Pattern languageとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Pattern languageの意味・解説 

パタン・ランゲージ

(Pattern language から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 17:46 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
クリストファー・アレグザンダー

パタン・ランゲージ (pattern language) は、クリストファー・アレグザンダーが提唱した、建築都市計画に関わる理論。単語が集まって文章となり、詩が生まれるように、パターンが集まってランゲージとなり、このパタン・ランゲージを用いて生き生きとした建物やコミュニティを形成することができるとされる。

概要

アレグザンダーは、『パタン・ランゲージ』(1977年、邦訳1984年)の中で、人々が「心地よい」と感じる環境(都市、建築物)を分析して253のパターンを挙げた。パターンが集まり、それらの関連の中で環境が形づくられる。1-94は町・コミュニティに関するパターン、95-204は建物に関するパターン、205-253は構造・施工・インテリアに関するパターンである。

パターンの例には「小さな人だまり」「座れる階段」「街路を見下ろすバルコニー」などがあり、これらは家を建てたり、まちづくりのルールを決める際に役立つヒントにもなっている。アレグザンダーによればこれらのパターンは各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なもので、かつては誰でも知っていたものであるが、近代都市計画では無視され、急激な近代化の中で忘れられてしまったものである。

既存の建物を撤去したまっさらな土地に直線の広い街路を造り、高層ビルを建てる、といった近代都市計画の発想とは正反対の発想であり、既にあるまちの文脈を読み、狭い路地や目にとまる植栽、窓からの眺めといったヒューマンスケールな要素が重視されている。

望ましいコミュニティ全体を一度に設計・建設することはできないが、パターンに従った一つ一つの行為の積み重ねが確実にコミュニティを形成してゆく。こうしたパターンを見出すのは住まい手や住民自身であり、建築家はその過程を手助けして、実際の形になるよう設計・施工の監理を行うことが役割になる。

日本への影響

日本にもパタン・ランゲージの発想が紹介され、真鶴町の「美の条例」制定や、埼玉県川越市で67のパターンからなる「川越一番街 町づくり規範」[1]が作られるなど、まちづくりのルールに取り入れられている。アレグザンダー自身による実践に、1982年の木造建築による東野高等学校の設計がある[2]。ここでは学校関係者がパターンを見つけ、キャンパス計画が作られた。

建築・都市計画分野以外への応用

1990年代にソフトウェア分野へ「パタン・ランゲージ」の技法が取り入れられるようになったのを始め、2000年代に入ってからは、人間の行為に関しても「パタン・ランゲージ」を適用するいくつかの動きがみられるようになった[3]

関連項目

脚注

  1. ^ 川越一番街 町づくり規範 (PDF)
  2. ^ 盈進学園創立90周年・東野高等学校開校30周年記念 | 学校法人盈進学園 東野高等学校
  3. ^ パターン・ランゲージとは? - CreativeShift HP

外部リンク


「Pattern language」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Pattern language」の関連用語

Pattern languageのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Pattern languageのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパタン・ランゲージ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS