観光・団体・臨時運用への対応
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「国鉄キハ183系気動車」の記事における「観光・団体・臨時運用への対応」の解説
「フラノエクスプレス」増結 キハ80系のリゾート編成「フラノエクスプレス」への増結用車両として、1990年1月からキハ184形1両を使用した。 キハ184-11 の制御回路をキハ80系の仕様に変更し、幌高さや外板塗色を同編成に合わせる変更を実施した。本車を組成した5両編成で運用されたが、同年中に増結運用を終了し一般の仕様に復元された。 なお同車は、1994年2月に発生した特急おおぞら脱線転覆事故で罹災し、1994年3月30日付で廃車となっている。キハ184形(1両):11 「ちゃいるどさろん」(キハ183形) 客室内の一部をカーペット敷きとした子供向けの遊び場「ちゃいるどさろん」を設ける改造を1995年から実施した。 「おおぞら」に使用する キハ183-3 の前位側20名分の座席を撤去し、カーペット敷きの空間を設けた。1998年には臨時「オホーツク夏休み」号に使用する キハ183-5・6 に同様の改造を行った。 「オホーツク夏休み」用の2両は同列車の運転終了後に一般の座席へ復元され、 キハ183-3 は2007年に「旭山動物園号」編成の1両として改造されている。キハ183形(3両):3, 5, 6 「ノースレインボーエクスプレス」代用(キハ183形) 1997年2月に根室本線内で踏切事故に遭遇した「ノースレインボーエクスプレス」編成の先頭車 キハ183-5201 を修理復旧するため、一般車のキハ183形を代用とした。 対象車は キハ183-1 で、外部塗装を キハ183-5201 に準じたものに変更し、青函トンネル通過対策として運転台側のスカートに元空気だめ管の引き通しを追加した。キハ183-5201 の修理復旧後すぐに「とかち色」に復元し、一般の運用に復帰している。キハ183形(1両):1 東室蘭駅に停車中のお座敷車(2008年10月) お座敷車の車内の様子(2008年12月) お座敷車(6000番台) JR北海道が従来より使用するお座敷車(急行形気動車改造)は最高速度 95 km/h であり、団体臨時列車での使用時に所要時間が長くなる難点があった。また、少人数の旅行に対応する設備や従来の特急列車に併結しての新たな需要喚起も求められていた。これらの需要に対応するため、特急形の本系列を1999年に改造したお座敷車両が本区分である。 N183系 から2両、 NN183系から1両の計3両が改造された。 N183系の2両は走行用機関と変速機を NN183系と同一仕様に変更し、 130 km/h 運転対応を全車に実施した。 120 km/h 車とのブレーキシリンダ圧切替機能を装備し、他の本系列全車との連結が可能である。青函トンネル通過対策がなされ、同トンネル内を電気機関車牽引により本州に乗り入れることが可能である。また、定期列車から分割して車両単独(先頭車のみ、もしくは先頭車+中間車)での回送ができるように、キハ183形後位およびキハ182形前後位に後部標識灯を取り付けている。外部塗色は側面上部を濃灰色、正面と側面下部を赤色、車体裾部とスカートを金色としている。 団体臨時列車として単独編成で使用するのみならず、閑散期には定期特急列車に併結して使用することも考慮され、団体使用時は床面を完全にフラットにできるが、定期列車併結時には車内販売や乗務員の往来のため中央部に通路を設けることができる構造とし、左右に2人用と4人用の座卓を設置している。それぞれの座卓の下部は深さ 30 cm の掘り炬燵構造としている。定員はキハ183形が団体使用時46人、キハ182形が56人であるが、定期列車併結時には、それぞれ36人・42人となる。 2015年3月31日付で中間車のキハ182-6001が除籍となり、先頭車のキハ183-6001は一般色に塗装変更された。 改造車一覧(6000番台)車両形式車両番号種車改造落成配置落成日現行配置・処遇転属・除籍日最終配置備考キハ183形6000番台キハ183-6001 キハ183-507 苗穂工 札幌 1999年01月30日 苗穂 2012年09月13日 塗色変更 キハ183-6101 キハ183-1557 1999年02月12日 キハ182形6000番台キハ182-6001 キハ182-514 1999年01月30日 廃車 2015年03月31日 苗穂 左:キハ183-6101(2009年9月 札幌運転所) 右:キハ182-6001(2009年9月 札幌運転所) お座敷車 ← 苗穂方面 手稲方面 → 号車123形式キハ183-6101 キハ182-6001 キハ183-6001 国鉄色復元編成 臨時用として函館運輸所に配置される本系列の4両について、赤2号+クリーム4号の「国鉄色」への復元を2001年に実施した。次回検査までの一時的な措置とされていたが、検査後も引き続き国鉄色のまま使用された。 「とかち」系統のキハ261系導入で捻出された本系列車両による波動輸送用車両置換えに伴って運用を終了した。2009年12月以降、他の余剰車とともに釧路運輸車両所に疎開留置の後、2010年3月24日付で廃車となった。同年11月13日に釧路駅で展示の後、当該4両を含む本系列11両がミャンマー国鉄に売却された。キハ183形(2両):1, 2 キハ182形(2両):1, 2 国鉄色復元編成 ← 函館・釧路 札幌 → 号車1234形式キハ183-2 キハ182-2 キハ182-1 キハ183-1 「旭山動物園号」編成 旭山動物園(旭川市)へのアクセス輸送に使用する車両について、内外装の改装工事を2007年に五稜郭車両所で実施した。当初は4両編成で使用を開始し、2008年4月28日以降は「オオカミ号」を追加して5両編成で使用する。2009年現在、全車ともポリカーボネート板の追設工事を実施済みである。 旭山動物園の元飼育係で絵本作家のあべ弘士がデザインを手がけ、旭川側から1号車「ホッキョクグマ号」(キハ183-3)、2号車「オオカミ号」(キハ182-46)、3号車「ライオン号」(キハ182-47)、4号車「チンパンジー号」(キハ182-48)、5号車「ペンギン号」(キハ183-4)と名づけられ、それぞれの動物の親子などの絵が描かれている。 接客設備にも種々の改装がなされており、各車両には動物をかたどった記念撮影用の「ハグハグシート」が設けられた。1号車の キハ183-3 は旧「ちゃいるどさろん」の空間を転用し、カーペット敷きで子供が靴を脱いで遊べる「モグモグコーナー」に改装された。また5号車の キハ183-4 には2007年12月の冬期運転より業務用室部分を転用した授乳室が設置された。車内メロディは童謡「森のくまさん」を用いる。 2007年(平成19年)より、週末やゴールデンウィーク、夏休みなどを中心に臨時特急「旭山動物園号」として運行を開始した。2013年(平成25年)4月に内外装のリニューアル工事を受けるため一時的に運休となり、同年7月13日より運行を再開している。 2017年(平成29年)5月19日、老朽化により年度中に廃車となることが発表された。その後も一時的に車両繰りの都合で運用に入っていたが、年度末の2018年(平成30年)3月をもって運行を終了し、同年6月30日付で5両とも廃車となった。後継となる専用編成の製造予定はなく、現在は789系を利用した特急「ライラック旭山動物園号」が運行されている。 改造車一覧(旭山動物園号)車両形式車両番号改造落成配置落成日現行配置・処遇除籍日最終配置備考キハ183形0番台キハ183-3 苗穂工 苗穂 2007年04月03日 廃車 2018年06月30日 苗穂 キハ183-4 キハ182形0番台キハ182-46 キハ182-47 2007年04月03日 キハ182-48 旭山動物園号(2007年 - 2013年) 「旭山動物園号」苗穂 - 白石2010年2月5日 「旭山動物園号」白石駅 - 苗穂駅2010年8月28日 「チンパンジー号」ハグハグシート 「ペンギン号」アニマルシート 「ペンギン号」ハグハグシート 旭山動物園号(2007年 - 2013年) ← 旭川 札幌 → 号車12345形式キハ183-3 キハ182-46 キハ182-47 キハ182-48 キハ183-4 ホッキョクグマ号 オオカミ号 ライオン号 チンパンジー号 ペンギン号 旭山動物園号(2013年 - 2018年) 「極寒の銀世界号」正面 「極寒の銀世界号」ハグハグシート 「北海道の大地号」ハグハグシート 「熱帯のジャングル号」ハグハグシート 「草原のサバンナ号」ハグハグシート 「草原のサバンナ号」モグモグコーナー 旭山動物園号(2013年 - 2018年) ← 旭川 札幌 → 号車12345形式キハ183-3 キハ182-46 キハ182-47 キハ182-48 キハ183-4 草原のサバンナ号 熱帯のジャングル号 北海道の大地号 鳥たちの大空号 極寒の銀世界号 駆動系出力適正化改造(400番台) 「とかち」系統へキハ261系を追加投入して余剰化した札幌運転所のN183系に対し、団体・波動輸送を主とする運用に供するため、機関出力の適正化(パワーダウン)を主とする改造を施したものである。 改造はキハ183形2両とキハ182形4両の合計6両に施工され、車両番号は原番号から100を減じた付番とされた。 改造後は函館運輸所に転属し、同所で波動輸送に用いられてきた初期車を淘汰した。2017年(平成29年)からキハ261系の函館運輸所への新製配置に伴い、「オホーツク」「大雪」用として苗穂運転所に転属・運用されていたが、2018年(平成30年)7月、同年3月まで「北斗」の運用に就いていた最高時速130 km/h、120 km/h車両の導入に伴い全車運用を離脱、2019年度末をもって車籍を抹消された。 改造車一覧(400番台)車両形式車両番号種車改造落成配置落成日現行配置・処遇転属・除籍日最終配置備考キハ183形400番台キハ183-405 キハ183-505 札幌 函館 2009年10月30日 廃車 2020年03月31日 苗穂 キハ183-406 キハ183-506 キハ182形400番台キハ182-404 キハ182-504 キハ182-405 キハ182-505 2019年12月28日 キハ182-406 キハ182-506 キハ182-413 キハ182-513 2020年03月31日
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