源氏物語60巻説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/19 01:10 UTC 版)
源氏物語60巻説(げんじものがたりろくじっかんせつ)または源氏物語60帖説(げんじものがたりろくじゅうじょうせつ)とは、「源氏物語が全部で60巻から構成される。」とする説である。
- 1 源氏物語60巻説とは
- 2 源氏物語60巻説の概要
源氏物語60巻説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:57 UTC 版)
詳細は「源氏物語60巻説」を参照 『無名草子』や『今鏡』『源氏一品経』『光源氏物語本事』のように、古い時代の資料に『源氏物語』を60巻であるとする文献がいくつか存在する。一般的には、この60巻という数字は仏教経典の天台60巻になぞらえた抽象的な巻数であると考えられているが、この推測はあくまで「60巻という数字が事実でなかった場合、なぜ(あるいはどこから)60巻という数字が出てきたのか」の説明にすぎず、60巻という数字が事実でないという根拠が存在するわけではない。 この「『源氏物語』が全部で60巻からなる」という伝承は、「源氏物語は実は60帖からなり、一般に流布している54帖のほかに秘伝として伝えられ、許された者のみが読むことができる6帖が存在する」といった形で一部の古注釈に伝えられた。源氏物語の注釈書においても、一般的な注釈を記した『水原抄』に対して秘伝を記した『原中最秘抄』が別に存在するなど、この時代にはこのようなことはよくあることであったため、「源氏物語本文そのものについてもそのようなことがあったのだろう」と考えられたらしく、秘伝としての源氏物語60巻説は広く普及することになり、のちに多くの影響を与えた。たとえば、『源氏物語』の代表的な補作である『雲隠六帖』が6巻からなるのも、もとからあった54帖にこの6帖を加えて全60巻になるようにするためだと考えられており、江戸時代の代表的な『源氏物語』の刊本をみても、 『絵入源氏物語』は『源氏物語』本文54冊に、「源氏目案」3冊、「引歌」1冊、「系図」1冊、「山路露」1冊を加えて 『源氏物語湖月抄』は「若菜」上下と「雲隠」をともに数に入れた源氏物語本文55冊に「系図」「年立」などからなる「首巻」5冊を加えて いずれも全60冊になる形で出版されている。
※この「源氏物語60巻説」の解説は、「源氏物語」の解説の一部です。
「源氏物語60巻説」を含む「源氏物語」の記事については、「源氏物語」の概要を参照ください。
- 源氏物語60巻説のページへのリンク