柳沢家とその周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 08:34 UTC 版)
「天才柳沢教授の生活」の記事における「柳沢家とその周辺」の解説
柳沢良則(やなぎさわ よしのり) 本作の主人公。Y大学経済学部教授。妻の正子とはお見合い結婚。四人の娘を持つ。 外見は、眼球が見えない程の糸目が特徴で、就寝時以外はほぼネクタイ姿である。一見杓子定規で表情に乏しく、理路整然とした口調から人情味を感じられないが、実は非常に愛情、感情豊かであり、物事に対する偏見も少ない柔和な性格である。 幼少時代から類稀な才能を持ち、あらゆる分野の知識と高い理解力を持っていたが、人の感情に興味を持つことがない冷めた子供だった。しかし終戦直後の経験から人の心にも強い興味を持ち始める。父、柳沢康則は英文学者。 マナーやルールを遵守しており、人道を外す不正行為は語調は変えないまでも憤慨を示すことも珍しくなく、脅迫や暴力には一切屈しない。 また、非常に折り目正しい生活サイクルを持ち、毎朝5:30起床、夜は21:00になると例えそこが騒がしいディスコでも眠りに落ちる。また横断歩道以外は絶対に渡らない、歩行は右側、自転車は左側通行厳守、道は直角に曲がる、たとえ相手がヤクザでも迷惑な行為をしていたらためらいなく注意をする、などの特徴がある。 年齢を問わず、知的探究心に富んでいる。「経済というものは人と人が交流する事で成り立っている」という考えから、見知らぬ相手でも躊躇なくコミュニケーションを試みるため、人脈は非常に広い(女子高生・ヤクザ・マフィア・ハリウッド俳優・外国人歌手など)。略歴から海軍士官学校卒業のため、その同期との繋がりもある(学会はもとより、政財界など)。 専門である経済学以外でも非常に博識である。中でも語学に堪能で、英語(基本はキングズイングリッシュ、アイダホ訛りなどの変化を加える事もできる)、フランス語(学生時代に習っていたエピソードがある)、ドイツ語(ドイツ人のピアノ演奏家の通訳をしたことがある)やイタリア語(イタリアンマフィアの旧友と話すエピソードあり)、モンゴル語(モンゴル旅行の際に普通に話していた)などを自在に操れる。 若い頃は美青年、現在はダンディな初老として描かれており女性から好意を持たれることが少なくない。浮気沙汰こそないが、娘たちが幼い頃は自宅が騒々しいため、勉強の場としていた近所の喫茶店のウェイトレスの女性とお互いに好意を寄せ合ったという過去がある(後に彼女とは再会を果たし「歳を取るのも悪くない」と語り合った)。 モデルである作者の父親が、前立腺癌のため亡くなったことが作者のウェブサイトにより明らかになった(山下プロ日記より)。実際に軍隊生活においても定時に就寝するなど、その独特なエピソードから戦記ものなどにも名前が出てくるという(「天才柳沢教授の癒セラピィ」)。 柳沢正子(やなぎさわ まさこ) 良則の妻。旧姓は鷲田(良則のモデルとなった古瀬大六の母の旧姓と同じ)。 家庭料理が得意で、家族やご近所付き合い、日々の節約に心を配るごく一般的な専業主婦である。 夫が孫や飼い猫の扱いに戸惑うシーンでは、四人の娘を育てあげた母親としての長年の豊かな経験値でスムーズにフォローしたり、反面、自分が行き詰った時は夫の柔軟な思考回路によって救われたりとトータルではバランスの良い夫婦である。しかし夫のように理路整然と思考する習慣は持ち合わせないため、感情的に反発することも少なからずある。 結婚当初、薄給時代に関わらず夫が大量に購入する書籍代が家計を圧迫するため、自宅菜園や節約を余儀なくされて非常に質素な経済観念が定着しており、たまに夫や同居の四女との衝突のタネとなっている。 良家の子女であったが、彼女が良則に嫁ぐ以前に没落してしまった。姉が資産家に嫁いでいたため、住むところに困らなかったが、良家出身なわりに節約家なのは、没落した過去があったため。ピアノが得意で、結婚後も子供が幼い頃までは良く弾いており、良則にとってもピアノについては、「大切な思い出」になっている。 村田いつ子(むらた いつこ) 柳沢家の次女。既婚。夫は漫画編集者。息子が一人。国立大出身。 山口奈津子(やまぐち なつこ) 柳沢家の長女。既婚。登場時はイケイケな言動やファッションで描かれていたが、徐々に緩和されている。小太りで温和な夫と、娘の華子と三人暮らし。 三津子(みつこ) 柳沢家の三女。既婚。漫画家である夫の担当編集者は、いつ子の夫である。 柳沢世津子(やなぎさわ せつこ) 柳沢家の四女。父親が教鞭をとるY大の現役学生。四姉妹の中で唯一未婚であり、両親と共に実家暮らしである。多少風変わりな父親に反発することも多々あるが、基本的には尊敬し慕っている。 彼氏であるヒロミツとロックバンドを組んでおり、ボーカルを担当している。父親の影響からか世の中の不条理を容認出来ない、マナーやルールを尊重する面を持つ。 頻繁に遊びに来る華子と、主に父親絡みで子どもっぽいケンカをすることもしばしば。祖父を慕って無邪気に後ろを付いていく華子に幼い頃の自分を重ねている。 恩田ヒロミツ(おんだ ヒロミツ) Y大学経済学部の学生。世津子の彼氏。 サークルでバンドを組んでおり、かなり特徴的なパンキッシュな外見である。地方出身であり、大学入学時は垢ぬけない容貌だったらしい。 性格は優しいが優柔不断な所が欠点であり、世津子には尻にしかれ、故郷で農業を営む母親には頭が上がらない。 世津子と付き合っていることを良則に伝えようと何度も試みては失敗した過去を持つ。その際、言葉が足らずに、良則に「養子にしてほしい」「(良則が)好きです」などと言って誤解を与えた。現在は、良則にも「教え子であり娘の恋人」として認識されているようで、頻繁に柳沢家に出入りして夕食を共にしたり華子の面倒もよくみて懐かれている。 その容貌からは意外であるが、一人暮らしのため実に手際よく自炊が出来、世津子を驚嘆せしめている。 山口華子(やまぐち はなこ) 奈津子の娘で良則の孫。現在幼稚園に通う幼児。 祖父である良則を非常に尊敬、慕っており、仕草、習慣、好みなど同じように振舞いたく日々奮闘している。 村田まもる(むらた まもる) いつ子の息子で良則の孫。現在、小学1年生。 いつ子からは他の子よりも勉強が出来ない彼に焦りを抱かれていているが、良則は探究心旺盛な彼の個性を尊重し、のびのびと成長させたいと思っており、いつ子もそんな息子を見守るようになった。
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