翼の血族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:19 UTC 版)
アルテマティア 「第一位階」であり、竜王にして血主。竜名は「天翼竜」(てんよくりゅう)。人間形態時は若い娘の姿をしている。 ウォルテカムイに対してはつんけんとしているが、基本的に柔和な性格で礼儀正しく、争いを嫌う。その姿勢は人間に対しても崩さないため、出会う人間に好意的な第一印象を与える。しかし竜の神には忠実。他者の身に起きた悲劇を、満面の笑顔で神の啓示として捉えるため、ラグナにとっては気持ち悪い存在。レーゼ滅亡の指示を竜の神から受けた際、可能な限りレーゼの王国民が死の恐怖と苦痛に晒されないよう配慮し、ネビュリムの霧散結界で秘密裏に殺害する方法を採用していた。 戦闘に不慣れであるが時操魔法を使うため、作中でも強大な存在である。肉体が損傷すると自動で自分の時間が巻きもどり、肉体が再生される。 王都にてラグナと遭遇時は時操魔法で応戦。開戦当初からラグナの銀気闘法により圧倒されていた。だが世界の時を開戦前まで巻き戻し、直後に静止させたことで劣勢を挽回。しかしラグナに「翼の血族」の血が混ざっていることを知らなかったため、時間を止めている最中にラグナの攻撃を受けてしまう。即座に時間を巻き戻したが、これにより時操魔法への自信を失った。以後、時操魔法が使えなくなる。 ウォルテカムイ 「第二位階」であり、竜名は「雷爪竜」(らいそうりゅう)。作中ではよく「カムイ」と呼ばれる。人間形態時は若い男性の姿。雷爪「宙斬」を所持している。 ディザス・トロワと位階が1つ違うだけだが、その強さは他の上位竜より圧倒的に高い。実は人間の頃から既に常軌を逸した強さと肉体再生能力を持っており、人間だった頃に爪牙の血族の1人を殺害して、前述の雷爪を強奪した過去をもつ。 レーゼ滅亡の指示を竜の神から聞いた際、アルテマティアの意図を無視して勝手にドナピエルーを襲撃。その後アルテマティアに罰せられていたが一時中断、ミハイルの討伐に向かう。この時にラグナの情報を入手する。 粗野で好戦的な性格。本人の説明によれば、自分の個人的な意思でアルテマティアに従っており、血族としての忠誠や竜の神への崇拝は関係ないとのこと。しかし一方で度々勝手な行動をとり、加えて冗談でアルテマティアをからかうため、アルテマティアにはぞんざいに扱われる。作中ではアルテマティアに殴られる、首を切り落とされる、頭を縦に割られる、太陽光で焼かれる、炎で燃やされるなどの暴力的な抵抗や制裁を喰らっている。 ディザス・トロワ 「第三位階」。人間形態時は変形した脚と尾を除けば美形な青年。しかし捕らえた女性達を痛めつけ、その叫びが風に掻き消えていくことを好む残虐な性格。竜巻を発生させる能力を持つ。その竜巻に襲われた人間は風に切り刻まれ、地獄の苦しみを味わう故に、付いた竜名は「風獄竜」(ふうごくりゅう)。竜形になった場合、人間形態時より強力な竜巻を最大同時に8つ作り出し、自身も強大になる。 作中では自身が発生させた竜巻でトルティエールを襲撃。襲撃後はボルギウスの指示で待機し、レーゼ王国外からの攻撃に備えていた。その後、クリムゾンの指揮の下で雪辱を誓ったミハイル一味と交戦。冒頭でクリムゾンから挑発され激昂こそしたものの、相手を格下と捉え全力を出さないまま応戦。そのまま油断をつかれ、竜形になることなく人間形態のまま狩られた。戦闘における気構えの重要性を物語る例として、この一戦は作中で話題にされる。 風と会話できるかのように装い、何かと「風もそう言っている」などと口にする。しかし実際は風と会話している訳ではなく、ただの一人芝居に過ぎない。アルテマティアに声をかけられると動揺する。 ボルギウス 現代では「第四位階」で、竜名は「森海竜」(しんかいりゅう)。アルテマティアやネビュリム達からは「先生」と呼ばれている。言葉遣いは老人語。普段は人間に寄生し、その右腕の部分から首を現している。作中ではレーゼの大臣に寄生し、正体を隠していた。攻撃手段は人間の血液を吸収し、自身の口から放つ「咆撃」(ほうげき)。 実はクリムゾンが血主のころからの上位竜で、「蠢く木陰」の真の支配者。アルテマティアが血主になって以降は、血族の再興のために血族に尽くしていた。既に自身の死期を悟っていた中、時操魔法が使えなくなったアルテマティアを守るため、殺戮された王都民の血液を使って自身の肉体の再生を開始する。 未来では「第七位階」で竜名は「腕竜」(かいなりゅう)。 タラテクトラ 「第五位階」で、竜名は「爆塊竜」(ばくかいりゅう)。人間形態時は「翼の血族」の中で最も大柄である一方、顔つきが人のそれではない。「翼の血族」の戦争のプロで、オルト・ゾラのことを「戦友」(とも)と呼ぶ。一方でオルト・ゾラからは「タラちゃん」と呼ばれ、その度「タラちゃんはよせ」と返すやりとりがお決まり。アルテマティアの指示によりオルト・ゾラと共に銀装兵団を襲撃。上空から突撃を行った際にラグナの迎撃を受け、そのままラグナと交戦する。 「成りかけ」の期間が1年しかないオルト・ゾラより位階が上だが、「成りかけ」から「成竜」になるまで20年かかった。血族としての資質がないことを自覚しているが、人のころから行ってきた武術の鍛錬を継続する努力家。また武人気質でラグナとの対決開始時に名前を尋ね、同じく才能なき武を持つラグナの強さに敬意を表している。 竜形時は2本の腕とは別に、4本の砲身のような肢を背面に持つ。さらにラグナの斬撃が通らない程の頑丈な体になる。その鍛えた武術での肉弾戦の他に、腕と前述の肢を合体させ竜形ならではの技を繰り出す。 血族になる前の、人としての名前は「アーノルド」でラクーシャ姫に仕えていた。また「成りかけ」時は脚が6本あった。 オルト・ゾラ 「第六位階」で竜名は「狂操竜」(きょうそうりゅう)。人間形態時はメガネをかけ長髪で一見女性に見える。しかし実は男性で、いわゆるオネエ。「翼の血族」では軍の管理と統率を担っている。タラテクトラと同様、戦争のプロ。 薬物生成の魔法を敵に毒として使用するだけではなく、自軍の竜に対しての強化薬として使用しその戦闘能力を高めさせ、催眠効果で完全に制御・統率を行う。オルト・ゾラが指揮をした竜の軍勢は、実際の数の5倍相当の戦力を持つと評される。また、この他に自身の血液を介して視覚器官を増やす能力も持ち、戦況を正確に把握する。 洞察力と推理力が優れている。銀装兵団との戦いで指揮官として参戦した際、兵団内に王都を爆破した犯人(クリムゾン)がいることを察知。また兵略にも長けているが、目的のために手段を選ばない。銀装兵団との戦いでは竜だけではなく、催眠状態に陥れた一般人や人間の子供に攻め込ませ、兵団の士気に揺さぶりをかけた。 人間のころはタラテクトラと同様ラクーシャ姫に仕えており、「若手一の知恵者」と称されていた。 ネビュリム 現代では「第七位階」で、結界魔法の使い手。人間形態時は黒髪の少年の姿で、竜形では黒い竜になる。ウォルテカムイですら存在した「成りかけ」の期間を、一切経ることがないまま成者になったため、その資質はウォルテカムイ以上と思われている。 ラグナと同様やや内向的な性格で、人混みに酔って嘔吐したこともある。アルテマティアを慕っており、彼女を守るためであれば死も覚悟する程。同時にウォルテカムイに憧れている。 王都では霧散結界を使い、市民を人知れず殺害していた。ラグナとアルテマティアの戦いでは拘束結界や守護結界・改などでアルテマティアを守ろうとしたが失敗し、ラグナからアルテマティアへの攻撃を許してしまった。この時の強い悔恨が引き金となり、才能の一部が開花。一人称が「僕」から「オレ」に変化し、十代半ばの青年の姿に変わった。これ以降、ラグナ達に対しては強い殺意を持つ。 未来のラグナと遭遇時は「第四位階」で、竜名は「結界竜」。現代での初登場時よりも成長した姿になっている。 メルグブデ 「第八位階」。未来のラグナと遭遇した際の竜名は「肥満竜」。その竜名の通り、作中では肥満体の男性の姿をしている。人間形態、竜形共に頭部だけではなく、腹部にも口がついている。竜形では手足がそれぞれ4本、1対の翼が生えている。 食通であり竜の神の好みを理解する目的で、人間のコックに人間が食べる料理を作らせた。しかしメルグブデにとっては人間そのものの味の方が好みであるため、作られた料理を試食後、そのままコックを捕食してしまう。 「蠢く木陰」を使い、グリュムウェルテ撃破後のロナベーラに侵攻。しかしラグナに銀気闘法で応戦され、顔面を破壊される。竜形に変身後はラグナが投げた銀気を飲み込んでしまい、内部から爆発した。 名前の由来は「デブ」と「グルメ」を足して、逆さに読んだもの。雑誌掲載時は「第七位階」だが単行本では修正された。単行本1巻では本編で見られなかった痩せた姿が、「結果にコミットしたメルグブデ」という説明文と共に描かれている。 ドルニーア 「第九位階」で竜名は「剣山竜」。「〜ヨ」という語尾が特徴。レオが殺害された8年後の未来では生存しているが、歴史が改変された現代では3月8日時点で銀装兵団との戦いに敗れ、既に死亡している。 グリュムウェルテ 「第十位階」。未来のラグナと再会した際、竜名が「黒魔竜」(こくまりゅう)であることが判明している。人の姿の時の見た目は屈強な中年男性で、自身の血から炎や、黒く鋭利な触手を複数本作り出し攻撃してくる。竜の神からレーゼ王国を滅ぼすことを指示された際、アルテマティアの命令によりロナベーラを襲撃。 改変される前の歴史ではロナベーラを陥落し、ラグナを庇ったレオを殺害する。しかし改変される歴史では銀気闘法で迫ってくるラグナに畏怖し、竜形に変身した直後にラグナに凍らされ破壊された。 竜形は単行本1巻の表紙にも描かれている。なお本編とは関係がないが、プライベートでは全裸派。 バロム・シュエラ 「第十三位階」。竜形時の鱗は鋼鉄より硬い。ロナベーラ近くの廃村で人々を襲っている最中に、ラグナの銀気創剣で投げられた銀剣を喰らい死亡。 未来のラグナと遭遇した際は「第十一位階」で竜名は「百足竜」(ムカデりゅう)。 ウルシュガウルン 4本の腕とライオンの雄のような立て髪を持つ「十三位階」。「溶解魔法」を使用する。成者になるために冷静さの必要性を認識しているが、実際は要所要所の場面で勢いに任せた手段を取っている。 シャンティオラス 未来のラグナと遭遇時は「第十二位階」で、竜名はない。若い男性の姿をしている。現代では未登場。 プラチナティアラ号 アルテマティアの成竜で、四足歩行をし背中に翼が生えている。翼からは魔力弾を放ち、時操魔法の1つである「時間の静止」を使用し、6秒ほど時間を止めることができる。ただしこの「時間の静止」は、再度使用するまでに最低で7秒の時間を要する。 銀装兵団との戦いでは「時間の静止」を使用した後の隙を、同伴しているネビュリムの成竜が使用する守護結界で対策していた。アイザックが防衛している基地に地下から侵入。「時間の静止」を行い、その最中に魔力弾で攻撃することでアイザックの部隊を圧倒する。 成竜の中では最強クラスの存在であるが、アルテマティアの成竜としてはこの1体のみ。また時操魔法の1つである「時間の巻き戻し」と、魔法の影響を受ける対象の選別もできない。なお、名付け親はオルト・ゾラ。
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レーゼ王国内にいる竜の血族。血主および王はアルテマティア。神の命令によりレーゼ滅亡を試みる。
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