関内家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:47 UTC 版)
「エール (テレビドラマ)」の記事における「関内家」の解説
関内光子(せきうち みつこ) 演 - 薬師丸ひろ子 音の母。温厚で優しい人柄ながら、不条理なことがあれば男性相手にも臆せず堂々と渡り合う芯の強さを持っており、その性格は音にも受け継がれている。夫の安隆から「黒みつ」と呼ばれることもある。 新しい時代において女性も自立すべきであるとの考えから、3人の娘たちにはそれぞれ好きな道を歩んでいってほしいと願っている。 音と裕一が初対面で結婚を決めた時には、裕一と音の立場の違いを理由に結婚に反対したが、裕一の頼りなさを危惧しながらも最終的には結婚を認めた。その時にはロザリオを二人の前に突きつけてお互いの幸せを誓わせた。その経験もあってか、第14週終盤で三女・梅が事前の連絡もなく婚約者の五郎を連れて突然帰ってきた時には、一瞬驚きながらもあっさり受け入れていた。 戦時中は関内家の宗派が特高の監視対象であったため常に監視されていた。豊橋空襲で家や工房を焼かれ、がれきの下に埋まっていた安隆の遺影を見つけ、梅と岩城を発見、救出した。終戦時には焼け跡の中で賛美歌「うるわしの白百合」を歌った。 終戦後、五郎の発案に基づいて、馬具製造に代わる野球のグローブ製造資金を銀行から融資を受けることに成功している。 第117話の音の回想シーンから光子が死去していることが窺える。 エールコンサートでは「高原列車は行く」を歌った。 関内安隆(せきうち やすたか) 演 - 光石研 音の父。クリスチャンで、男尊女卑の思想が当たり前の当時としては珍しく女性の権利を尊重する進歩的な男性であった。 軍に納品する馬具の製造販売を行う会社を経営。自身も音楽好きで、娘たちには楽器を色々と弾かせていた。しかし音が小学生の時、出張先の大阪で交通事故に遭い急逝する。 家族と一緒に過ごせた期間は短かったが、「やらずに後悔するより、やって後悔する方がいい」という彼の教えは、音にとって生涯の支えとなる。 第12週で、あの世のジャンボ宝くじが当たり、一泊二日だけこの世に戻って家族に会うことを許される(ただし家族以外には姿は見えない)。 初孫の華および義理の息子裕一と対面した後、文学を教えた親友に先を越された梅を励まし、さらに光子が未亡人になってからずっと支えてくれた岩城が彼女に好意を寄せていると聞いた時は、工場に「再婚を許す」と置き書きを残してあの世に帰っていった。あの世で三郎と知り合っており、第87話では彼と将棋を指す仲になっている。 団子が大好物で、第12週でこの世に戻ってきた時には、幽霊であるにもかかわらず生前と同じように団子を食べていた。 関内吟(せきうち ぎん) 演 - 松井玲奈(幼少期:本間叶愛) 音の姉。おしゃれ好き。素敵な男性と結婚することが夢だが、理想とは裏腹に見合いがなかなかうまくいかず、妹の音に先を越された時には腰を抜かすほどショックを受けていた。しかし、その後もあきらめずに何度も根気よく見合いを繰り返して鏑木智彦と出会い、願いがようやく叶った。 父・安隆がこの世に来た時は最初に吟に会いに行くが、安隆を見た途端に悲鳴を上げて逃げ出してしまう。安隆はこっそりと吟の生活ぶりを覗いたのだが、軍人の妻ということで色々と無理をしているように見られた。 吟夫婦は子供にも恵まれていなかったが、終戦後になって戦災孤児のケン(後述)を引き取り、後に養子にした。 戦争が本格化し、智彦が軍人であることが影響してか、三姉妹の中で最も軍国主義に染まっていた。しかし、智彦の出征前夜は「どうか、ご無事で」と頭を下げたが智彦から一蹴された。 終戦後は軍人の地位を失った智彦の再就職先が決まらず、自分が働きに出ると申し出たが、かえって智彦の自尊心を傷つける結果となった。また、智彦がラーメン屋で働くようになっても仕事先を教えてもらえず、音のアドバイスで智彦を尾行の上、ラーメン屋で働いているところを目撃した。その後、智彦が再就職した貿易会社を続けるのか、ラーメン屋に戻るか迷っていた際に、かつての智彦のように人のために命を燃やせるならどちらの仕事でもいいと助言した。 姪の華の相談相手にもなっていて、華が音と衝突した際には家に泊めた。その翌日に裕一が華を迎えに来た帰りにケンを連れて孤児院『聖マリア園』まで同行し裕一をシスターの飯塚佐代に紹介した。吟とケンは何らかの関わりがあったようである。 母の光子が亡くなった時には豊橋の海岸で骨壺を手にしていた。 東京オリンピックの開会式を義弟・裕一の家で智彦、ケン、華の家族らと共にテレビで見ていた。 エールコンサートでは、浩二と共に途中から司会進行に入った。 関内梅(せきうち うめ)→田ノ上梅(たのうえ うめ) 演 - 森七菜(幼少期:新津ちせ) 音の妹。 文学全般が好き。小説家になることを夢見ている。 安隆は家族の中で最後に梅の前に姿を見せたが、彼女は文学少女のため、幽霊の姿の安隆を見ても全く驚かなかった。 自分が文学を教えた親友が16歳で新人賞を受賞したことに嫉妬し、複雑な気持ちだったが安隆の激励で、これからは物事を斜めから見ずにまっすぐ生きると誓った。 気難しい性格を自覚しており、相手に対してついきついことを言ってしまう自分を嫌っているが、裕一を訪ねてきた五郎に諭されてからは態度もやや軟化してきているような場面もあった。しかし、初対面した姪の華から「梅おばさん」と呼ばれた時は違和感を感じていた。後に「梅」「梅お姉さん」「梅ちゃん」と呼ばれている。 安隆との再会から6年後、自分も親友の結と同じく『文藝ノ友』の新人賞を取り、古山家に居候するが、今の地位を絶対奪われたくない彼女からのプレッシャーと次作が書けない焦りから、五郎と華に当たり散らし、投げやりに「自分には文学以外ないもない」と言った時「あなたは自分にはないものを全て持ってる」と五郎に返され、故郷・豊橋の暖かさを彼の居場所にすると決心し五郎と共に豊橋へ帰った。 五郎という理解者を得たことで梅の執筆活動は順調に進み、帰郷後に本が出版された。その後も執筆活動は続けるも、戦時中は家がキリスト教でも特殊な宗派に属しているという理由で政府の監視が厳しくなり、出版社の担当者から作品の持ち込みを断られた。 五郎が跡継ぎ試験に何度も不合格になるのは「私のこと嫌いになったから、わざと落ちてるんでしょ?」と詰め寄ったが、音と裕一の仲介により誤解は解け仲直りし、翌日豊橋へ帰った。 昭和20年の豊橋空襲で町中が火の海の中、原稿を取りに行くと光子の制止を振り切って家へ戻り、瓦礫の下敷きになってしまうが岩城に助けられ九死に一生を得る。その後は五郎と馬具に代わる革製品を模索していた。 第117回の音の回想シーンで、母の光子の散骨に姉たちと立ち会っていた。 長姉・吟と違い、裕一の家で東京オリンピックの開会式をテレビ視聴をせず、関内家の女性の中で唯一、エールコンサートにも参加していない。 鏑木智彦(かぶらぎ ともひこ)→関内智彦(せきうち ともひこ) 演 - 奥野瑛太 コロンブスレコードの廿日市の甥で、陸軍騎兵将校。豊橋の騎兵第19連隊に勤務していたときに吟と見合いして結婚し、関内家の婿養子となる。礼儀正しい職業軍人で、いささか亭主関白な所があると吟からは評されている。 親戚が音楽関係者ということで多少の理解もあり、裕一が西洋音楽の技法にこだわり過ぎて大衆向けの歌謡曲を作ることができず苦悩していた時、軍人が命をかけて戦うことができるのは大切な人を守るためであると義妹・音に話し、裕一についても相手のことを思って曲を作る心構えが大切なのではないかと説いて聞かせた。 第8週では義実家に住んでいたが、第71話冒頭で陸軍省馬政課に配属され、その時に所帯を持った。 裕一が「露営の歌」をヒットさせた後、馬政課が後援する映画『暁に祈る』の主題歌の作曲を裕一に依頼した。 裕一より前だが、同じ昭和18年に大陸の第一部隊に転属となり、出征した。その前夜、無事を願う吟に「軍人の妻が、無事など願うな」と一蹴した。 劇中で軍服に付けていた階級章と面接時の履歴書から、最終的には「中佐」まで昇進したことがうかがえるが、終戦後は軍人の地位を失った上、元軍人としてのプライドの高さが災いして転職もままならず、闇市で酒を飲む生活を送っていた。そんな折、自ら採用を蹴った会社の面接官から言われた一言がきっかけとなり、闇市のラーメンの屋台で店員募集の張り紙を見て即座に応募し働き始めるが、軍人時代の同期の松川から誘われて貿易会社に転職。しかし、松川が自分を会社に誘った理由が「自分の同期がラーメン屋では恥ずかしいから」と聞いて、自分を救ってくれたラーメン屋を侮辱する松川の発言に怒りを覚え 、迷った末に会社を辞めて、再びラーメンの屋台に戻った。後日、店主の天野が代々木に店舗を構えることになった際に屋台の経営を受け継ぎ、闇市で知り合った戦災孤児のケンを住み込みで働いてもらうことにした。後にケンを正式な養子として迎えている。 日本が復興期に入った昭和26年には正式な店舗を構えている。鉄男と池田が一緒に食べていることが多い。 東京オリンピック時には裕一の家で吟、ケン、華の家族らと共に開会式をテレビで見ていた。 田ノ上五郎(たのうえ ごろう) 後述「古山家(東京編)」を参照。 関内(せきうち)ケン 後述「闇市の人々」を参照。
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