向島電機の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 17:38 UTC 版)
「ひよっこ (テレビドラマ)」の記事における「向島電機の人々」の解説
みね子の就職先。向島でアポロン社の下請けとしてトランジスタラジオ「AR-64」の製造工場を営み、工場敷地内に女子社員寮の「乙女寮」を有する。昭和40年の不況を乗り切れず、同年12月に倒産する。 永井 愛子(ながい あいこ)→牧野 愛子(まきの あいこ) 演 - 和久井映見 向島電機の事務員。女子寮「乙女寮」の舎監も務める。プロレス好き。 両親を早くに亡くし、弟妹との生活を支えるために15歳時に向島電機に就職するも、不器用ゆえに怒鳴られたり蹴られたり、怪我をするなど苦労を重ね、15年後に功労が認められて現業から事務職に異動した。同じ工場だった婚約者はニューギニアで戦死している。 欠員募集でみね子の採用に関わったのに名簿記載を忘れたり、同じく集団就職で採用した豊子を置いて帰ろうとするなど、おっちょこちょいな性格。一方、常に前向きで明るく、職場や寮内を盛り上げたり、入社直後で失敗ばかりのみね子を「いつかできるようになるから」と励まし続ける。最後まで乙女寮に残ったみね子と大晦日を一緒に過ごし、年明けにはお年玉を渡し、みね子からは「東京のお姉さん」と呼ばれる。しばしば、みね子に自分へのお世辞を言わせる話を振っている。 向島電機が倒産後は小田原に住む弟家族の家に身を寄せていた。弟家族との関係は良好であったが、居心地の悪さから「仕事が見つかった」と嘘をついて東京に戻る。しかし就職活動は上手くいかず、自信を失い、持ち前の明るさは影を潜め暗い日々を送っていた。ふと、みね子の顔が見たくなりすずふり亭を訪ねるも気まずさから入ることが出来ず、店の周囲をうろついていたため高子からは不審者扱いされていた。みね子と再会を果たした際、偶然現れた省吾に一目惚れをする。その恋心が活力となり以前の性格を取り戻し、その日にすずふり亭付近で仕事を探して一気に就職を決め、以後はランチタイムの度に来店する様になる。昭和42年には島谷が退去したあかね荘の部屋に入居し、昭和43年に省吾との結婚を機にすずふり亭の2階に転居する。 昭和45年、商店街の福引でペアの熱海旅行券を引き当てる。その際、家族旅行にあこがれていたことを明かす。省吾から、いずれは店に入り鈴子の仕事を引き継ぐよう進められるが、仕事一筋で生きてきた鈴子に「もう自分がいなくても大丈夫」と思わせたくないとその話を断っていたが、ひよっこ2最終話では、店の仕事を手伝っている。なお、鈴子に「まだ引退できないねぇ」と言われている。 青天目 澄子(なばため すみこ) 演 - 松本穂香 みね子の同期で乙女寮の同室。実家は福島県の農家だが、父の再婚により居場所を失ったこともあり、中学卒業後に就職した。 集団就職列車内でみね子・時子・三男と出会い、打ち解ける。 食いしん坊でマイペース。眼鏡を掛けている。 おばあちゃん子で福島にいた頃は祖母に懐いており、上京就職間もない頃は恋しさのあまりホームシックになる。仕事の失敗で松下に叱咤され一時は落ち込んだときには夕食の献立を期待しながら独り銭湯へ行き、長風呂して気持ちを切り替える。 時子ファンと公言していたが、植木等ファンだった。 向島電機倒産後は、みね子と共に石鹸工場への就職が内定するも急な採用人数削減でみね子が辞退したため1人で入社する。 昭和41年、すずふり亭での乙女寮同窓会において、子供の居ない経営者の原田夫婦から、実の娘の様に迎えられていることを報告する。昭和42年、実家からの勝手な要望に憤然とするなか、豊子のクイズ番組優勝と特賞のハワイ旅行に一緒に行けることを知り歓喜する。同年秋には、祖母を東京に引き取ろうと決めたことをみね子に語る。昭和43年、豊子と一緒にあかね荘の部屋(2号室)に転居する。 兼平 豊子(かねひら とよこ) 演 - 藤野涼子 みね子の同期で乙女寮の同室。 青森県の中学校時は成績が体育を除いてオール5を取るなど優秀な生徒だったが、家計が苦しいために、働きながら通信制高校で学ぶ進路を選択した。 苦労無く高校へ進学し、仕事で失敗を続けるみね子に対して、当初は棘のある物言いをするが、時子も交え本音をぶつけ合ったことで打ち解ける。好成績に喜ぶ様子などをみね子から「可愛い」と称される。普段は聞き分けの良い性格であるが、向島電機勤務最終日は仲間と離れることを嫌がり、生まれて初めての抵抗として数分間職場に籠城する。 高倉健と丹波哲郎(後にGメン'75の黒木警視正)のファン。 向島電機が倒産後は、食品会社の事務職に転職するとともに、定時制高校へ転校する。 昭和41年、すずふり亭での乙女寮同窓会において、数々の資格を取得し、将来は経営者を目指していることを報告する。昭和42年、17歳の時にクイズ番組「勝ち抜きクイズ3Q」に出場し、3人勝ち抜きの最年少記録を更新。優勝賞金の30万円で実家の借金問題を解決させ、特賞のハワイ旅行に澄子と行くことを宣言する。昭和43年、澄子と一緒にあかね荘の部屋(2号室)に転居する。 秋葉 幸子(あきば さちこ)→高島 幸子(たかしま さちこ) 演 - 小島藤子 みね子の先輩で乙女寮の同室。最年長。山形県出身で仕事の成績は一番。寮長ながらも門限を破って隠れて帰宅し、みね子からは「不良長」と称される。 豊子と同様、家庭の事情で全日制高校への進学を断念し、働きながら通信制高校で学び卒業した。 橋幸夫のファンであることが判明。 コーラス部の最終日には、婚約者の高島からのプロポーズを受け入れる。 向島電機が倒産後は、高島と同じ工場へ転職。昭和41年、すずふり亭での乙女寮同窓会において、高島と入籍したことを報告する。後に二人で調布の団地に住むも、高島の音楽留学によって離れて暮す日々を送る。 昭和45年、高島がお金にならない仕事ばかり引き受けるため、家計が苦しいと不平を漏らす。 夏井 優子(なつい ゆうこ)→仙葉 優子(せんば ゆうこ) 演 - 八木優希 みね子の先輩で乙女寮の同室。秋田県出身で実家は漁業。 仕事は有能だが身体が弱く、度々寝込んでいる。 西郷輝彦のファンであることが判明。 向島電機の倒産が決定し新たな職探しをするも、体調不良による欠勤の多さが原因で上手く行かず、田舎に帰ることを決める。 幸子との結婚について煮えきらない態度を取る高島を叱責し、彼のプロポーズを見届けた後、迎えに来た母とともに東京を去る。 帰郷後は、地元の水産加工工場に就職。体調を心配した社長の計らいで現業から事務職に移動。昭和41年、すずふり亭での乙女寮同窓会において、水産加工会社社長の御曹司からのプロポーズを受け結婚したことを報告する。昭和43年、みね子に妊娠の報告の手紙を送る。 昭和45年に、乙女寮の仲間に「どうしても会いたい」と手紙を送り、同窓会が開催される。「秋桜子(あさこ)」という名前の女の子を出産したことを報告する。 森 和夫(もり かずお) 演 - 陰山泰 乙女寮の料理人。向島電機コーラス部員で、アコーディオンでの伴奏を務める。 毎週金曜日は、やりくりしてカレーライスを提供している。意外と山田五十鈴のファンだった。乙女寮の寮生同様、愛子のことも気にかけている。 向島電機の倒産後、見送られるのを嫌がり何も言わずに乙女寮を去る。 昭和43年の時点では人気カレー店のシェフとして働き、ランチ時にレストランめぐりする秀俊に付き添っていたみね子と再会する。 昭和45年の時点では、カレールーのコマーシャルに出ているため、カレーで成功したことが伺える。 松下 明(まつした あきら) 演 - 奥田洋平 トランジスタラジオ工場主任(ライン長)。 普段は穏やかな人柄だが、時折、失敗する女性工員に嫌味を発したり恫喝する。長嶋茂雄のファン。 工員らに涙ながらに倒産の事実を伝え、勤務最終日には職場に籠城した豊子の気持ちを理解し、工場の機器を回収しようと急かす業者らを必死に説得する。 向島電機倒産後は電機修理会社を1人で営む。昭和42年秋にすずふり亭からの依頼を受け、みね子と愛子に再会する。 高島 雄大(たかしま ゆうだい) 演 - 井之脇海 向島電機コーラス部の指導者で、幸子の婚約者。 芝浦の大工場で働きながら音楽家を目指し、貰った給与はすべて音楽活動につぎ込んでいる。 幸子との仲は円満ながらも、乙女心に疎く喧嘩になることもある。 みね子を通じて知り合った綿引とは正反対な性格ながらも、馬が合い親友となる。 優子からの説得を受け、向島電機コーラス部の最終活動を終えた直後に幸子に求婚する。昭和42年秋の時点では、国による若い芸術家たちへの支援でウィーンに2年間学びに行っている。
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