クリティカルとカウンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 01:43 UTC 版)
「デッド オア アライブ シリーズ」の記事における「クリティカルとカウンター」の解説
1作目の時点ではまだ成熟して(現行に至って)いなかったが、続篇からは打撃技を筆頭に状況を問わずヒットしただけでフラフラになってしまい技が出せずガードも出来なくなるという、当DOAシリーズにおけるピヨる(気絶)的モーションである「クリティカル」が導入され、その状態に陥っても“ホールドを出せばキャンセルできる”というルールが追加されたことにより、「先に攻撃を仕掛ける有利性」が増すと共に、「やられてもホールドで反撃可能」という読み合い・駆け引きの要素が改良されて確立され「クリティカルシステム」と呼ぶようになった。 ただし、よろけ中のホールドは「クリティカルホールド」として区別・微調整されており、直出しした時よりも硬直時間が長い、コンボダメージ補正や至ダウンへの蓄積値も解除されてしまう、などのリスクが足されているため、当作の初心者や他社タイトルの格闘ゲーム癖がついているプレイヤーだと条件反射や場当たり的、あるいは過度に連発してしまうのがありがちで、この特性を知るプレイヤーから「ハイカウンター判定を利用した最大投げ」を狙われたり(後述)、「わざとダウンさせずにホールドを誘って、他のクリティカル誘発技や崩し投げで揺さ振って持続する」というパターンに持ち込まれて延々と攻撃をくらい続ける……などの“わからん殺し”的な光景が当作では決して珍しくないが、前者は後述の防御テクニックなどで投げを失敗させて回復させたり、後者は一定のダメージ上限を越える・同じ技を2回続けてあててしまう・クリティカルタイムを過ぎてしまう・クリティカルゲージを振り切ってしまうなど条件が揃うことで強制ダウンに至るため、完全な“ハメ”にはならない措置はとられている。 「カウンター」とは、打撃同士・投げ同士・オフェンシブホールド(OH)同士などがかち合った時、ディフェンシブホールド(DH)を引きつけて成立させた時、OHでDHを掴んだ(投げた)時、背向け状態やジャンプステータス(空中)中にヒット、パワーブローやパワーランチャーの出かかりを投げた時などに生じるもので、勝利した側に1.25倍のダメージボーナスがつく判定のことだが、当シリーズでは三すくみにおけるそれぞれの天敵技でかち合った時、DHを極限まで引きつけて成立させた時、バックダッシュ中やジャンプする瞬間(地上)にヒット、タッグチェンジ中、サイドステップを投げた時などには「ハイカウンター」となり1.5倍ものダメージボーナスがつくようになっている。 その中でもホールドの天敵である投げ技がハイカウンターになると、威力の高いものであれば2から3発でK.O.になってしまうほどの大ダメージになるため、対戦格闘ゲームでいうところの「強力な投げ技を持つのは投げキャラの特権」的な固定観念は必ずしも当てはまるとは言えなくなっている。さらに、壁際で使うと性能が変化する投げ技を全てのキャラクターが何がしか持っているため、爆発や電撃の壁床といったデンジャーゾーンとの誘爆相性の良いものがハイカウンターになると、それだけで1ラウンドの勝敗を決してしまえるほどのダメージ総量となるケースもある。 このように窮地に立たされるクリティカル状態ではあるが、「よろけ中は投げ技やオフェンシブホールドに対する当たり判定は無く、よろけ時間にも短い・長い(浅い・深い)の差異がある」という救済点もあるため、あえて何の操作もしないで「ホールド狩りの投げを読んで(すかして)失敗モーションを生じさせる」ことや、素早く立ち直らせる「レバー回復」( を連打など)だけに専念するといった防御テクニックもある。しかし、当シリーズでは格闘ゲーム用語で散見する同義語の“レバガチャ回復”よりも意図的に時間がかかる(もたつく)仕様に調整してあるため、一見しただけでは最善の選択肢に思えるが決して万能ではなく、ここでも読み合いが重要になっている。 また、クリティカル中に地上で打撃をつなげていくことは“空中コンボ”と区別して「クリティカルコンボ」と呼び、そのヒット数に応じて最後に浮かせた時の高さが3段階で増していくというボーナスが付いているため、ホールド反撃やレバー回復に読み勝つことで大ダメージの空中コンボにつなげられるというリターン要素も内包しており、常に攻防にギャンブル性やジレンマないしトリレンマが存在している。 下段クリティカルホールドの読み合い クリティカルの攻防中は、攻勢側のプレイヤーは空中コンボへの始動用で多い中段技をホールドで返されてしまうのは避けたい心理と、そのホールドをハイカウンターの最大投げで狩りたい心理の2つが働きやすい点を逆手にとり、守勢側はよろけたら何はともあれ下段ホールドを出して上段の打撃と投げを空振りさせて立て直すという選択肢が、ほぼ全作で見られる被クリティカル時の一つのセオリーとなっており、『4』では基本種中最も硬直が短いホールドだったことから「最速ホールド(最速下段ホールド)」と呼ばれ、テクニックの俗称としても後年に伝播した。対抗手段となるのはハイカウンターが確定し最も出が速い技ジャンルでもある「下段投げ」がその筆頭となる。なお、以下で詳述するがよろけにはクリティカルホールド自体を出せない(受け付けない)種も少なからず存在し、『5』からは全キャラクターに「クリティカルバースト」という追撃確定のよろけが導入されており、以前のシリーズと根本は同じながらも新たな読み合いを生じさせている。 クリティカルの種類 作品によっては総数が45種類を超え、名称も異なっている場合が多いため類似種や別称については割愛する。また、前述したレバー回復(よろけ回復)のコマンドは一例であり固定ではないため、操作の違いは後述の#対戦格闘タイトルから参照のこと。腹やられ 浅い(短い)やられ。中段パンチ系や起きミドルキック(起き上がり攻撃)などで陥るものの、すぐにホールドを出すことができレバー回復もしやすい。 下段やられ 起きローキックや足払い系などで陥るやられ。へたり込み中はしゃがみ判定なので上段打撃を受けつけないが、若干のホールド不能時間がある。レバー回復が間に合えば確定追撃はほぼ無い。 吹き飛ばし、叩きつけ 2方向以上の入力で出るコマンド技、強(大)パンチ&キック技、連係技の最後、一部の投げ&ホールド、「パワーブロー」(『5』から)などで陥るやられ。爆発壁や電撃床などのデンジャーゾーンを巻き込めるため、空中コンボより手軽でありながら威力に勝る場合もある。さらに前者は接射的な時は“クロースヒット”と呼ばれるダメージ1.5倍増のボーナスが付いたり、バカンスシリーズにも存在しておりバレーボール対戦において最大のやられ判定となっている。後者の中には“バウンド浮き”(『3』から)を誘発するものもあり、空中コンボの亜種と呼べる“バウンドコンボ”へ繋げられ、『5U』からは「尻餅 or 打ち下ろしバウンド」というバリエーションも加わった。 アッパーやられ、尻餅、崩れ落ち 深い(長い)やられ。アッパーは見た目通りや性質の似たキック技からも陥るもので、ヒット直後の身体が地面から離れている瞬間がホールド不能になっている。K(中段キック)系で陥る尻餅は起き始めるまでがホールド不能で、バカンスシリーズにも吹き飛ばしに次ぐやられ判定として存在している。崩れ落ちはホールド可能な腹部をおさえて膝をつくまでの前半と、ホールド不能となる代わりに打撃のやられ判定までも消えて強制ダウンに至る後半で成り立っており、防御テクニックの1つ「最速レバー回復に専念→出が速い技で“暴れ”」を受け付けない(封じられてしまう)ものとなっている。 背後クリティカル 被起き上がり時のめくり攻めや、裏まわり効果がある後述の崩し投げ(崩しホールド)などから狙われるやられ。F(H)ボタン押しっぱなしなどで最速振り向きが成立するが、間に合わないとカウンター判定で喰らい続けてしまいホールドも出せないため、レバー回復操作で行える「背後よろけ回復(踏ん張りモーション)」で脱する必要に迫られる。 崩し投げ 主にダウンを奪わないでよろけさせる上・下段の投げ技&オフェンシブホールド(以下OH)からのやられ。有利フレームレートがつくことが多いため追撃にはいくつかのセオリーがあり、確定する浮かせ系の打撃技を持つキャラクターは空中コンボを、持たない場合はホールドと回復の両方に有効な同(類似)技を再度重ねてループを迫ったり、いわゆる“暴れ”をされても勝てるOHの狙い所になっている。 反転のけぞり 一部のキャラクターに限定される固有技かつ特定の条件下でのみ発生する深い(長い)やられ。向かい合っていた状態から強制的に背向けにさせられたり上述の背後クリティカルなどから、のけぞった(海老反り、リンボーダンス)姿勢に陥って崩れていくもので、やられモーションにはその場から動かない「頭が相手側」パターンと、独楽のような軸回転をして向きが変わる「脚が相手側」パターンの2種類がある。判定が背後カウンターになるので1ヒット目の追撃を出が速い単発の浮かせ技にすれば確定するため、キャラクターによっては空中コンボまでセットでつながることになるが、浮きの高さは低めに固定されており、浮かされなければ2ヒット目からホールドが可能。レバー回復とホールドの能否については、『移植版2・2HC・3・2U』ではパターン問わず崩れの後半からという経過制限の上で、『移植版2』は両方可、『2HC』は回復のみ可、『3・2U』はホールドのみ可。『4・D・5シリーズ』では経過制限は無く、『4・D』では頭パターンなら回復のみ可で脚パターンならホールドのみ可。『5シリーズ』ではパターン問わず両方不可、などと異なっている。それらの理由から強力なクリティカルではあるが、一部キャラクターは最速の浮かせ技でも間に合わず、必ずダウンの方が早く成立するという“浮かせられない”制限も施されている。 スリップ 水(雨、川、池、海)、雪、氷などで覆われている地面で陥る地形やられ(『2』から)。ほぼ全ての中・下段属性技が即カウンターヒット扱い&クリティカル状態となるため、打撃技のリターン要素が格段に増し先手有利の状況が生まれる。また、Pやミドルキック系の中段属性技で“滑るモーション”というさらに長いよろけに陥ったり、一部キャラクターの投げやOHと連動したダメージボーナスが生じるデンジャーゾーンでもある。なお、滑るモーションにはならないが斜面や崖といった落下ポイント周辺もスリップ地形として設定されており、クリティカルに陥りやすくなっている。 天井ダウン 一部のキャラクターに限定される固有の打ち上げ系の技や「パワーランチャー」(『5U』から)などで、特定ステージに存在する天井部分にぶつけられて地面に激突すると長いよろけに陥ってしまう地形やられ(『2』から)。ただし、落下時に受身を行うことでクリティカル状態を回避することは可能。また、特定の投げやホールドと連動したダメージボーナスが生じるデンジャーゾーンでもある。 ガードブレイク タメ(溜め)攻撃と通称される技をガードした場合の特殊やられ(『3』から)。タメ時間の長短によって不利フレームの数値差はあるが大半は浅いよろけで確定追撃もほぼ存在しないが、ホールド不能なためレバー回復をしないと先手を握られたままになってしまう。 落下物 砂浜をモチーフにしたステージにあるヤシから落ちる果実などの2次ギミックで陥るやられ(『3』から)。ダメージは少量ながらガードもホールドも不可能で、フリーステップなどで落下予測地点から離れられないと強制的に硬直し必ずヒットしてしまいクリティカル状態になってしまう。 クリティカルバースト クリティカルコンボ中に各キャラクター別のクリティカルバースト技を決めることで起こせる追撃確定のやられ(『5』から)。完全な棒立ち状態になり、終始ホールドもレバー回復もできない。 キャラクター固有のやられ レイファン、ジャン、天狗/女天狗、ブラッド、マリポーサには、単一(独自)のやられ効果を有する技がある。
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