引渡し
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引渡し(ひきわたし)とは、占有者の意思に基づく占有移転を言う。すなわち、現在自分の占有している物又は人を、他人の占有下に移転させることをいう。以下、日本法における引渡しについて記述する。
- 民法について以下では、条数のみ記載する。
物の引渡し
民法により、物の引渡しの具体的な方法としては、次の4つが規定されている。
- 現実の引渡し(182条1項)
- 譲渡人が占有している物の占有を譲受人又は代理人に移転する、典型的な引渡し。
- 簡易の引渡し(同条2項)
- 譲受人又はその代理人が占有物を所持する場合に、当事者の意思表示のみによってする引渡し。
- 指図による占有移転(184条)
- 占有改定(183条)
これらの規定は不動産・動産ともに適用されるが、動産の場合は、物権の譲渡の対抗要件となること(178条)、即時取得の要件となること(192条)などから、法律上重要な意味を持つ。 特別法により物権の譲渡の対抗要件としての引渡しがあったものとされるものとして、動産譲渡登記がある。
人の引渡し
引渡しの対象が人の身柄の場合は、対象者の人権に配慮することが必要となる。
「引渡」の例文・使い方・用例・文例
- 工事完成基準とは、工事契約に関して、工事が完成し目的物の引渡しを行った時点で、工事収益及び工事原価を認識する方法である。
- 「実質月替わり商い」とは株券の引渡しと購入代金の支払いが翌月実行されることを意味します。
- 当社はあの会社と商品引渡契約を締結した。
- 商品のお引渡しの際に古い製品を引き取ることも可能です。
- 遺骸は遺族に引渡された
- 亡命者を本国官憲に引渡す
- 亡命者引渡し
- 死骸を遺族に引渡した
- 浮虜引渡し
- 捕虜引渡し
- 事務を引渡す
- 暴漢を警察へ引渡した
- 合法の留置への主犯の引渡し
- 運送業者によって出荷される商品の領収書を受け取ったことを知らせ、引渡条件を指定する荷主に与えられる領収書
- 指名手配犯を記載し、彼または彼女が引渡しの目的で逮捕されるよう求めている国際刑事警察機構の通知
- 現金取引市場で取引される、商品の現在の引渡価格
- 波止場渡しという,貨物の引渡しを波止場で終了するという契約
- 売買の貨物を売主が本船に積み込んだ時に,買主引渡すことになる貿易の条件
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