おおぐま座61番星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 09:45 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動おおぐま座61番星 61 Ursae Majoris | ||
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星座 | おおぐま座 | |
見かけの等級 (mv) | 5.31[1] (5.30 - 5.35)[2] | |
変光星型 | 疑わしい[2] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 11h 41m 03.0159358291s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | +34° 12′ 05.882438337″[3] | |
視線速度 (Rv) | -5.18 km/s[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -12.247 ミリ秒/年[3] 赤緯: -381.257 ミリ秒/年[3] | |
年周視差 (π) | 104.3904 ± 0.1287ミリ秒[3] (誤差0.1%) | |
距離 | 31.24 ± 0.04 光年[注 1] (9.58 ± 0.01 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | 5.4[注 2] | |
おおぐま座61番星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 0.86 R☉[4] | |
質量 | 0.91 M☉[4] | |
表面重力 | 33 G[4][注 3] | |
自転速度 | 2.4 km/s[4] | |
自転周期 | 16.06 日[5] | |
スペクトル分類 | G8 V[6] | |
光度 | 0.607 L☉[4] | |
表面温度 | 5,488 K[4] | |
色指数 (B-V) | 0.723[1] | |
色指数 (V-I) | 0.78[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.03[4] | |
年齢 | 1.185 ×109 年[7] | |
他のカタログでの名称 | ||
BD+35 2270, FK5 1300, GJ 434, HD 101501, HIP 56997, HR 4496, LTT 13200, NSV 5291, SAO 62655[3] | ||
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おおぐま座61番星(おおぐまざ61ばんせい、61 Ursae Majoris、61 UMa)は、おおぐま座にあるG型主系列星である。太陽と似た特徴を持つが、太陽と比べて、大きさはやや小さく、光度もやや低い。見かけの等級は5.3で、肉眼で何とかみえる程度の明るさである。1943年に、MKスペクトル分類におけるG8 V型の標準星としてとり上げられて以降、1次的な標準星の一つとして利用され続けている[8]。
特徴
太陽 | おおぐま座61番星 |
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おおぐま座61番星は、写真測光で明るさが変化していると報告されたことがある[9]。しかし、同時期に報告された光電測光の結果では、明るさの変化はみられなかった[10]。少ない観測回数で変光が検出されないことや、おおぐま座61番星のスペクトル型からして、本当に変光しているのであれば、食連星の可能性が高いとみられるが、分光観測による視線速度の変化はみられず、最近の研究でも伴天体は発見されていないため、変光星かどうか疑わしい[11][7]。変光星総合カタログにおいても、新しい変光星候補に止まっている[2]。
おおぐま座61番星の自転周期は、様々に見積もられているが、複数の指標による推定を照合させることで、差動回転していることが明らかになっている[5]。
おおぐま座61番星は、太陽からの距離が約31光年と、太陽系の近傍にある太陽と似た恒星のため、TPF計画(2011年に中止[12])で優先度の高い目標の一つとして挙げられていた[13]。また、同様の理由により、恒星の周りに小惑星帯に類する塵などがないか、赤外線での観測によって調べられているが、赤外超過は検出されていない[14]。
おおぐま座61番星の空間速度は、(U, V, W) = (8, -16, -4) km/sと推定され、銀河系内を、銀河中心からの平均距離26,100光年、離心率0.07という軌道で回転している[15]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
11h 41m 03.0159358291s, +34° 12′ 05.882438337″
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