『地の果ての海の始まり編』に登場
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「白竜 (漫画)」の記事における「『地の果ての海の始まり編』に登場」の解説
メーオ リュウ(後の白竜)の生まれ故郷であるタイのパイアイ村に暮らすイサーン人の少女。容姿端麗で優しく、白い肌のせいで村でいじめに遭っていたリュウに対しても優しく接し、彼のことを愛していた。ある日、人買いによってバンコクに売られ、途中でリュウに助け出されるも「家族のためには仕方ない」と主張し、涙を流しながら彼に永遠の別れを告げた。その後は行方が分からなかったが、サイバーバンク社長・狩場曜一郎のもとにいることが判明する。事件後はリュウとの再会を喜ぶも狩場に身体を売ってしまったことから「自分にはもうリュウに愛される資格はない」と涙を流し、タイヘ戻っていった。 長老(ちょうろう) パイアイ村のまとめ役の老人。仕事を求めてきたリュウに対し、当初は差別意識からきつい仕事をさせるもそれに耐え抜いたリュウを見直すようになる。村全体が貧しい農業生活に陥っていることを嘆いていたが、リュウの提案で生産者が直接作物を売る「パイアイ市場」を始め、村全体の生活が改善したことで彼に感謝の言葉を述べた。自身はリュウに村を継いで欲しいと思っていたが、同時に「彼は小さな村で終わらない」と感じており、メーオ探しに村を出るリュウを快く送り出し、イサーン人としての誇りを忘れないように説いた。リュウが覚醒剤所持で逮捕された際も彼の無罪を信じていたが、バンコクで死んだ知らせを受けて落胆していた。 スラポン メーオの父親で飲んだくれ。家計のためにメーオを人買いに売ったが、その目には涙が溢れていた。後にリュウと長老がパイアイ市場を始める際に村人達が反対するなか、唯一計画に賛同し、生活を改善できた。その後はリュウに感謝を述べたが、メーオを売ってしまったことを後悔していた。 ダム パイアイ村の少年で体格が良い。白い肌を持つという理由でリュウをいつも虐めており、メーオ救出に動く彼の前に立ちはだかるも取り巻き共々返り討ちに遭った。その後も負けを認められず、リュウに再戦を要求するも彼の内側に潜む何かを感じ、彼を避けるようになった。 レック リュウの母親。息子と違い、褐色の肌を持つ。幼いリュウに日本語を教えたらしく、それ故に自分の出生に疑問を持つリュウから疑われていたが、彼女自身はリュウに愛情を持っており、彼が村を出る時は涙を流していた。また、リュウに父親について教えるように言われた際には頑なに拒否していた。その後もリュウの安否を心配していたが、彼が死んだ知らせを受けて涙を流していた。後に曜一郎が厳選した日本人女性との1000人もの子供を出産させる際に選ばれたタイ人の代理母の1人であったことが判明した。事件後もリュウを偲んで暮らしていたが、突如送られた大金の送り主がリュウであることと彼の生存を感じとり、その場に崩れ落ちた。 ソムチャイ タイの人身売買の組織と取引する売人で、通称「女衒のソムチャイ」。メーオを輸送中にリュウに襲われるも彼が立ち去ったことで無事に任務を遂行できた。しかし、再びリュウと遭遇し、取り巻き共々叩きのめされた。その際に組織のことを教え、姿をくらますつもりだったが、組織に口封じとして殺害され、溺死として処理された。 パヤオ オラヌット ソムチャイの取り巻き。最期はソムチャイと共に殺害された。 ナバー・ギアットワンチャイ 高級レストラン「ナムチャイ」のオーナーで地域のオーナー会会長。46歳。イサーン人がたむろしていると客が寄り付かないという理由で彼らを排除させていた。しかし、リュウに家族を人質に取られ、「貧乏人から一代で財を築いた自身のようにイサーン人も頑張るべき」と主張したが、「それが出来ない人もいる」と返された。その後はリュウの提案でイサーン人達に条件付き(身なりを整え、昼は橋をうろつかないなど)で橋に住むことを承諾した。 ソンプン バンコクのヒンプラクラオ橋の下で生活するイサーン人達の1人。橋を訪れたリュウに対して優しく接し、イサーン人がタイの発展に貢献しながらも虐げられているという現状を教えた。また、メーオはタニヤなどの高級歓楽街に行けばいるはずだとアドバイスし、激励した。 ブンガン バンコクの所轄署の警官。橋に寝泊まりするイサーン人達に凄惨ないじめをしており、賄賂を巻き上げているため、彼らからは「ピンプラクラオ橋の鬼」と恐れられている。更に、ナパーの指示でイサーン人達を追い出すが、ナパーが手を引いたことで自身も今後は干渉しないと告げた。その後はランバーの計画で覚醒剤を扱ったとされるリュウを逮捕し、黒須との取引で証言を覆そうとするもそれに気づいたランバーに殺された。 メッグン ブンガンの部下。最期は彼と共にランバーに殺された。 サーイ タイのナナプラザで働いており、メーオ(実際はジェイ)の元同僚。メーオを探しにきたリュウに対し、彼女は中華街に移されたことと覚醒剤を打たれても耐えている彼女を助けるよう白竜に懇願した。その後は一攫千金を狙ってやってきた若かりし黒須に身体を売っていた。その後も度々登場し、黒須を「クロチャン」と呼ぶなど慕っていたようだが、最後はタイを発つ黒須に「日本に来ないか」と誘われるも自身では足手纏いになると考え、泣く泣く別れた。 クン カンボジアの60ストリートで働く女性。リュウにメーオ(ジェイ)の居場所を伝えたが、裏では地元のチンピラに情報を流していた。その際に謝礼を要求するも彼らから制裁を受けた。最後はその恨みを晴らすためにチンピラの1人を刺し、自身は他のチンピラに殺害された。 ジェイ メーオと似ており、境遇もほとんど一致していた女性。そのため、リュウは彼女をメーオと思い込んで探し回っていた。リュウが聞き込みをした屋台の店主や元同僚のサーイによると非常に優しい性格の持ち主で芯の強い女性とのこと。しかし、その性格が仇となって覚醒剤を大量に打ち込まれており、リュウが彼女のいるカンボジアに辿り着いた時にはボロボロの状態になっていたが、彼に手引きされて脱出に成功する。最期はリュウに感謝しつつ共にバンコクを目指すも覚醒剤に蝕まれ、辿り着く直前に死亡した。 三池 良二(みついけ りょうじ)中野 健太(なかの けんた) 若かりし頃の黒須の舎弟。三池が28歳で中野が26歳。所属していた組に反発し、そこで若頭を務めていた黒須について行く形で逆縁を切り、バンコクへ訪れた。黒須の奔放さに振り回されながらも彼のことは慕っている模様。しかし、大金を騙し取られた上に子供のリュウを頼りにする黒須に不安を感じ、赤尾から逆縁を不問にする代わりに黒須を殺すように指示され、彼を襲うもリュウの機転で失敗。その後は黒須に命は助けられるも「二度と目の前に現れるな」と言われ、姿を消した。 赤尾曾太郎(あかお そうたろう) 黒須のかつての親。金に固執しており、そのためには「本家への上納金」と称して子分たちに薬物の売買や彼らの妻や女性に風俗を強制させるほどであるが、自分はその金で愛人などに散財していた。また、黒須の妻を強姦する外道ぶりも併せ持っており、黒須を含めた子分たちからは尊敬されてなかった模様。その後、堪忍袋の緒が切れた黒須から逆縁を突きつけられた。 光村 貴史(みつむら たかし) タイの不動産会社「サイアム・エステート」の社員と名乗っていたが、実際はただのブローカーであり、裏カジノの物件を探す黒須の話を盗み聞きして彼に近づき、5000万円を騙し取って姿を消した。しかし、しばらくして自殺したと新聞で報じられるもリュウ達には愛人に殺されて金を奪われたと推測された。 サーラット・ユーイェン 黒須のカジノを利用する客(梨田)が勤めている会社の顧問弁護士。リュウを救い出したい黒須に協力し、手を尽くすも常時とは違う状況に苦戦し、最終的には何もできないまま手を引いた。 ノイ サーラットに代わる黒須の通訳として紹介された大学生。黒須とブンガンの取引に立ち合い、彼の立ち回りを見て日本のヤクザに興奮していた。 ベン リュウと同時期に収監された男。ウライという妻がいる。若くして重罪となったリュウに同情し、刑務所での生き方を教えるなど親身に接するが、囚人のリーダー格であるアルニーに脅され、リュウを殺害する。しかし、それはリュウの計画で実際は殺害しておらず、自身もウライの安全を確保された上で黒須の手で保釈された。 アルニー 囚人達のリーダー格である大柄な男。リュウを犯そうとするもチャイに阻止され、それを恨んでベンにリュウを殺害させようとするも失敗した。 チャイ タイのバンロップ刑務所の看守。組織の指示でリュウを殺さずに収監させていたが彼が死んだことで失敗する。最期は組織の息がかかった囚人達の喧嘩に巻き込まれて殺害された。 シワラック バンロップ刑務所の医者。肉汁や涎のついた手で傷口を抉るなど医者でありながら清潔感のない男。黒須に金を積まれてリュウの死を偽装した。 ランバー・ソムデート 警察やマフィア、有力者でさえ手が出せないと評され、トップは警察官僚だと噂されるタイの人身売買組織の大幹部。36歳。自身に接触してきたリュウに対し、彼の度胸を認めつつもメーオを買い戻すために30万バーツ(メーオを買った金額はリュウ曰く5000バーツほど)を要求する。その後はリュウを嵌めて逮捕させたが、彼が(表向きには)死んだことで組織から制裁を受けた。しかし、死んだはずのリュウと再び会い、嵌めた理由を問い詰められるも組織が放った刺客に撃たれ、「メーオの身柄や全ての答えは日本にある」と言い残して死亡した。 ルワン 人身売買組織の一員。組織の命令でリュウを捕らえて手を引くように脅し、黒須を殺害したが、リュウはその脅しを破り、黒須も防弾チョッキで生きていたことで結果的に任務に失敗した。 ポーン・キングビッチ タイランド上級警察大佐で人身売買組織のボスであり、ランバーの上司。72歳。かつて貧困だったランバーを拾い、彼からは父親と思われるほど尊敬されていたが、本人はミスを許せない冷酷非情な性格で自分以外の人間を誰も信用せず、失態を犯せば腹心の部下ですら容赦なく制裁、殺害する男。リュウを死なせてしまったランバーに制裁を加え、殺害した。曜一郎とは盟友とも呼べる間柄であり、かつてタイ、ミャンマー、ラオスに挟まれた巨大な麻薬密造地帯「黄金の三角地帯」を牛耳ることで自身の王国を築こうとしたが失敗。その後もメーオを紹介するなど曜一郎とは懇意にしている。自身と狩場の宴席に乗り込んできたリュウ、黒須と銃撃戦になり、リュウを撃ち殺そうとするも黒須が投げたナイフが首に刺さって死亡した。 狩場曜一郎(かりば よういちろう) 通信会社「サイバーバンク」社長。46歳。ポーンとは盟友とも呼べる間柄であり、かつてタイ、ミャンマー、ラオスに挟まれた巨大な麻薬密造地帯「黄金の三角地帯」を牛耳ることで自身の王国を築こうとしたが失敗。その後はポーンから紹介されたメーオを我が物にしようとし、リュウが彼女の心の支えとなっていることに気づき、リュウを殺さずに終身刑に追い込んだのも彼の差し金だった。しかし、それらを乗り越えて来日したリュウと直接顔を合わせ、その際に黒須から過去に実弟の大二郎を使って自身と厳選した日本人女性の1000人もの子供をタイ人の代理母に出産させており、その中にリュウが含まれていたこととリュウの実の父親であることを暴かれる。リュウが自身の息子と知ると彼を迎えようとするも拒絶され、キングビッチと共にリュウと黒須を殺そうとするも返り討ちに遭い、リュウに額を撃たれて死亡した。
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