しゅうきゅう‐ふつかせい〔シウキウ‐〕【週休二日制】
週休二日制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 04:19 UTC 版)
毎月1度でも週に2日休日があることを「週休二日制」と呼ぶ。誤解されがちであるが、毎週必ず休日が2日間設定されている場合は「完全週休二日制」と呼ぶ。 日本の大企業として初めて週休二日制を導入したのは三菱電機である。1963年から第1および第3土曜日を休日とする隔週週休二日制を導入(あわせて週平均所定就業時間を45時間から44時間に短縮)し、国内における週休二日制導入、労働時間短縮の先駆となった。 また、三菱電機が週休二日制を導入した2年後の1965年4月からパナソニック(当時の社名は松下電器産業)は、毎週必ず2日間の休みがある完全週休二日制(週五日制)を日本の企業で初めて導入した。創業者の松下幸之助は太平洋戦争後にアメリカ合衆国の企業を視察して、米国流の高賃金・高能率に影響を受けたことを明かしている。 公務員では、1963年に千葉県庁が隔週週休二日制の導入を試みたものの、自治省などから反発を受けて撤回を余儀なくされた。しかしながら後続の埼玉県庁や東京都水道局などは有給休暇を利用した隔週週休二日制や、出勤する土曜日を8時間労働(当時の土曜日は半ドンであった)として隔週週休二日制を導入した。一方、政府は田中角栄首相が国会で「週休二日制の実施は公務員が一番最後だと思っている」と答弁するなど消極的な構えを見せた。 その後、遅れて1980年代ごろより、他の民間企業でも徐々に土曜日を休日とする週休二日制(週五日制)が広く採用されるようになった。これにより、週末は2連休、金曜日の祝日や振替休日・ハッピーマンデーがある場合は3連休となった。 少々意味が異なるが、戦後占領下に学校週5日制が一部地域で採用された。1948年 - 秋田県・滋賀県・長野県、1949年 - 山形県・福島県・千葉県・熊本県である。厳密に言えば週休二日制ではないが、アメリカ主導で行われた。日本人の自主性を育てること、社会が教育に参加することが目的であったが、週休二日制自体になじみがなかった当時の日本社会には受け入れられず、評判が悪く定着しなかった。 「学校週5日制」も参照 企業における週休二日制には法的根拠がある。1988年改正・1997年に完全施行となった労働基準法第32条で定められている法定労働時間により、1日の最大労働時間である8時間×5日間の労働をさせると、1週の最大労働時間である40時間に達する。このため、労働基準法第36条に基づくいわゆる「三六協定」を締結し、割増賃金を労働者に支払わない限りは週休二日制とせざるを得なくなった。ただし、企業によっては日曜日を含めて「週に2日分の休日」という考え方から「祝日が含まれる週には土曜日を勤務日とする」(祝日を休みにし、土曜日を勤務日とする)ところもある。また、一部の土曜日を夏・冬・GWなどの長期連休に移すところもあり、その場合は週によって「週休1日」となる。 銀行など金融機関では、1983年8月から第2土曜日のみ窓口業務を休止(他の土曜日は午前中のみ窓口業務を行っていた)し、1986年8月からは第3土曜日も追加された。その後、1989年2月4日からはすべての土曜日の窓口業務を休止するようになった。1992年5月1日から国家公務員も完全週休二日制を実施した。 2002年度から、公立学校でも土曜日を休日とする完全学校週5日制が実施された。一方、私立学校では中高一貫校・進学校を中心に、2002年以降も学校週5日制を導入しないところも多い。 学校の場合、休日が週2日になることより「勤務日・授業日が週5日になる」ことを前面に出し、「週5日制」という表現をしている。 大学では国公立大学の全てと一部の私立大学で週5日制となっている。ただし大学においては、多くの企業が休日となる祝日や振替休日においても、授業時間数を確保するため講義を行うことがある。 これをいち早く行ったのはホンダで、四輪車生産に乗り出してすぐに実施した(詳細は本田宗一郎の項目に詳しい)。 2015年度時点の状況について調査が行われた。主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は85.2%となっている。「完全週休2日制」を採用している企業割合は、50.7%となっている。これを企業規模別にみると、1,000人以上が69.3%、300~999人が59.5%、100~299人が54.1%、30~99人が48.3%となっている。産業別にみると、金融業・保険業が91.2%で最も高く、鉱業・採石業・砂利採取業が22.6%で最も低くなっている。週休制の形態別適用労働者割合をみると「何らかの週休2日制」が適用されている労働者割合は85.2%、「完全週休2日制」が適用されている労働者割合は61.1%となっている。 このように休日の取得しやすさは業種・企業による差が大きい。国土交通省は建設現場での週休二日制の普及を支援している。
※この「週休二日制」の解説は、「休日」の解説の一部です。
「週休二日制」を含む「休日」の記事については、「休日」の概要を参照ください。
「週休二日制」の例文・使い方・用例・文例
- 週休二日制のページへのリンク