日本の軍票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 16:39 UTC 版)
日本においては、西南戦争の際に西郷隆盛が使用した西郷札が軍票の最初であるとされ、その後日清戦争や日露戦争、第一次世界大戦(青島攻略戦)などの対外戦争で日本政府が占領地で発行しており、日中戦争や太平洋戦争(大東亜戦争)では中国および東南アジアの占領地各地で現地通貨建てのものが使用された。また戦後アメリカ軍の占領下に置かれた沖縄、奄美で使用されたB円もアメリカ軍が発行した軍票の一種である。 軍票は、臨時軍事費特別会計の執行として軍票の発行体から資金を借り受けて現地で使用され、あるいは兵士・軍属の月俸として使用されたり、民間企業の決済用資金として貸し出されたりするものであったが、すべては臨軍特会を媒介にした清算処理が必要であり、太平洋戦争のように広範囲で多種多様な軍票が使用されたさいには軍票間の、あるいは日本銀行券と軍票間での決済処理は非常に困難を極めた。また戦争の長期化により現地物資の枯渇によるインフレ、およびそれに対処するための臨軍特会の膨張、および軍票の大量流通が、さらなるインフレーションなどの経済的混乱を招く結果となった。 中国戦線で使用した日本円以外にもペソやグルデンなどのさまざまな通貨単位の軍用手票が各占領地で発行された。発行者は政府名義になっているものが多いが、中には南方開発金庫などの日本が設立した現地金融機関が発行した場合もあった。また、対ソ戦を想定しルーブル表示の軍票も試作されたが、実際に使われることは無かった。
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