比叡山 歴史

比叡山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/03 09:55 UTC 版)

歴史

古事記では比叡山は日枝山(ひえのやま)と表記され、大山咋神が近江国の日枝山に鎮座し、鳴鏑を神体とすると記されている。平安遷都後、最澄が堂塔を建て天台宗を開いて以来、王城の鬼門を抑える国家鎮護の寺地となった[1]。京都の鬼門にあたる北東に位置することもあり、比叡山は王城鎮護の山とされた[1]

延暦寺が日枝山に開かれて以降、大比叡を大物主神とし小比叡を大山咋神とし地主神として天台宗・延暦寺の守護神とされ、大山咋神に対する山王信仰が広まった。また比叡山山頂の諸堂や山麓の日吉大社などを参拝して歩く回峰行も行われ信仰の山である。「世の中に山てふ山は多かれど山とは比叡のみ山をぞいふ」と慈円が詠んだことでも知られる[3]

1934年(昭和9年)9月21日、室戸台風の暴風雨により、老樹が多数倒木する被害を受ける[8]

観光

有料道路や路線バス、ケーブルカー、ロープウェイで山頂まで行けるため、休日には観光客が多く訪れる。叡山ケーブルのケーブル比叡駅の中間広場(ケーブルカーとロープウェイの乗り継ぎ広場)では、毎年8月ごろに、京福電気鉄道の運営で、「比叡YAMAのビアガーデン」が開催される[5][9]。お盆等には夜間営業が行われることもある[10]

かつては比叡山頂遊園地比叡山人工スキー場があったが、それぞれ2000年平成12年)、2002年(平成14年)に完全閉鎖され、山頂遊園地の跡地は美術館「ガーデンミュージアム比叡」、スキー場の跡地はコスモス園になっている。また、京都側のふもとの八瀬にはスポーツバレー京都(森のゆうえんち)もあったが、こちらも2001年(平成13年)11月30日に閉鎖された。跡地にはリゾートトラストによって、会員制リゾートホテルが建てられた。

交通

鉄道

大津市坂本方面

京都市八瀬方面

道路

路線バス


注釈

  1. ^ 東山の北端を比叡山とする説と、その一つ南となる如意ヶ嶽とその支峰、大文字山等とする説がある。近年は比叡山も含むとする勢力が強いとする文献もあるが、もともと東山三十六峰自体の定義が曖昧であり(そもそも三十六と言う数字にも意味がない)結論を見ていない。詳しくは当該項目や如意ヶ嶽を参照。
  2. ^ イベント名は、「日本全国地デジカ大作戦 in 京都〜2010年夏、京の地デジは比叡から!〜」。
  3. ^ PRテーマは、広域局の京都中継局開局及びテレビの完全デジタル化1年前。この日にアナログ放送が終わった石川県珠洲市を始めとして、全国各地でも同様のイベントが展開された。

出典

  1. ^ a b c d 日本史用語研究会『必携日本史用語』(四訂版)実教出版(原著2009-2-2)。ISBN 9784407316599 
  2. ^ 国土地理院 基準点成果等
  3. ^ a b c d e f g h i j 「比叡山」(ヤマケイオンライン)
  4. ^ 比叡山四明岳から長野の御嶽山、琵琶湖、大観覧車を遠望
  5. ^ a b 「〈期間限定〉比叡YAMAのビアガーデンオープン!」(京福電気鉄道公式サイト、2013年7月30日)
  6. ^ a b 山と高原地図、ヤマレコ 山行計画
  7. ^ 京都市産業観光局 京都一周トレイル
  8. ^ 京都・奈良の国宝建造物も大損害『大阪毎日新聞』昭和9年9月23日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p234 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  9. ^ 「暑さを乗り切れ! 夏だからこそ楽しめる鉄道旅2013」(伊原薫、Yahoo! ニュース、2013年7月29日)
  10. ^ 「比叡YAMAのビアガーデン開催のお知らせ」(嵐電ブログ、京福電気鉄道、2012年8月15日)
  11. ^ 『京都・比叡山に広域放送地上デジタル放送中継局の設置を計画 〜京都市等における地上デジタルテレビ放送の難視聴を解消〜』(プレスリリース)総務省 近畿総合通信局、2009年12月25日。 オリジナルの2011年7月1日時点におけるアーカイブhttps://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2401781/www.soumu.go.jp/soutsu/kinki/new/2009/091225_01.html2009年12月26日閲覧 
  12. ^ 京都・比叡山の地上デジタル放送中継局の開局について - 総務省 近畿総合通信局
  13. ^ 京都・比叡山の地上デジタルテレビ放送中継局が開局〜京都市等における地デジ難視聴を解消〜 総務省 近畿総合通信局(2010年7月9日
  14. ^ NHK京都放送局総合テレビ比叡山テレビ放送所・無線局免許状 - 総務省
  15. ^ NHK大阪放送局教育テレビ比叡山テレビ放送所・無線局免許状 - 総務省
  16. ^ 毎日放送京都テレビ中継局・無線局免許状 - 総務省
  17. ^ 京都放送比叡山テレビ送信所・無線局免許状 - 総務省
  18. ^ 朝日放送テレビ京都中継局・無線局免許状 - 総務省
  19. ^ 関西テレビ放送京都中継局・無線局免許状 - 総務省
  20. ^ 讀賣テレビ放送京都中継局・無線局免許状 - 総務省
  21. ^ a b ワイドFM94.9MHzKBS京都 2018年4月13日閲覧
  22. ^ a b c 京都放送がワイドFM試験放送へ 難聴対策や災害対応 京都新聞 2017年12月12日、2018年1月29日閲覧。
  23. ^ a b KBS京都、4月2日からワイドFM 94・9メガヘルツ 京都新聞 2018年3月16日、同21日閲覧。
  24. ^ a b ワイドFM 京都ではじまる-株式会社京都放送のFM補完中継局に予備免許-(総務省近畿総合通信局報道資料)2017年12月12日
  25. ^ 京都放送FM補完中継局・無線局免許状 - 総務省、2018年4月14日閲覧。


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