向島映画のフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:16 UTC 版)
「日活向島撮影所」の記事における「向島映画のフォーマット」の解説
映画史家の田中純一郎が田中栄三らに取材した話を総合すると、同撮影所では、非常にシステマティックに映画が製作されていたという。まず作品のフォーマットはおおむね下記の通りである。 上映時間 (巻数 / 尺数 / メートル) : 40分 (4巻 / 4,000尺 / 1,212メートル) シーン数 : 25カット以内 製作費 : 2,000円 (1917年 - 1923年当時) 大学卒業者や銀行員の初任給が50円の時代の2,000円は、現在の前者が25万円として概算すると、約1,000万円程度に相当する。 スケジュールのフォーマットはおおむね下記の通り。本読みから7日でクランクアップし、翌日には次の作品の本読みを開始、ポストプロダクションは「技手」と呼ばれた撮影技師1名で現像技師も編集技師も兼務して完成させていた。 第n日内容現在の用語備考第1日 本読み オールスタッフ打合せ 撮影準備 第2日 衣裳調べ 衣裳合わせ 撮影準備 第3日 江ノ島出張撮影 ロケーション撮影 クランクイン、大道具はセット建込開始 第4日 市川出張撮影 ロケーション撮影 撮影2日目 第5日 撮影所近辺での部分撮影 ロケーション撮影 撮影3日目、小道具はセット飾込 第6日 所内スタジオ撮影 セット撮影 撮影4日目 第7日 所内スタジオ撮影 セット撮影 撮影5日目クランクアップ 第8日 現像・着色・焼付・編集 ポストプロダクション 撮影技師が1人で行い、完成させる 「着色」とは白黒のモノクロフィルムに人工着色を施す作業で、シーンの感情を青・赤・セピア等の単色で着色した。
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