大熊座とは? わかりやすく解説

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おおぐま‐ざ〔おほぐま‐〕【大熊座】

読み方:おおぐまざ

北天にほぼ一年中見え星座5月上旬午後8時ごろ南中する北斗七星含み、そのα(アルファ)星とβ(ベータ)星を結ぶ線の延長北極星がある。学名 (ラテン)Ursa Major

大熊座の画像

おおぐま座

分類:星座/神話


名称:おおぐま座(大熊座)
学名:Ursa Major
小分類:北半球
構成する主な星雲星団恒星:M97(NGC3587)「ふくろう星雲」=惑星星雲/M81(NGC3031)/M82(NGC3034)/ドゥベー(アルファ星)/メラク(ベータ星)/ファド(ガンマ星)/メグレス(デルタ星)/アルコルミザール(見かけ上の2重星)
神話主な登場人物:ゼウス(ジュピターユピテル)/カリスト/アルテミス/ヘラ(ゼウスの妻)/アルカス
日本観測できる時期:一年中
見ごろ季節:一年中

おおぐま座は、一年中沈まずに北の空を回る「周極星」です。明る7つの星が柄杓(ひしゃく)の形に並ぶので、西洋では「大柄(Big Dipper)」、中国・日本でも「北斗七星」として最も古くから親しまれきました北極星を見つける「指極星」としても役立ちます

1.見つけ方ポイント
北極星はさんでカシオペア座のほぼ反対側にある星座で、一年中北の空に見えます7つの2〜3等星が、柄杓の形に並んでます。

2.神話内容について
アルカディア王の娘カリストは、狩り途中ゼウス見初められ、アルカスという男の子産みます。しかしゼウスの妻ヘラ嫉妬にあい、醜い大熊に姿を変えられしまいました10数年後成長したアルカスは、カリスト再会しますが、母親とは気付かず、矢で射殺そうとします哀れに思ったゼウスは、この母子大熊小熊の姿に変えて天に上げ星座の列に加えました

3.同じ時期見え星座について
こぐま座/やまねこ座/りゅう座/りょうけん座/ケフェウス座/カシオペア座/うしかい座


おおぐま座

(大熊座 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/16 22:02 UTC 版)

おおぐま座
Ursa Major
属格 Ursae Majoris
略符 UMa
発音 [ˈɜrsə ˈmeɪdʒər]、属格/ˌɜrsiː məˈdʒɒrɨs/
象徴 the Great Bear
概略位置:赤経 10.67
概略位置:赤緯 +55.38
正中 4月20日21時
広さ 1280平方度[1]3位
主要恒星数 7, 20
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
93
系外惑星が確認されている恒星数 9
3.0等より明るい恒星数 6
10パーセク以内にある恒星数 12
最輝星 ε UMa(1.77
最も近い星 ラランド21185;(8.29光年)
メシエ天体 7
流星群 Alpha Ursa Majorids
Leonids-Ursids
隣接する星座 りゅう座
きりん座
やまねこ座
こじし座
しし座
かみのけ座
りょうけん座
うしかい座
テンプレートを表示
NGC 2857

おおぐま座(おおぐまざ、大熊座、Ursa Major)は、北天の星座で、トレミーの48星座の1つ。

おおぐま座の一部としては腰から尻尾にあたる7つの星は、日本では北斗七星と呼ばれ、さまざまな文明でひしゃくやスプーンに見立てられた。β星とα星の間隔を約5倍すると、だいたいポラリス(現在の北極星)の位置になることから、世界的に旅人や航海者にもよく使われた。

また、ミザール(ζ星)とアルコル(g星)の二重星は、アルコルとミザールの見かけの位置が近かったため、13世紀以前のアラビアでは視力検査に使われていた[2][3]

主な天体

恒星

6つの2等星があるが[4][5][6][7][8][9]、全て北斗七星に集中しているのも特色で、熊の胴体を構成する星は、全て3等星以下となっている。以下の北斗七星の7星のうち、δ星以外は全て2等星である。

北斗七星以外にも国際天文学連合が固有名を定めた恒星も多い。

その他有名な恒星としては以下の星がある。

星団・星雲・銀河

これら3つの天体は、小型望遠鏡でも見ることができる。

  • M101(回転花火銀河):渦巻銀河。η星の北西にある美しい銀河である。
  • Arp 148:2つの銀河が衝突してできたとされる銀河[16]。発見者の名前から「メイオール天体」とも呼ばれる。

この星座は銀緯が高いため、我々の銀河系の恒星や星間物質に邪魔されることが少なく、多くの銀河を見ることができる。10等より暗い銀河が50個ある。

その他

神話

星図カード集『ウラニアの鏡』(1824年)に描かれたおおぐま座

女神ヘーラーまたはアルテミスによって熊に姿を変えられたカリストーの話がよく知られている。エラトステネース星座論』やオウィディウスの『変身物語』中では以下のエピソードが語られている。

カリストーは、アルカディアリュカーオーンの娘で、アルテミスの従者として処女を誓い、狩りに明け暮れる生活をしていた[17][18]。ある日、木立の陰で身を休めているところをゼウスに見初められ、ゼウスはアルテミスの姿を借りてカリストーに近づいた[17]。驚いた彼女にゼウスは真の姿を現わし、彼女の抵抗をものともせず思いを遂げた[17]。彼女は男と交わったことがアルテミスに知れるのを恐れてこのことを隠していたが、数ヶ月経ったある暑い日、狩りの最中にアルテミス達と沐浴をすることとなった[17][18]。渋々衣服を脱いだカリストーだったが、結局ゼウスの子どもを身ごもっていることが知られた[17][18]。誓いを破られたことを知ったアルテミスは憤慨し、彼女を放逐した[17]、もしくはこの時点で熊に変えられた[18]

オウィディウスによればその後、カリストーが息子アルカスを産んだ際に、そのことがゼウスの妃ヘーラーに知られる[17]。嫉妬と怒りに狂ったヘーラーが掛けた呪いにより、カリストーの真っ白な腕は黒い毛皮で覆われ、両手は湾曲して鉤爪が伸びて獣の前肢となり、ゼウスがとりわけ愛でた口元は巨大な獣の顎となって喉からは言葉の替わりにおぞましい唸り声しか出せないようにされた[17]。彼女はもとの美しい容姿とは似ても似つかぬ、の姿に変えられた[17]

15年後、森を徘徊していたカリストーは、立派に成長したアルカスと出くわす[17]。カリストーは息子であることに気づき抱きしめようと近づいたが、それが実母であるとは知らないアルカスは後ずさりし、彼女を槍で突こうとした[17]。これを見たゼウスは、旋風を起こして2人を天に上げ、カリストーをおおぐま座に、アルカスをうしかい座へと変えた[17][19][20][注 1]。ヘーラーは、カリストーが星座に上げられたことでさらに怒り、海の神であるテーテュースオーケアノスに頼み、彼女が北の海に降りて休むことを許さず、ずっと沈むことがないようにしたという[17]。そのため、北半球の中緯度地域ではおおぐま座は周極星となり、地に沈むことはない[17]

エラトステネースは前述のとおり、カリストーを熊に変えたのはヘーラーではなくアルテミスであるとしている[21][18]。熊に姿を変えられてから数年後、アルカスならびにアルカディア人たちに追われたカリストーは、侵入した者には死の罰が与えられると定められたゼウスの神殿にそうとは知らずに逃げ込んだ[21][18]。それを哀れんだゼウスは家族のよしみで彼らを天に上げたという[21][18]

紀元前3世紀頃のギリシアの詩人アラートスは、著書『ファイノメナ(Phaenomena、現象)』で、ディクテー山ゼウスを育てたニュンペーヘリケー (Helike) の姿であるとする話を伝えている[22]。ヘリケーはキュノスーラとともに、ゼウスの父クロノスから匿ってゼウスを養育したことを称えられ、ヘリケーはおおぐま座に、キュノスーラはこぐま座になったとされる[22]。ただしエラトステネースではおおぐま座はあくまでカリストーで、こぐま座がキュノスーラであるとされている[18]

呼称と方言

第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)に刊行された『理科年表』第19冊までは清音で「おほくま」「こくま」と表記されていた[23]が、戦後の1947年(昭和22年)に刊行された第20冊からは濁音交じりの「おほぐま」「こぐま」と表記されるようになった[24]

脚注

注釈

  1. ^ 日本の文献では「こぐま座になった」とする話が多く見られる。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ Big Dipper” (英語). WFYI Public Media. 2023年6月15日閲覧。
  3. ^ Bohigian, George M. (2008-09). “An Ancient Eye Test—Using the Stars” (英語). Survey of Ophthalmology 53 (5): 536–539. doi:10.1016/j.survophthal.2008.06.009. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0039625708001197. 
  4. ^ "alp UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  5. ^ "bet UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  6. ^ "gam UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  7. ^ "eps UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  8. ^ "zet UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  9. ^ "eta UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、103-105頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2020年4月24日閲覧。
  12. ^ "del UMa". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月7日閲覧
  13. ^ ロバート・バーナム Jr. 著、斉田博 訳『星百科大事典』(初版)地人書館、1984年4月、393頁。 NCID BN00507540 
  14. ^ 大崎正次『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、300頁。ISBN 978-4639006473 
  15. ^ a b 太陽系外惑星に私たち提案の名前が命名されました”. 岡山アストロクラブ (2015年12月15日). 2015年12月19日閲覧。
  16. ^ 宇宙科学研究倶楽部 編『宇宙がまるごとわかる本』学研パブリッシング、2012年2月、57頁。ISBN 978-4054052604 
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n Ridpath, Ian. “Ursa Major”. Star Tales. 2022年11月7日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g h 伝エラトステネス『星座論』(1) おおぐま座・こぐま座”. 2022年8月31日閲覧。
  19. ^ Wolfgang Schadewaldt 著、河原忠彦 訳『星のギリシア神話』白水社、1988年9月10日、28頁。ISBN 4-560-01877-4 
  20. ^ 伝エラトステネス『星座論』(3) へびつかい座・さそり座・うしかい座”. 2022年8月31日閲覧。
  21. ^ a b c Ridpath, Ian. “Boötes”. Star Tales. 2022年11月7日閲覧。
  22. ^ a b 『グロティウスの星座図帳 : ゲルマニクス“アラトスのファイノメナ"の邦訳』千葉市立郷土博物館〈天文資料解説集〉、1999年3月、24頁。 NCID BA84126606 
  23. ^ 東京天文台 編『理科年表 第19冊丸善、1943年、B 21頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1244806 
  24. ^ 東京天文台 編『理科年表 第20冊丸善、1947年、天 24頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1124208 

関連項目

座標: 10.67h 00m 00s, +55.38° 00′ 00″


大熊座

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 11:04 UTC 版)

固有名詞

おおぐまざ

  1. おおぐま座


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