伺とは? わかりやすく解説

うかがい〔うかがひ〕【伺(い)】

読み方:うかがい

目上の人などに指示を仰ぐこと。「進退—」

神仏お告げを願うこと。

「問うこと」「訪問すること」「聞くこと」の意の、その相手敬って用い謙譲語。「御機嫌—」


し【伺】

読み方:し

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]うかがう

ようすや機嫌をうかがう。「伺候奉伺

名のり]み


尋伺

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 01:58 UTC 版)

仏教用語
パーリ語 vitakka, 𑀯𑀺𑀢𑀓𑁆𑀓
サンスクリット語 vitarka, वितर्क
チベット語 རྟོག་པ།
(Wylie: rtog pa;
THL: tokpa
)
中国語 尋 (T) / 寻 (S)
日本語
(ローマ字: jin)
韓国語
(RR: sim)
英語 thought[1]
applied thought[2]
inquiry[3]
initial inquiry[4]
applied attention[2]
initial mental application[5]
initial intellectual investigative intent[5]
reflection[1]
タイ語 วิตก
テンプレートを表示
仏教用語
パーリ語 vicāra, 𑀯𑀺𑀘𑀸𑀭
サンスクリット語 vicāra, विचार
チベット語 དཔྱོད་པ།
(Wylie: dpyod pa;
THL: chöpa
)
中国語 伺 (T) / 伺 (S)
日本語
(ローマ字: shi)
韓国語
(RR: sa)
英語 examination[1]
investigation[3][4]
subsequent discursive reasoning and thought[5]
investigating what has been focused on by vitakka[5]
タイ語 วิจาร
テンプレートを表示

尋伺(じんし, Vitakka-vicāra)とは、(じん)と(し)を指す仏教用語。サンスクリット語: vitarka, パーリ語: vitakka)とは、尋求と思考[6]、実践思考[2]、(先行する)注視[3][4]パーリ語: vicāra)とは、伺求と熟考[6]、「尋の対象となったものを究明すること[5]」である。尋伺は四禅の第一段階の初禅にて発生する[7]

パーリ仏典では、尋伺は一つの熟語であり、自分の考えや注意を対象に向けること (尋)と、それを調査すること(伺)を指している[8][9][10][11][12]。「対象を機能的な部品に分解して理解する、さらに現象の発生に関係している多数の条件付け要因を見出す」ことである[13]

ブッダゴーサ清浄道論に代表される後期上座部仏教の注釈書の伝統においては、尋伺を、最初に瞑想対象に対して持続的に注意することと解釈されており、それによって心の静止に至るとされる。Fox と Bucknell によると、尋伺は「通常の言説的思考プロセス」を指す場合もあり、これは第二禅に没頭することで静めることができる[14][15]

定義

ブッダゴーサは以下と説明している[7][6]

例えば、鐘を打つが如く、心が最初に対象に集中することが尋なり。細の義と引続き思惟する性質とによりて、(例えば)鐘の余韻の如く(心が思考を)継続することが伺なり[6]

清浄道論 p.142

世親は以下と説明している。

尋と伺とは煙と火とのように共にあるものであり、喜(piti)と(suhka)をともなう。伺は尋なしには存在しないからである[6]

倶舎論 p.433

瞑想における尋伺

尋伺は四禅の第一段階である色界の初禅において存在する心所であり、第二段階からは発生しない[16][17][7]。Shankmanは「2つの異なる意味が示唆される。(中略)1つは、思考や反射などの精神活動を示すもの、もう1つは瞑想の対象に注意を向け、持続させる精神活動を指すものである」と述べている[1]

諸欲をば離れ諸不善法を離れ、尋あり伺あり、離より生ぜる喜と楽とある初禅を具足して住す[7]

清浄道論 p.139
四禅 (Rūpajjhāna) [18][19][20]
四禅 初禅 第二禅 第三禅 第四禅
諸欲(Kāma) / 不善(Akusala)
(性欲・拙劣な資質)
隔れ、捨断する 発生しない 発生しない 発生しない
(Vitakka)
(認識対象把握)
伴う
(有尋有伺)
尋伺から解放され
アウェアネスと一体化する
発生しない 発生しない
(Vicāra)
(認識対象維持)
喜(Pīti)
(喜悦)
静まり
体内を巡っている
サマーディが発生し
体に浸透する
消え去っている
(とともに)
発生しない
(Sukha)
(安楽)
物理的に体へと
浸透する
捨離される
苦も楽もない
捨念清浄(Upekkhāsatipārisuddhi)
(純粋、マインドフルな不苦不楽)
発生しない 内面の安息を経て
精神が統一される
(ウペッカー)かつ
正念
完全な正定
不苦不楽が達成される

脚注

  1. ^ a b c d Shankman 2008, p. 39.
  2. ^ a b c Buswell & Lopez 2013, p. 983.
  3. ^ a b c Wayman 1997, p. 48.
  4. ^ a b c Sangpo & Dhammajoti 2012, p. 2413.
  5. ^ a b c d e Lusthaus 2002, p. 89.
  6. ^ a b c d e 吉瀬 勝「南北両伝における四禅定について」『印度學佛教學研究』第21巻第1号、1972年、363-366頁、doi:10.4259/ibk.21.363 
  7. ^ a b c d 吉瀬 勝「倶舎論における中間定解釈」『印度學佛教學研究』第31巻第1号、1982年、320-325頁、NAID 130004024564 
  8. ^ Lusthaus 2002, p. 89, 116.
  9. ^ Rhys-Davids & Stede 1921–25.
  10. ^ Guenther & Kawamura 1975, p. Kindle Locations 1030-1033.
  11. ^ Kunsang 2004, p. 30.
  12. ^ Berzin 2006.
  13. ^ Lusthaus 2002, p. 116.
  14. ^ Fox 1989, p. 82.
  15. ^ Bucknell 1993, p. 375-376.
  16. ^ Bucknell 1993.
  17. ^ Keown 2004, p. 333.
  18. ^ Bodhi, Bhikku (2005). In the Buddha's Words. Somerville: Wisdom Publications. pp. 296–8 (SN 28:1-9). ISBN 978-0-86171-491-9 
  19. ^ Suttantapiñake Aïguttaranikàyo § 5.1.3.8” (Pali). MettaNet-Lanka. 2007年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月6日閲覧。
  20. ^ Bhikku, Thanissaro (1997年). “Samadhanga Sutta: The Factors of Concentration (AN 5.28)”. Access to Insight. 2007年6月6日閲覧。

参考文献

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2020/11/28 05:07 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. うかがい指示を仰ぐこと。そのための書状

熟語


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「伺」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「伺」の関連用語

1
伺持し 活用形辞書
100% |||||

2
伺持しろ 活用形辞書
100% |||||

3
伺持せよ 活用形辞書
100% |||||

4
伺持できる 活用形辞書
100% |||||

5
伺持さす 活用形辞書
100% |||||

6
伺持させる 活用形辞書
100% |||||

7
伺持される 活用形辞書
100% |||||

8
伺持しうる 活用形辞書
100% |||||

9
伺持しそう 活用形辞書
100% |||||

10
伺持しそうだ 活用形辞書
100% |||||

伺のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



伺のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの尋伺 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS