スペクトル標準星とは? わかりやすく解説

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 21:50 UTC 版)

A型主系列星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる1953年改定されスペクトル分類では、A型矮星 (主系列星) のスペクトル標準星として多く恒星リストアップされたが、これらの全てが現在までスペクトル標準星として生き残っているわけではないMK分類において "anchor points" と "dagger standards" として挙げられA型主系列星、つまり現在までA型星の定義として変わらず用いられ続けている恒星には、ベガ (A0V)、おおぐま座γ星 (A0V)、フォーマルハウト (A3V) がある。モーガンキーナンによる1973年MK分類について重要なレビュー論文では、A3VからF2Vまでの間の型には dagger standards としての標準星は挙げられていないその後1978年に、HD 23886 がA5Vの標準星であることが示唆されている。 Richard GrayRobert Garrison は、1987年1989年の2本の論文で、A型矮星スペクトル分類法についての最も最近寄与行った。これらの論文では、高速自転するA型星低速自転するA型星についてのスペクトル標準リストアップしており、例えHD 45320 (A1V)、HD 88955(英語版) (A2V)、みずへび座2番星 (A7V)、こじし座21番星(英語版) (A7V)、くじら座44番星 (A9V) が含まれるモーガン論文GrayGarrison による論文挙げられているMK分類標準星の他に、しし座δ星 (A4V) も標準星として用いられる。なお、A6VとA8Vについては標準星として挙げられたものはない。

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:19 UTC 版)

O型主系列星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

O型主系列星MK分類定義付ける標準星として20世紀前半から変わらず用いられ続けているものに、いっかくじゅう座S星(英語版) (O7V) ととかげ座10番星英語版) (O9V) がある。 1943年以降ヤーキス天文台天文学者によってまとめられたMKK分類では、O5からO9までのO型標準星がリストアップされたが、O9型のものだけは光度階級によって標準星が分割されていた。MKK分類でのO9Vの標準星とされた2つ恒星は、オリオン座ι星ととかげ座10番星であった1953年ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる改定され標準星(MK分類)では、O5からO8までは変更はなく、O9Vの標準星として5つ恒星 (HD 46202、HD 52266、HD 57682、ケフェウス座14番星、とかげ座10番星) と、O9.5Vの標準星として3つの恒星 (ぎょしゃ座AE星オリオン座σ星、へびつかい座ζ星) が追加された。1973年モーガンキーナン (Philip Childs Keenan) によるスペクトル分類における重要な再検討においてはMK分類改定としてO4からO7までの標準星がリストアップされたが、ふたたび光度階級による標準星の分割行われなかった。この論文ではO9Vの標準星としてとかげ座10番星が、O9.5Vにはオリオン座σ星がリストアップされた。 O型星のうち、O5よりも早期分類1970年代まで標準星を用いて定義されていなかった。1978年モーガンらによるスペクトル分類では、いくつかのO型主系列星(光度階級がVのもの)の定義がリストアップされた。それらは、HD 46223 (O4V)、HD 46150 (O5V)、HD 199579 (O6V)、HD 47839 (O7V)、HD 46149 (O8V)、HD 46202 (O9V) である。1990年には、OB型星対す初めてのデジタル式スペクトル分類与えられ、その中にはO3Vの主系列星標準星 (HDE 303308) も含まれていた。O2の分類2002年定義され、O2Vの標準星として BI 253英語版) が用いられた (この恒星実際スペクトル型は "O2 V((f*))" である)。その際に、O4Vの標準星が HDE 303308 によって再定義され、O3Vの標準星として HD 64568 と LH 10-3058 が新たにリストアップされた。

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:43 UTC 版)

G型主系列星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

G型主系列星典型的な特徴スペクトル型質量(M☉)表面重力(log g)有効温度(K)色指数(B − V)G0V 1.15 4.32 5,980 0.583 G1V 1.10 4.34 5,900 0.608 G2V 1.07 4.35 5,800 0.625 G3V 1.04 4.37 5,710 0.642 G4V 1.00 4.38 5,690 0.657 G5V 0.98 4.40 5,620 0.672 G6V 0.93 4.42 5,570 0.690 G7V 0.90 4.44 5,500 0.713 G8V 0.87 4.46 5,450 0.740 G9V 0.84 4.48 5,370 0.776 ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる1953年改定されスペクトル分類では、G型矮星 (主系列星) のスペクトル標準星として多く恒星リストアップされたが、これらの全てが現在までスペクトル標準星として生き残っているわけではないMK分類において "anchor points" として挙げられG型主系列星、つまり現在までG型星の定義として変わらず用いられ続けている恒星には、りょうけん座β星 (G0V)、太陽 (G2V)、くじら座κ1星 (G5V)、おおぐま座61番星 (G8V) がある。MK分類におけるその他の主な標準星には、HD 115043 (G1V)、はくちょう座16番星 (G3V) などがある。G4VとG6Vの標準星は年代によってわずかに変化があるが、しばしば標準星の例として挙げられる天体にはおとめ座70番星 (G4V) やエリダヌス座82番星 (G6V) がある。G7V星とG9V星に対す標準星として広く受け入れられている天体はない。

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/17 15:20 UTC 版)

F型主系列星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる1953年改定されスペクトル分類では、F型矮星 (主系列星) のスペクトル標準星として多く恒星リストアップされたが、これらの全てが現在までスペクトル標準星として生き残っているわけではないMK分類において "anchor points" として挙げられF型主系列星、つまり現在までF型星を定義として変わらず用いられ続けている恒星には、おおぐま座78番星(英語版) (F2V)、オリオン座π3星 (F6V) がある。これら2つスペクトル標準加えモーガンキーナンによる1973年論文では、"dagger standards" として標準星が加えられた。これらは、HR 1279 (F3V)、HD 27524 (F5V)、HD 27808 (F8V)、HD 27383 (F9V)、おとめ座β星 (F9V) である。その他の主要なスペクトル標準星には、HD 23585 (F0V)、HD 26015 (F3V)、HD 27534 (F5V) がある。ヒアデス星団内のほぼ同一HD名を持つ HD 27524 と HD 27534 はどちらもF5V型星であると考えられており、したがってどちらもほぼ同一の色と等級を持つ。 1989年GrayGarrison論文では、高温F型星現代的な表を与えている。F1VとF7Vに対す標準星はほとんど挙げられていないものの、専門的な分類の間ではわずかに変更されている。これらの型に対してしばしば用いられる恒星は、おおぐま座37番星 (F1V) とうお座ι星 (F7V) である。F4V型に対するスペクトル標準星は挙げられていない。 F9V型については、モーガンによって分類され高温恒星と、キーナンによって分類され低温恒星境界定義しており、どの恒星高温F型低温G型境界定義するのかは文献によって食い違いがある。モーガンキーナン1973年論文では、おとめ座β星と HD 27383 がF9V型の標準星として挙げられているが、キーナンMcNeil1989年論文では HD 10647 が F9V の標準星として挙げられている。またカシオペヤ座η星はキーナン1989年論文ではF9V星とされているが、モーガン1978年論文ではG0V星とされている。

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 07:44 UTC 版)

K型主系列星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる1953年改定されスペクトル分類では、12個の恒星K型矮星 (主系列星) のスペクトル標準星としてリストアップされたが、これらの全てが現在までスペクトル標準星として生き残っているわけではないMK分類において "anchor points" として挙げられK型主系列星、つまり現在までK型星の定義として変わらず用いられ続けている恒星には、りゅう座σ星 (K0V)、エリダヌス座ε星 (K2V)、はくちょう座61番星A (K5V) がある。 MK分類でのその他の主要なスペクトル標準星には、へびつかい座70番星A (K0V)、うお座107番星 (K1V)、グリーゼ892 (K3V)、みなみのうお座TW星 (もしくはフォーマルハウトB、K4V)、グリーゼ529 (K6V)、はくちょう座61番星B (K7V) などがある。 いくつかの文献での例に基づくと、多く天文学者は K7V と M0V と隣り合った分類であると考慮しており、K8K9分類は滅多に見られないHIP 111288 (K8V) や HIP 3261 (K9V) などのような少数の例が定義され用いられている。

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スペクトル標準星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:55 UTC 版)

赤色矮星」の記事における「スペクトル標準星」の解説

M型星対すスペクトル標準年々わずかに変化しているが、1990年代前半以降ある程度固定されている。これは、赤色矮星近傍にあるものでさえ非常に暗く中期から晩期M型星研究天文学観測技術写真乾板からCCD、そして赤外線敏感なアレイへと進歩した過去数十年でようやく進展したという事実が部分的な要因である。 ハロルド・レスター・ジョンソンウィリアム・ウィルソン・モーガンによる1953年改定されスペクトル分類では、M型のスペクトル標準星としてリストアップされていたのは HD 147379 (M0V) とラランド21185 (M2V) の2つのみであったHD 147379 は後の分類では標準星とみなされなかったが、ラランド21185依然として M2V の主要な標準星である。MK分類において "anchor standard" として挙げられ赤色矮星存在しないが、ラランド21185多く分類において M2V の標準星として生き延びた1973年モーガンキーナンによるMK分類の再検討においては赤色矮星のスペクトル標準星は含まれていなかった。1976年キーナンMcNeil によって、さらに P. C. Boeshaar によって赤色矮星標準星が発表されたが、残念ながら標準星についての合意はほとんど得られなかった。1980年代以降により低温恒星同定されたため、赤色矮星のスペクトル標準星を全面的に見直必要性が明確となった。1991年スチュワード天文台研究グループは、主に Boeshaar の標準に基づき K5V から M9V までのスペクトル分類標準星を与えた。これらのM型主系列星大部分が、現在も標準星として生き残っている。1991年以降赤色矮星スペクトル分類方法にはほとんど変化はなく、いくらか標準星の追加などが行われている。M型主系列星主要なスペクトル標準星には、GJ 270 (M0V)、グリーゼ229A (M1V)、ラランド21185 (M2V)、グリーゼ581 (M3V)、グリーゼ402英語版) (M4V)、GJ 51 (M5V)、ウォルフ359 (M6V)、へびつかい座V1054星C (M7V)、VB 10 (M8V)、LHS 2924 (M9 V) がある。

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