KSI・墓場の風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 06:01 UTC 版)
「トランスフォーマー/ロストエイジ」の記事における「KSI・墓場の風」の解説
トランスフォーマーのテクノロジーを解析して自己のものにしようとする反トランスフォーマー組織「Kinetic Solutions Incorporated(KSI)」。表向きは同じ略称を持つ、ロボット工学の一流企業ということになっている。 「シカゴの惨劇」をきっかけにオートボット否定派の勢いが増したなか、その流れに乗るカタチで設立された。「墓場の風 〈Cemetery Wind〉」はディセプティコン狩りという名目で動く対オートボット実働部隊で、CIAとも繋がりを持つ(「墓場の風」設立は「KSI」より先だが「KSI」設立後はその実働部隊ポジションとなっており、「KSI」にオートボットの死体を提供する見返りに最新装備を提供されている。)。反トランスフォーマー(オートボット)を謳う一方で兵器としての彼らの有用性も見出しており人造トランスフォーマーを開発生産する。その結果としてディセプティコンを自らの手で新生させることになってしまう。なお、「墓場の風」がオートボット狩りをしていることはCIAの高官アティンジャーの指示と政治的圧力でもってアメリカ政府やアメリカ軍には極秘としている。 ジョシュア・ジョイス 演 - スタンリー・トゥッチ / 吹き替え - 梅津秀行 「KSI」の経営者で、事業の成功により財を成した資産家。アティンジャーの指示と支援を受けて「KSI」を設立し「墓場の風」による秘密裏のオートボット狩りも認識した上で協力していたが、「墓場の風」やCIAとは互いに利用しあう関係を保っている。 トランスフォーマーたちのボディを成す金属から、プログラム可能な可変金属“トランスフォーミウム”を発見し、それによってスティンガーやガルヴァトロンをはじめとする人造トランスフォーマーの開発を行なった。 センチネルとメガトロンの頭部から、トランスフォーマーの歴史、情報を抽出することを思いついたばかりに、実は生存していたメガトロンの復活、それによる人造トランスフォーマーの反乱など、結果的にディセプティコンの新生に手を貸すこととなってしまう。 ジョシュア自身はトランスフォーマーを生物ではなく機械やテクノロジーとして認識しており、人造トランスフォーマー開発成功によって、後に対面したオプティマスに対しもはやオートボットは不要な存在だと挑発的な意見を投げ掛けた。その際にオートボットによって会社の研究施設を破壊されたため、(アティンジャーに強引に後押しされたこともあり)退却するオートボットにガルヴァトロンを差し向けるが、それにより無関係の民間人にまで被害が及び、死傷者が出てしまう。 独自のセンスに基づいたテクノロジー観の持ち主で、プライドが異常に強い完璧主義者。基本的に部下や他人問わず周囲には威張ったり、毒づくなど、強気な態度を崩さないが、反面、自分の思う通りにいかなかったり、自分が挑発し返されたり、否定されるなどすると、癇癪を起こし、想定外な事態が起きたり、自分の身が危険に晒されるとパニックを起こしたり、極端に悲観的になるなど、子供じみた一面や小心者な一面もある。 このようにクセの強い人物ではあるが、根は「世の中をより良くしたい」という理想を持った発明家であり、ガルヴァトロンにより犠牲者が出た事やケイドの言葉を受けて自分のしている事に疑問を抱き、人造トランスフォーマーから手を引く事を考え、ロックダウンとの取引で入手していた人造トランスフォーマー製造に必要なトランスフォーミウムを作り出す「シード」を持って逃亡するが、それによりアティンジャーたちから裏切り者とみなされ、以降「墓場の風」から命を狙われる事となる。その後、香港でケイドたちとの協力を経てCIAや「墓場の風」と決別。最終的に自身の過ちを認めてケイドたちと和解し、今回の一件で自宅を失ったケイドに支援を申し出た。 「自社製品を持ったモノクロの肖像」が登場した他、薄めの髪に眼鏡をかけた細身の風貌、最先端技術を取り扱う企業のワンマン経営者である事など、Appleのスティーブ・ジョブズを想起させるパロディ描写が多い ハロルド・アティンジャー 演 - ケルシー・グラマー / 吹き替え - 仲野裕 CIAの高官。地球に残留していたディセプティコン討伐の傍ら、密かに「墓場の風」へオートボット狩りを指示し(ホワイトハウスはアティンジャーの秘密行動にかねてから疑惑を抱いていた模様)、「KSI」設立にも携わっていた黒幕。 ディセプティコンはおろかオートボットすらも地球に騒乱を招く不法滞在者とみなし、国家安全の名目で地球上に残る全てのトランスフォーマーを殲滅しようと暗躍。さらにジョシュアと共に、「シード」を手に入れる為、密かにロックダウンと協力関係を結んでいた。ジョシュアとは一応協力関係にあるものの、互いに腹を探り合っており、お世辞にも友好的な関係とは言い難い。 その真の目的は人造トランスフォーマーを国防、地球外探査用の兵器として売り出し金儲けをする事で、CIA退職後の保身を確保する為であり、オートボットをも討伐の対象にしていたのも自らのビジネスの邪魔になると判断したからという非常に身勝手な理由からである。KSIも端から自分の天下り先とする目的で設立させた。 ジョシュアとは違い自分の野心の為ならば、無関係な人間への被害なども「必要悪」として開き直り、全く重要視しておらず、そればかりか邪魔者であるオートボットに協力する民間人に対しても「敵」とみなして容赦なく始末しようとする冷酷非情なエゴイストで、「人間には手を出さない」事を信念にしていたオプティマスですらも、殺意のレベルに達する怒りと敵意を抱いた程である。 契約は成功し念願のシードを手に入れるものの、その矢先にガルヴァトロンと人造トランスフォーマーたちによる反乱が勃発し、それがきっかけでジョシュアとも決裂。これまで虚偽の報告を行っていたアメリカ政府からも、疑惑の目を向けられ始めた為に焦りを感じ、自らの目的の邪魔をし続けるケイドと、シードを持って逃亡したジョシュアの2人の始末、そしてシードの奪還を目的に、自らサヴォイや「墓場の風」を率いて追跡する。しかし、サヴォイはケイドに返り討ちに遭い死亡し、シードの回収にも失敗した事で自らの野望は完全に破綻。 それでもケイドへの憎悪から彼を執拗に追い続け、終盤にロックダウンとの戦いに加勢しようとしていた彼の前に立ちはだかるが、その直後にオプティマスの手であっけ無く射殺された。 ジェームズ・サヴォイ 演 - タイタス・ウェリヴァー / 吹き替え - 広瀬彰勇 「墓場の風」の現場指揮官で、アティンジャーの指示によりオートボット狩りを指揮していた。三作目のシカゴ戦で姉を失った過去を持ち、善悪問わずトランスフォーマーを憎んでいる。 彼もまたアティンジャー同様に命令であれば民間人に手を掛ける事も辞さず、女性であるテッサにも容赦のない暴力を仕掛けたり、追い詰めた標的をわざと甚振る事で、相手が苦悶する姿を見て楽しみ、蔑み笑ったり、相手をより痛めつけ、苦しめる為に敢えて銃器を用いずにナイフを得物として使用するなど、非常にサディスティックな性格である。ミシガンでロックダウンと共同戦線でラチェットを討伐した後、オプティマスを追ってイェーガー家を「墓場の風」を率いて襲撃。以降、ケイドたちを抹殺するために執拗に彼らを付け狙う。 壮絶な追跡劇の末に、香港の高層アパートの一室でケイドと対峙するが、ケイドを侮っていた事が仇となり、彼の機転を利かせた反撃を受けて窓から転落死した。 アティンジャーからは深い信頼を寄せられていたらしく、サヴォイの最期を目の当たりにしたアティンジャーは激昂し、ケイドへの憎悪をより一層募らせる事となる。 ギル・ウェンブリー 演 - ジェームズ・バックマン / 吹き替え - かぬか光明 「KSI」の一人。ジョシュアの部下で、技術開発主任。トランスフォーマーの生態研究からトランスフォーミウムを開発し、スティンガーやガルヴァトロンをはじめとする人造トランスフォーマーの設計開発にも携わった。 ヒゲを生やした肥満体が特徴で、ドーナツが好物。ジョシュアの気まぐれや思い付きに振り回され、こき使われている為、若干彼に対して辟易しており、当人のいない所ではジョシュアの事を「ムッソリーニ」呼ばわりして陰口を叩いている。 身体的特徴や典型的なオタク気質、最先端テクノロジーを取り扱う企業の技術責任者である事など、ジョブズのビジネスパートナーであったスティーブ・ウォズニアックを想起させる描写が多い。 ダーシー・トリル 演 - ソフィア・マイルズ / 吹き替え - 林真里花 「KSI」の一人。ジョシュアの部下で、地質学専門家。北極で金属化した恐竜の死骸を発見した時には驚愕していた。一方でオートボット狩りなど組織の闇については知らされておらず、解剖されていたラチェットの亡骸もディセプティコンのものだと聞かされていた。 香港戦では、スーと共にジョシュアやケイドたちの逃亡を手助けし、「墓場の風」を欺く為に自ら囮となる。 蘇月明(スー・ユエミン) 演 - リー・ビンビン / 吹き替え - 魏涼子 「KSI」の一人。北京にある人造トランスフォーマー製造工場の責任者。警察学校で鍛錬を受けた過去があり、普段はキャリアウーマンだが、非常時には「墓場の風」の戦闘員二名を相手に格闘戦を繰り広げるなど、高い身体能力を持っている。また、カワサキ・D-トラッカーXにシードを持って逃亡するジョシュアを乗せ、追っ手の追撃をかわしながら香港の街中を疾走する高度な運転技術も持つ。
※この「KSI・墓場の風」の解説は、「トランスフォーマー/ロストエイジ」の解説の一部です。
「KSI・墓場の風」を含む「トランスフォーマー/ロストエイジ」の記事については、「トランスフォーマー/ロストエイジ」の概要を参照ください。
- KSI墓場の風のページへのリンク