち上げ、事務局長に就任する。同時期に上京した恵と交際し、曙流を妨害するが失敗。恵に業子への想いを指摘された直後、曙の屋敷で火災が発生したと知って駆け付け、業子が逃げ遅れていると誤解して救助の為に中に飛び込んでゆく。その後は描かれていなかったが、実は雲水となっており、終盤では業子を密かに付け回していた様子で、恵の罪を被ろうとした業子を目撃すると夏世の遺体を車ごと盗み出した上で、呼び出した業子の目の前で田沢湖に沈め、悪女とて生きる道を伝えて立ち去る。この他、フランス編以外には業子の回想も含め、必ず登場している。 粘着気質な面が見られ、業子を憎悪する様な言葉を多々投げかけるが、彼女の為に事件を起こしてしまったり、いざとなると命がけで救おうとするなど本心では深い愛情を抱いている様子がうかがえる。 吉川(よしかわ) 業子と恵の高校3年時の担任だった男性教師。遠方から通勤しており、業子と恵が異母姉妹という事を知らずにいた。落成式当日、校内で恵が腹痛を起こしたとして生徒達に呼ばれている。のちにスピーチに同席したが、業子が代役になった事で文江が激怒した理由を理解できなかった。吉川自身かどうかは不明だが、のちに篠崎から業子についての問い合わせ電話に対して、彼女の生い立ちと中退理由を告げた教員がいる。
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