居住可能な天体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:04 UTC 版)
ノウンスペースの世界で面白く興味深い点は、人類が入植した天体の多くが、人間にとって必ずしも適している環境ではない、ということである。これらの天体はロボット探査機によって居住可能と判定されたのだが、その判断プログラムのミスが原因だった。それは居住可能な『天体』を発見するものではなく、居住可能な『地点』を発見するものでしかなかったのである。ゆえに探査機の後をコールドスリープ船で追った人類は、苛酷な環境に立ち向かわねばならなくなった。 ダウン グロッグ(上記参照)の母星。この惑星はグロッグが人類の脅威となった場合に備えて、グロッグを全滅させるべく軌道上にバサード式ラムジェットの宇宙船を周回させてあることで知られる。 ファフニール 人類-クジン戦争の際、人類が捕獲されたクジン人の入植地。ほとんどが水に覆われている。 惑星船団 五つの惑星からなるパペッティア人(上記)の母星。現在は銀河系の中心核の爆発からの放射線による破滅から逃れるため、編隊を組み亜光速で銀河系から脱出するために移動中である。 ホーム星 インディアン座イプシロン星の惑星で、地球から最も遠い入植地だった。パク人との戦争で大量殺戮が行われ、のちに再入植された。 ジンクス星 シリウスを巡る巨大ガス惑星の衛星。1.78Gという高重力のため、住民は『ノウンスペース最強の2足歩行生物』と呼ばれる。潮汐力により惑星に対して常に同じ面を向け、かつ卵形に引き伸ばされている。「東極」と「西極」は真空中に突き出しており、その中間線付近は金星と同じような状態になっている。そこにはバンダースナッチも生息している。この両極端な地域の間に帯状の居住可能地帯がある。 ジンクスの極地は重要な真空産業地帯となっている。 コボルド 人類最初のプロテクターとなったジャック・ブレナンが作った人工天体である。中心の球体の周りにリング状に円環体を配した構成となっている。重力発生装置を利用し、二つのセクション間の移動やゲーム、芸術を実現している。 火星 太陽系の第四惑星で、ノウンスペースで最初に入植が行なわれた場所。土着の火星人は、ブレナンが人間の入植者を守るため絶滅させた。 マウント・ルッキッザット星(プラトー) くじら座タウ星系にあり、金星によく似た惑星である。星の最高峰である巨大なマウント・ルッキッザット(Mount Lookitthat、すなわち「あれを見ろ」山)の山頂に、カリフォルニア州の半分ほどの面積の山頂平原(プラトー:plateau)があり、そこのみが居住可能である。居住者(高原人)は世襲制の階級、乗員(クルー)と移民(コロニスト)とに厳しく分けられている。これは先祖が植民船のパイロットだったかどうかで決まる。乗員は上流階級であり、臓器移植の独占によって権限を掌握している。初代の移民が、長い航行の乗員たちへの報償としてこのような階級社会を作ることに同意するという惑星着陸の契約にサインしたのである。かれらがコールドスリープから目覚めたとき、武器を突きつけられたうえでサインしたことは、後の世代には秘密にされた。このシステムは作品『地球からの贈り物』でおきる事件により変り、作品『狂気の倫理』の時代までには廃止されることになる。 リングワールド 地球の数百万倍の面積をもつ人工の世界で、中心の恒星を取り囲むように軌道上に建設された巨大なリングをなしている。リングは幅百万マイル、直径が1億9000万マイルある。 シースクロウズ 「天使の鉛筆(エンゼルズ・ペンシル)号」の乗客の人類と、クジン人のテレパスが入植した惑星。 ウォーヘッド 火星と同様の居住不能な天体。クジンの前哨部隊が使用していたが、実験兵器が地殻を数キロメートルの深さの溝として吹き飛ばした。この人工の峡谷に惑星の大気のほとんどが流れ込んだ結果、居住可能な環境が出来上がった。この惑星の名は後にこの峡谷にもとづきキャニヨンと改められ、峡谷の壁面に作られた巨大な都市に人類が居住することになった。 ウィ・メイド・イット プロキオンを巡る天体。表面重力およそ0.6G。地軸が黄道面を向いている(天王星と同じ)ため、この星の一年の半分は1,500マイル/時の暴風が吹き荒れる。このため人々は地下生活を余儀なくされている。現地人はクラッシュランダー(不時着人)として知られ、この名前は、最初の植民船が不時着したことに由来する。彼らは非常に背が高く、先天性色素欠乏症であることが多い。宇宙船の不時着地点は現在首都となっており、クラッシュランディング・シティと呼ばれる。ウィ・メイド・イットには海もある。 ウンダーランド ケンタウルス座アルファ星系の居住可能な惑星で、ノウンスペースの人類の歴史では最初の太陽系外の植民星である。 クジン 「ますらおことば(クジン語)」でクジンの故郷、あるいはクジン母星と訳される。クジン星はおおぐま座61番星を巡り、地球より強い重力と、酸素に富む大気をもつ。衛星は二つあり、それぞれ狩人の月、旅人の月として知られる。 これらの星に植民した人々の子孫やベルター(小惑星帯人)と対比して、地球で生まれ育った人々はフラットランダー(平地人)と呼ばれる。 小惑星帯は、SF作品で広大な植民地として描かれることが多いが、ノウンスペースでも同様である。太陽系のものは「ベルト」として、ケンタウルス座アルファ星系のものは「サーペント・ストリーム」として知られる。無重力の環境では正常に妊娠できないため、「ベルト」には回転によって人工重力を作っている出産小惑星がある。 冥王星はかつて海王星の衛星の一つだったが、ある事件によって現在の軌道に移った。
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