暴魔百族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:18 UTC 版)
「高速戦隊ターボレンジャー」の記事における「暴魔百族」の解説
読みは「ぼうまひゃくぞく」。 暴力と魔力を尊び、世界支配を目論む魔物の一族。2万年前に人間と妖精族に敗れ、本拠地の暴魔城ごと封印されていたが、自然環境の悪化するに従ってラキアと妖精の力が弱まって封印が解けたため、現代に蘇った。それまでの組織とは異なり、幹部全員が暴魔再生巨大化光線を使用可能。中盤において、地球侵略に手間取り、失敗続きに激昂したラゴーンによって幹部が次々死地に追いやられる。 各キャラクターの身長・体重などの設定はない。 企画段階での名称はゾクであった。暴魔百族のデザインコンセプトは、企画書で謳われていた「和風の敵」という発想をキャラクターデザイナーの篠原保が「妖怪」っぽい解釈や「日本の土着的なもの」というアプローチで落とし込んでいったものとなっており、特に序盤の暴魔獣にはそういった和風のテイストを取り入れたものが散見されている。またごく初期の段階では和風だけでなく「古代」という要素にも注目したデザインが志向されており、実際にレーダやジンバなど一部のキャラクターのデザインにそれが反映されている。その結果、全体的に陰湿なイメージとなり、徐々に脚本でそこから外れたイメージも求められるようになり篠原は悩んだが、キリカのデザイン時に東映プロデューサーの鈴木武幸からの助言を受けてこだわりが抜けていったと述べている。 暴魔大帝ラゴーン(ぼうまたいていラゴーン) 暴魔百族を束ねる暴魔城の支配者で、またの名を「暴魔神(ぼうましん)」。暴魔再生巨大化光線を触手から放つ。威圧と暴力で暴魔たちを支配する典型的な暴君で、彼に従わない暴魔も多数存在する。 物語後半、ヤミマルの策略で暴魔城にてレッドターボと戦いGTクラッシュで敗れるが戦闘形態となり巨大化。スーパーターボロボのスーパーミラージュビームが唯一通じなかった敵だったが、スーパーターボビルダーの攻撃で倒される。だが、完全には死んでおらず、ワタリドリボーマことオヤクシャボーマの派遣を皮切りに異形の姿で異空間からターボレンジャーと流れ暴魔の戦いに干渉する。デザインモチーフは仏像。使用できるセットの大きさについて説明を受けた篠原が、スペースを最大限使うものと解釈したため、長い画面になるとTVフレームに収まるように画面いっぱいに広がる比率が計算されたデザインとなった。 巨大ラゴーンは最初のデザイン案では下半身がヘビ型になっていたが、造型が難しいことから人型に修正され、ヘビの要素は尻尾に留まっている。篠原は脚をイヌガミボーマのような獣脚としてデザインしていたが、実現には至らなかった。 ネオラゴーン 一度敗れた暴魔大帝ラゴーンが力を蓄え、新たに復活した姿。戦闘においては口や杖からの光線。両肩の隠し腕を駆使する。反面、防御力は旧ラゴーンよりも低下している。 第46話で暴魔城を流れ暴魔から奪還、ズルテンとウーラー兵を再び配下に収める。 最終決戦においては108匹の暴魔獣を閉じ込めている大封印を解くべく活動。暴魔城に侵入したターボレンジャー、ヤミマルと交戦。レッドターボのGTクラッシュでダメージを負った後、巨大化し、大封印の重しになっているターボビルダーに侵攻。防御力が低下していながらもターボビルダーの攻撃をものともしなかったがスーパーターボロボのスーパーミラージュビームに敗れる。死ぬ間際に暴魔城の向きをターボビルダーに変えると炎の竜となって消滅した。 暴魔博士レーダ(ぼうまはかせレーダ) 暴魔のナンバー2の大幹部。暴魔百族の頭脳的存在で、ジンバの前身も知っていた。 様々な妖術を使う。武器は笛にもなる錫杖・魔笛透視杖で、その音色はターボレンジャーをも苦しめる効果がある。暴魔再生巨大化光線も、この魔笛透視杖を奏でることで空中に現れたアンモナイトのような幻影から放つ形となっている。 第30話で超魔神ボーマを出現させ、異空間を生み出し様々な幻影を放ってレッドターボを苦しめるもGTクラッシュで倒される。初期のオープニングでは「暴魔博士レーダー」と誤って表記されていた。 デザイン画では「霊丹」という当て字が用いられている。デザインはアンモナイトのほかフジツボやタツノオトシゴなど海洋生物がモチーフとなっている。 造形の都合から首を動かすことができず、演じた石橋雅史からは不評であったという。 姫暴魔ジャーミン(ひめぼうまジャーミン) 残酷な性格の女幹部で、蛇の化身。普段は女性の顔をしているが、戦闘時には蛇の素顔に変わる。武器は魔変毒蛇鞭。体内に封じたクロコボーマによって自身が受けたダメージを引き受けさせている。暴魔再生巨大化光線は口から吐き出す蛇状のエネルギー体から放つ。 「戦士は星のように孤独だ」が信条。理由は不明だが、人間の家庭の暖かさや肉親の愛情を殊更激しく嫌悪する。ただ全く冷酷というわけではなく、自分の代わりに戦ったジンバの死は悼んでいた。 第2話からの登場。最後の戦いではクロコボーマを生み出し、ラガーファイター完成の時間稼ぎのために現れたターボトラックをガーゾックで急襲するが逆に撃墜され重傷を負ったまま戦闘に突入する。クロコボーマと共にブラックターボに挑むが敗北。クロコボーマを巨大化させ倒れた。デザイン画では「邪悪魅」という当て字が用いられている。当初はレーダやジンバと同様に和風のイメージでデザインされていたが、和風という縛りに懐疑的な意見がでたため洋装のデザインとなった。戦闘時の顔はアクションの都合から用意された。 暗闇暴魔ジンバ(くらやみぼうまジンバ) 鎧武者の風貌をした幹部。ヤミマルが登場するまでは、力とライバル関係にあった。 武器は2本の暗闇魔神剣で、手に持たずに念動力で操ることも可能。また、倒されたと見せかけて鎧だけを残して脱出する変わり身の術のような技を使う。 元は愛する姫のために強大な敵と戦った人間の男だったが、死闘の果てに傷ついた姿を見た姫に嘲笑された挙句に捨てられたことで恨みと絶望に苛まれながら死亡、その死体から出た恨みの鬼火がジンバとなった。それゆえ、男女の愛を憎んでいる。ズルテン以外の幹部では、第21話で一度だけコミカルな描写があった。暴魔再生巨大化光線は口から吐き出すジンバの頭の形をしたエネルギー体から放つ。 第28話で一時的に変身能力を失ったターボレンジャーを追い詰めるも、復活した5人に圧倒され呆気なく倒されるが、直後にヤミマルによって巨大化。そのままヤミマルに操られ、ターボロボを倒す。だが突如出現したターボビルダーによって完全に倒された。デザイン画での名称は「鍛破(タンバ)」であった。デザインモチーフは埴輪。他の幹部に動物モチーフが入っていたことから、上半身の甲冑にクモの意匠が追加された。 かっとび暴魔ズルテン 他の3人より格下の幹部。お調子者で強いものに従う主義。ラゴーンが倒された時は蔑んでいたヤミマルに媚び、ラゴーンが復活した時はあっさりヤミマルを裏切った。「〜ってんだ」が口癖。 車形態のかっとびズルテンに変身する。この形態でジャーミンに乗ってもらうことが楽しみ。 へそから目くらましに使えるズルテンヘソ油や煙幕を出す。また、シゴキボーマのシゴキムチで打たれることで彼の放つおならは人間を眠らせる作用があり、ヤミマルに利用されたことがある。武器はスリングショット型のズルパッチンと法螺貝から放つズルッポ吹き矢。しかしそのズルッポ吹き矢の矢にはおならのガスを打ち消す成分が含まれている。暴魔再生巨大化光線もホラ貝から放つ。戦闘はあまり得意ではなくターボレンジャーに叩きのめされたり、追い詰められるといった描写が目立つ。ヤミマルはレーダたちの最期しか見ていないにもかかわらず「みんないなくなった」と言っており、戦力外と見ていたことが窺える。ただ、ターボレンジャー側は「あれで中々強い」と評している。 初期から登場した幹部で唯一最終回まで生き残ったが冒頭部でターボビルダーに戦闘機ごと撃墜されるという呆気ない最期を遂げた。デザインは雨宮慶太によるラフデザインを基に篠原が清書した。雨宮のデザインでは足が腹部から直接生えていたが、篠原により人型に修正された。かっとびズルテンのデザインはターボアタッカーの登場にあわせて用意された。 暴魔獣(ぼうまじゅう) 暴魔の戦士たち。妖怪を彷彿させるフォルムをしており、総じて名前の後半部に「ボーマ」が付く。大多数が人語を話すが、超魔神ボーマなどのように人語を話さない者もいる。各地に封印されている者が多く、人語を放す者は復活時に「大復活、暴魔獣・○○ボーマ(暴魔獣の名前)!!」と叫ぶ。古い武者人形などの古民具や化石や土偶などの古いものに宿っている場合もある。 スモウボーマやキメンボーマのように人間と友好的な関係を築く異端者もわずかながらにいる。ヤシノミボーマやスズナリボーマのように一族を構成する者や、ジャーミンの分身であるクロコボーマや怨霊から誕生したアギトボーマのような者もいる。瀕死の状態になっても幹部などが放つ暴魔再生巨大化光線を浴びることで再生・巨大化するが、ジャシンボーマ・スモウボーマ・ジゴクエボーマなどのように、倒されていない状態もしくは残骸から自力で巨大化する者や、超魔神ボーマのように最初から巨大な者もいる。 ウーラー兵 最下級の暴魔。幹部や暴魔獣が「湧け! ウーラー」と呼ぶことで召喚される。ウーラー兵が数多く封印されていた国道44号線は古くからウーラー街道と呼ばれている。ウーラーボーマをウーラー一族の族長としており、ウーとラーという隊長に率いられている。武器は邪骨剣。また、手榴弾も投げてくる。ウーラー人柱やウーラーダンゴなどの技を持つ。ウー、ラー ウーラー兵の隊長。ウーとラーは骨ピッケルを武器としている。 当初は普通に言葉を発していたが、中盤からは全くしゃべらなくなる。ラーはガラバーでレッドターボと対決したこともあった。通常のウーラーとの違いは、武器と体色。
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