日本の軍艦旗・自衛艦旗とは? わかりやすく解説

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日本の軍艦旗・自衛艦旗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:13 UTC 版)

軍艦旗」の記事における「日本の軍艦旗・自衛艦旗」の解説

詳細は「旭日旗」および「軍旗#大日本帝国陸軍」を参照 日本艦尾掲揚する旗については、江戸幕府幕府海軍導入した洋式船の「惣船印」として日の丸制定していた。明治維新後の日本海軍でも、1870年10月27日明治3年10月3日制定の「海軍御旗国旗章並諸旗章ヲ定ム(明治3年太政官布告651号)」において、艦尾用の「海軍御国旗」及び船首旗章として白布日章定められ商船同じく幕末以来単純な日の丸使用していた。 1889年明治22年10月7日海軍旗章条例により帝国海軍軍艦旗として十六旭日旗意匠とする旗が定められた(大日本帝国海軍の旗章参照)。なお、旭日旗十六旭日旗自体軍艦旗制定から遡ること19年前の1870年6月13日明治3年5月15日)、帝国陸軍太政官布告355号において「陸軍御国旗1879年明治12年)、「軍旗」に改称)」として、日本史初めてこれを考案し定めていたものである。そのため帝国海軍軍艦旗は、その遥か以前考案制定されていた帝国陸軍軍旗陸軍御国旗)を模倣したものにすぎない旭日旗参照)。しかしながら帝国陸軍軍旗そのままコピーするではなく旭日日章位置中央の軍旗に対して軍艦旗旗竿側に寄るものとした。以降十六旭日旗日本の軍艦旗として用いられたが、第二次世界大戦太平洋戦争当時呼称大東亜戦争)の敗戦による海軍解体に伴い廃用となったその後海上保安庁隷下海上警備隊経て1952年8月保安庁警備隊発足したこれに伴い掃海船伴った海上保安庁航路啓開部門警備隊移管され、警備隊初め船舶保有することとなったが、この船舶掲げる旗が必要になった。時間的な余裕乏しかったことから、当初国際信号旗数字「7」代用していたが、後に隊内から募集した図案をもとに、中央赤色桜花配し、地は青色横縞7本及び同幅白色横縞9本を描いた警備隊旗」が制定された。 その後1953年昭和28年後半になると自衛隊創設機運高まっており、11月ごろから、従来組織編成旗章服装など見直されるようになっていた。警備隊旗は海上での視認性問題があったこともあって、警備隊でもこれに代わる新し旗章制定検討しており、部隊では旧軍艦旗を支持する意見強かった第二幕監部では、四囲情勢はこれを許す状況にないのではないかとして、二の足を踏んでいたが、次の方針新し旗章考案することとなった直線的単色なもので一目瞭然すっきりした形のものであること。 一見して士気昂揚し、海上部隊象徴する十分なのであること。 海上において視認の利くものであること。海の色紛らわし色彩避けて、赤又は白を用いた明色が望ましい。 当時第一幕僚監部(後の陸上幕僚監部)でも隊旗研究行っていたが、同幕僚監部では東京芸術大学指導受けていたことから、第二幕監部でも第一幕僚監部通じて同大学の意見聞いたところ、「部隊の旗としては、旧海軍軍艦旗最上のものであった国旗との関連色彩の単純鮮明海の色との調和士気昂揚等、すべての条件満たしている」との回答があった。また、米内光政海軍大将親戚に当たる画家米内穂豊に、旭光主体とする新し自衛艦旗の図案依頼したところ、「旧海軍軍艦旗黄金分割によるその形状日章大きさ位置光線配合など実に素晴らしいもので、これ以上図案考えようがない。それで、旧軍艦旗そのまま寸法1枚書き上げたお気に召さなければご辞退致します画家としての良心許しませんので」との申し出をうけた。 1954年昭和29年6月上旬保安庁旗章制定審議開かれた旧海軍同一の旗を用いか否か議論集中したが、最終的に原案支持との結論達した6月9日第5次吉田内閣閣議正式に決定され自衛隊法施行令昭和29年政令179号)により帝国海軍と同じ規格の「自衛艦旗」が制定された。制定にあたり吉田茂首相は「世界中でこの旗を知らない国はない。どこの海にあって日本の艦(ふね)であることが一目瞭然誠に結構だ。旧海軍良い伝統受け継いで海国日本護りをしっかりやってもらいたい」と述べた自衛艦旗は引渡式に続いて行われる自衛艦旗授与式により内閣総理大臣から交付され除籍又は支援船区分変更される際に返納されることとなっている。自衛艦旗授与式では儀礼曲『海のさきもり』が演奏される日本の軍艦旗は、このように日本陸軍旗(連隊旗)と同様に考えられている側面もあるが、陸上部隊指揮官司令部(特に連隊長連隊本部)の所在地を示す軍旗とは異なり国際法上船舶の国籍表示する機能が重要であることから扱い異なっていた。日本陸軍軍旗連隊象徴として編成時に陸海軍大元帥たる天皇から親授されるものであったため、再交付原則として行われなかった。そのため損傷した褪色しても修理や再染色をしないことが多いどころか、むしろ酷く損傷していればいるほど、数多激戦経験して積み上げてきた確固たる伝統の証として、内外ともに広く認証及び珍重されていた。そのため連隊旗は房だけになり、旗自体識別が困難で標識体裁をなしていないものも珍しくなかった。これに対して軍艦旗常時日光潮風晒されるため劣化早く、あくまで消耗品として割り切られており、艦内には常に複数予備積み込まれていた(破損した軍艦旗軍需部で交換された)。これは常に鮮明な旗を掲げることで、海上でも不備な国籍確認が行われることが重視されていたからである。しかしながらシンボルとして軍艦旗連隊旗ではなくとも尊崇される存在であり、艦艇総員退艦・沈没時には軍艦旗降下経て回収することが求められていた(「瑞鶴」等)。 日本海軍では、長期出動補充出来なくなった場合補修生地アルパカ)で信号員が縫製した。この作業のため、信号兵は航海学校教程で、軍艦旗および信号旗等の制作補修教練受けていた。さらに高速動き回る駆逐艦潜航浮上繰り返す潜水艦の場合は特に消耗激しいため、降雨時は手製軍艦旗代用することもあった。通常軍艦旗管理は、国旗信号旗と共に信号部が担当。公式使用時のみ、御写真棒持とともに内務科が担当する軍艦旗には6種類一幅半二幅三幅四幅、六幅、八幅。一幅36cm)あり、艦種式典によって掲揚する大きさ指定されていた。 帝国海軍軍艦旗使用区分種類使用区分一幅半二幅短艇内火艇、小艦艇。小艦艇においては通常の航海用、戦闘旗にも使用三幅駆逐艦潜水艦海防艦用。通常の航海用、または戦闘旗として、戦艦巡洋艦使用四幅巡洋艦用。通常の航海用、または戦闘旗として戦艦使用また、艦艇の礼祭用。 六幅通常の戦艦用。または巡洋艦儀礼祝祭観艦式の公式用。 八幅戦艦儀礼祝祭観艦式の公式用。 なお帝国海軍の「戦闘旗」とは、各艦艇戦闘目的出動する時、後部マスト掲揚した軍艦旗を指す。 海上自衛隊艦首旗(首艦旗・国籍旗)も帝国海軍同じく日章旗日の丸)である。掲揚は港に停泊中に自衛艦旗が掲揚されている間には艦首に、航海中は指揮官国籍表示する必要がある認めた場合のみメインマスト掲揚する。また国旗内閣総理大臣旗等又は指揮官旗とを併揚する際には、国旗右舷掲揚する陸上自衛隊自衛隊旗(八条旭日旗)と違い海上自衛隊自衛艦旗は国際慣習上「国旗」と同様の扱いがされるため、式典等で観閲台の前を通る際は観閲官観閲官指揮官旗含む)は自衛艦に対して敬礼行い毎日掲揚降下する自衛艦旗であるため、日本の国旗は『艦首旗』『日章旗』『日の丸』と呼んで区別することが多い。なお主艦船部隊以外の部隊総監部航空基地など)は陸空と同じく国旗掲揚しており、単に『国旗』と称している。 海上自衛隊自衛艦旗(旧日本海軍軍艦旗) ? 警備隊旗 信号檣頭掲げられ軍艦旗戦闘旗battle ensign)として用いられる 観兵式使用される軍艦旗 さわゆき艦尾掲揚される自衛艦旗 しらせ艦尾掲揚される自衛艦停泊中のあぶくま艦首掲揚される艦首旗 潜水艦写真艦艇海上自衛隊そうりゅう型潜水艦はくりゅう」。 エアクッション艇1号型船体塗装され自衛艦自衛艦旗の様式項目定義縦横比2:3 日章の直径縦の2分の1 日章中心位置旗の中心から左辺6分の1寄ったところ 光線の幅・間隔日章中心から114分の1度(11.25度)に開いた広さ 生地麻又はナイロン 彩色地は白色で、日章及び光線紅色

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