証券取引所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 00:50 UTC 版)
証券取引所の形態
戦時中までの日本における制度では、1875年の株式条例では、取引所の組織は株式会社と規定され、最初に設立した株式取引所が株式組織取引所であった。1887年5月、会員組織化を目的とする取引所条例(ブルース条例)が発布され、取引所は凡て会員組織で経営しなければいけないと定めたが、ブルース条例は、取引所側の猛烈な反対により間もなく廃止され、1893年に会員組織でも株式組織でもよいとする取引所法が発布された。
現在では、証券取引所は金融商品会員制法人(旧称:証券会員制法人)または株式会社でなければ開設できない(金融商品取引法に規定)。金融商品会員制法人とは、金融商品取引業者(証券会社など)を会員とする社団である。以前は全ての証券取引所が証券会員制法人であったが、2001年4月に大証、同年11月に東証、2002年4月に名証がそれぞれ株式会社に組織変更している。過去独立して存在していたジャスダックも株式会社形態であった。
また、近年は私設取引システム(PTS)による取引形態も現れてきた。私設取引システムは1998年12月施行の金融システム改革法で証券会社にその開設と運営が認められたもので、時間外取引市場(主に夜間)として機能している。
売買立会い時間
証券取引所では売買立会い時間が定められている。日本の場合、東京証券取引所等の現物立会は9時から15時まで行われる。そのうち9時から11時30分を「午前立会い」(前場)、12時30分から15時を「午後立会い」(後場)と称しており、その間は昼休みである。名古屋証券取引所・福岡証券取引所・札幌証券取引所では15時30分までとなっている。2008年の大納会及び2009年の大発会までは、大発会と大納会は前場のみで後場の立会いは行われなかった。取引の電子化により半日にする意義が薄れたため、2009年の大納会及び2010年の大発会から半日立会いを廃止し、前場・後場共に通常通り取引されている。
東京証券取引所の取引時間は、2011年11月20日までは、前場が9時から11時、後場が12時30分から15時であった[3]。2010年11月10日、東京証券取引所は2011年のゴールデンウィーク明け(同年5月9日)から、同取引所の前場の時間帯を午前9時から11時30分に拡大、昼休みを実質30分短縮することを目指すと発表した[4]。しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う節電対策のため延期され[5]、当初の予定から半年あまり経った2011年11月21日より実施された[6]。
休業日
日本の場合、1989年1月までは土曜日(1983年8月以降の第2土曜日は全面休場、1972年頃〜1983年7月および1986年8月以降の第3土曜日は全面休場)にも前場のみ取り引きが行われたが、金融機関の完全週休二日制への移行に伴い、現在は毎週土曜日・日曜日・祝日・振替休日・12月31日〜1月3日は全面休場となっている。
天災・戦争・元首の死去等の国家的事態が発生した場合に、臨時に休場となる場合もある。日本では1989年1月7日の昭和天皇崩御や、1995年1月17日には阪神・淡路大震災のため大阪証券取引所のみ全日休場となったことがあった。
2001年のアメリカ同時多発テロ発生の際には、被害を受けたニューヨーク世界貿易センタービル(WTC)近在にあるニューヨーク証券取引所を含め、アメリカのすべての証券(金融)市場が数日間に渡り停止したことがある。
2018年9月6日、札幌証券取引所が北海道胆振東部地震の発生による大規模停電で終日取引を停止した。
- ^ Van der Beurze
- ^ エイミー・バトラー・グリーンフィールド 2006, p. 1.
- ^ 東京証券取引所売買立会時間の変遷pdf
- ^ “東証、昼休み30分短縮へ=5月連休明けの実施目指す”. 時事通信社. (2010年11月10日) 2011年2月15日閲覧。
- ^ 東京証券取引所 2011年4月8日発表
- ^ 東京証券取引所 2011年11月19日発表pdf
- 1 証券取引所とは
- 2 証券取引所の概要
- 3 概要
- 4 証券取引所の形態
- 5 証券取引所の一覧
証券取引所と同じ種類の言葉
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