STS-73

名称:STS-73
オービター名称:コロンビア
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1995年10月20日
着陸年月日:1995年11月5日
宇宙飛行士:ケネス・D・ボワソックス/ケント・V・ロミンガー/キャスリン・C・ソーントン/キャサリン・G・コールマン/マイケル・E・ロペズ-アレグリア/フレッド・W・レスリー/アルバート・サコー
飛行時間:381時間53分
STS-73のコロンビアには、さまざまな科学実験装置が積みこまれていました。そのなかでいちばん大きなものは、1992年打上げのSTS-50に続いて2回目となる微小重力実験室(USML-2)のスペースラブでした。
USML-2のなかで宇宙飛行士たちは、地球から送られてくる科学者たちの指示や助言を受けながら、科学技術の進歩や国際宇宙ステーションのための、さまざまな実験を行ないました。
その実験のいくつかは、最初の微小重力実験室(USML1)の成果から考えだされた新しいアイデアや実験方法を用いて実施されました。
STS-73のコロンビアは約17日間の飛行を終えて、無事に地球へ戻ってきました。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの
スペースシャトル・コロンビアは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(コロンビア)と、それを打ち上げるための固体燃料ブースターロケット2基と、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。

2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。

3.宇宙飛行の目的は?
微小重力実験室を使って、溶かした物質のしずくの表面張力や、科学物質の結晶化に関する実験など、さまざまな化学実験を行なうことです。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
微小重力を利用したさまざまな化学実験を行って、地球上では観察できない物質の性質について学びました。
※参考文献:「Newton Collection II 宇宙開発」竹内 均・監修(教育社)1992年発行「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島信樹・監修/三品隆司・著(PHP研究所)1995年発行
STS-73
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 21:59 UTC 版)
STS-73にて打ち上げられるコロンビア
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| 任務種別 | 微小重力実験 |
|---|---|
| 運用者 | NASA |
| COSPAR ID | 1995-056A |
| SATCAT № | 23688 |
| 任務期間 | 15日21時間53分16秒 |
| 飛行距離 | 10,600,000 km (6,600,000 mi) |
| 周回数 | 255 |
| 特性 | |
| 宇宙機 | コロンビア |
| ペイロード重量 | 15,250 kg (33,620 lb) |
| 乗員 | |
| 乗員数 | 7 |
| 乗員 | ケネス・バウアーソックス ケント・ロミンガー キャスリン・コールマン マイケル・ロペス=アレグリア キャスリン・C・ソーントン フレデリック・レスリー アルバート・サッコ |
| 任務開始 | |
| 打ち上げ日 | 1995年10月20日 13:53:00 UTC |
| 打上げ場所 | ケネディ宇宙センター第39発射施設B |
| 任務終了 | |
| 着陸日 | 1995年11月5日 11:45:21 UTC |
| 着陸地点 | ケネディ宇宙センター第33滑走路 |
| 軌道特性 | |
| 参照座標 | 地球周回軌道 |
| 体制 | 低軌道 |
| 近点高度 | 241 km (150mi) |
| 遠点高度 | 241 km (150mi) |
| 傾斜角 | 39.0° |
| 軌道周期 | 89.7分 |
(前列左から)サッコ、ロミンガー、ロペス=アレグリア (後列左から)コールマン、バウアーソックス、レスリー、ソーントン |
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STS-73は1995年の10月から11月にかけて行われたコロンビアのスペースシャトル計画。米国微小重力実験室による2回目のミッションである。クルーはレッドチームとブルーチームの二手に分かれて宇宙で16日間を過ごした。この計画には幾つかの詳細試験項目も含まれていた。
乗組員
- 船長 - ケネス・バウアーソックス (3)
- 操縦手 - ケント・ロミンガー (1)
- ミッションスペシャリスト1 - キャスリン・コールマン (1)
- ミッションスペシャリスト2 - マイケル・ロペス=アレグリア (1)
- ミッションスペシャリスト3 - キャスリン・C・ソーントン (4)
- ペイロードスペシャリスト1 - フレデリック・レスリー (1)
- ペイロードスペシャリスト2 - アルバート・サッコ (1)
バックアップ
- ペイロードスペシャリスト1 - R・グリン・ホルト (1)
- ペイロードスペシャリスト2 - デイヴィッド・H・マティーセン (1)
括弧内の数字は今回を含めたフライト回数を表す。
ハイライト
スペースラブ米国微小重力実験室 (USML-2) の第2次ミッションはSTS-73の主要ペイロードであった。ほぼ無重力の宇宙環境である「微小重力」分野の科学技術を押し広げるための16日間の宇宙飛行に米政府・大学・企業が協力した。
USML-2ペイロードで行われたいくつかの実験は、「コロンビア」のSTS-50 (1992年) でおこなわれた第1次USML計画での結果から提案されたものである。USML-1計画は流体物理学の理論モデル、燃焼と火炎伝播における重力の働き、半導体結晶生成における重力の影響に新たな知見を与えた。科学者たちが蛋白質結晶の分子構造を特定することができるようになったのは、USML-1の蛋白質結晶成長実験から集められたデータによる成果である。
USML-2はそれらを基礎として作り上げられている。得られた技術知識はミッションの手順及びオペレーションの改善に織り込まれた。ISS (国際宇宙ステーション) や今後の宇宙計画のより応用的なオペレーションへの準備のためであると同時に、地球上あるいは宇宙での基本的な物理的プロセスに対する科学的理解を深めるために実験班は可能な限りハードウェアを改良した。
USML-2では以下を含む実験が行われた。
- 表面張力対流実験 (Surface Tension Driven Convection Experiment (STDCE) ) 、落下物理モジュール (Drop Physics Module) 、落下力学実験 (Drop Dynamics Experiment)
- 表面制御現象実験における科学技術 (Science and Technology of Surface-Controlled Phenomena experiment)
- 流体細胞地球物理学実験 (the Geophysical Fluid Flow Cell Experiment);結晶成長炉 (Crystal Growth Furnace) 、高品質テルル化カドミウム亜鉛合成物半導体の軌道処理実験 (Orbital Processing of High Quality Cadmium Zinc Telluride Compound Semiconductors experiment)
- 微小重力環境下におけるガリウムひ素結晶成長の不純物偏析作用の研究 (Study of Dopant Segregation Behavior During the Crystal Growth of Gallium Arsenide (GaAs) in Microgravity experiment)
- 方向性凝固による選択されたII-VI半導性合金結晶成長実験 (Crystal Growth of Selected II-VI Semiconducting Alloys by Directional Solidification experiment)
- 微小重力環境におけるテルル化カドミウム水銀の蒸気輸送結晶成長実験 (Vapor Transport Crystal Growth of Mercury Cadmium Tellurida in Microgravity experiment)
- ゼオライト結晶成長炉 (Zeolite Crystal Growth Furnace (ZCG) ) 、接合面形状実験 (Interface Configuration Experiment (ICE) )、振動熱キャピラリ流実験 (Oscillatory Thermocapillary Flow Experiment)
- 繊維支持体液滴燃焼実験 (Fiber Supported Droplet Combustion Experiment)
- 粒子分散実験 (Particle Dispersion Experiment)
- シングルロッカー蛋白質結晶成長実験 (Single-Locker Protein Crystal Growth experiment) (微小重力蛋白質結晶化装置 (PCAM) と微小重力拡散制御結晶化装置 (DCAM) を含む)
- 液液拡散による結晶成長 (Crystal Growth by Liquid-Liquid Diffusion) 、商用蛋白質結晶成長実験 (Commercial Protein Crystal Growth experiment)
- 発展型蛋白質結晶化設備 (Advanced Protein Crystallization Facility)、アポクリスタシアニンC結晶化実験 (Crystallization of Apocrystacyanin C experiment)
- バクテリオファージラムダリゾチーム結晶構造分析 (Crystal Structure Analysis of the Bacteriophage Lambda Lysozyme)、微小重力環境下におけるRNA分子結晶化実験 (Crystallization of RNA Molecules Under Microgravity Conditions experiment)
- 蛋白質Grb2及び三斜リゾチーム結晶化実験 (Crystallization of the Protein Grb2 and Triclinic Lysozyme experiment)
- 好熱性アスパルチルtRNA合成酵素及びタウマチン微小重力結晶化実験 (Microgravity Crystallization of Thermophilic Aspartyl-tRNA Synthetase and Thaumatin experiment)
- CcdB微小重力環境結晶化実験 (Crystallization in a Microgravity Environment of CcdB experiment)
- グルタチオンS-転移酵素から得られたX線回折データ多変量解析 (A Multivariate Analysis of X-ray Diffraction Data Obtained from Glutathione S Transferase experiment)
- 蛋白質結晶成長:バクテリオロドプシンによる光電荷移行実験 (Protein Crystal Growth: Light-driven Charge Translocation Through Bacteriorhodopsin experiment)
- リボソーム結晶化実験 (Crystallization of Ribosome experiment)
- スルホロブス・ソルファタリカス・アルコール脱水素酵素結晶化実験 (Crystallization of Sulfolobus Solfataricus Alcohol Dehydrogenase experiment)
- カブ黄斑モザイクウイルス、トマトアスペルミーウイルス、サテライトキビモザイクウイルス、カナバリン、ウシ肝臓カタラーゼ、コンカナバリンBの結晶化実験 (Crystallization of Turnip Yellow Mosaic Virus, Tomato Aspermy Virus, Satellite Panicum Mosaic Virus, Canavalin, Beef Liver Catalase, Concanavalin B experiment)
- 上皮細胞増殖因子結晶化 (Crystallization of the Epidermal Growth Factor (EGF))
- 膜タンパク質複合体光化学系I構造 (Structure of the Membrane-Embedded Protein Complex Photosystem I)
- 視物質ロドプシン結晶化 (Crystallization of Visual Pigment Rhodopsin)
- 商用汎用バイオ処理装置(Commercial Generic Bioprocessing Apparatus)
- 天文施設及び実験 (Astroculture Facility and Experiment)
スペースラブのグローブボックス設備 (Spacelab Glovebox Facility) では
- ゼオライト結晶成長グローブボックス (Zeolite Crystal Growth Glovebox)
- 蛋白質結晶成長グローブボックス (Protein Crystal Growth Glovebox)
- コロイド障害転移 (Colloidal Disorder-Order Transitions)
などの実験が行われた。
USML-2のフライトコントローラと実験科学者たちはNASAのマーシャル宇宙飛行センターにあるスペースラブのミッション運用管理施設から科学活動を指示し、更にいくつかのNASAセンターと大学の科学チームがモニターと多くの実験のオペレーションサポートを行った。
そのほか行われたペイロードには
- 軌道加速実験 (Orbital Acceleration Research Experiment (OARE) )
- 宇宙加速計測システム (Space Acceleration Measurement System (SAMS) )
- 三次元微小重力加速度計 (Three Dimensional Microgravity Accelerometer (3DMA) )
- 浮上評価による過渡的加速の抑制 (Suppression of Transient Accelerations By Levitation Evaluation (STABLE) )
- 高密度デジタルテレビジョン技術デモンストレーションシステム (High-Packed Digital Television Technical Demonstration system)
などがある。
TV番組『ホームインプルーブメント (Home Improvement) 』の1996年2月13日のエピソード、『フィアーオブフライング (Fear of Flying) 』『ツールタイム (Tool Time) 』に乗組員の数名が出演している。[1]
当初1995年の9月25日に予定されていた打ち上げは1995年10月29日までに6回の延期がなされた。STS-73及びSTS-61Cはどちらも7度目の試みでようやく打ち上げにこぎ着けており、過去最も延期を重ねた計画という点で特徴的である。[2]
関連項目
脚注
外部リンク
- sts-73のページへのリンク