かいご‐ふくしし【介護福祉士】
介護福祉士
資格区分 |
国家資格 |
福祉の現場で実際に介護サービスを提供するのが介護福祉士です。高等学校を卒業後、福祉系大学や介護福祉士養成施設で学ぶか、福祉施設で実務経験を積み、介護福祉士国家資格試験に合格すれば資格を取得できます。 | |
(1)特別養護老人ホームや介護老人保健施設、身体障害者療護施設の介護職員など、介護等の業務に従事する者、介護保険の指定訪問看護事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)、療養型病床群の病棟の看護補助者(看護助手)などで、介護等の業務に3年以上(在職期間が3年以上、実働日数が540日以上)従事(就労)した者。(2)高等学校又は中等教育学校(専攻科を含む)において、福祉に関する所定の教科目及び単位を修めて卒業した者ほか | |
1万3300円 | |
42.6%(2005年) | |
筆記試験1月下旬、実技試験3月上旬 | |
北海道、青森県、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県 | |
財団法人社会福祉振興・試験センター 〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-5-6 03-3486-7521(試験室) http://www.sssc.or.jp/ | |
高齢者や障害者に、掃除・洗濯・調理などの家事援助、外出・入浴・食事などを手助けする身体介護を行うのが主な仕事。老人福祉施設や障害者施設、老人保健施設などでケアワーカー(寮母・寮父)として働くか、社会福祉法人や民間の介護サービス会社でホームヘルパーとして働くのが一般的です。 |
介護福祉士
概要解説 日常生活を営むうえで支障がある人々に対し、専門的知識や技術をもって、入浴、排泄、食事などの介護をするとともに、家族等に介護の指導をするのが主な仕事です。急速なテンポで進む高齢化社会に対応するため、昭和62年に社会福祉士と共に創設された国家資格です。 必要な能力・資格など 受験資格は①知的障害児施設、身体障害者療護施設、特別養護老人ホーム等で3年以上介護などの業務に従事した者②福祉過程のある高校(専攻科を含む)で福祉に関する所定の教科目および単位数を修めて卒業した者などです。また、全国で約300ある介護福祉士の養成施設を卒業し、登録することによって資格が取得できます。在職しながら受験をめざす人には通信教育講座も多数あります。 関連する職業
介護福祉士
介護福祉士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/13 05:10 UTC 版)
介護福祉士 | |
---|---|
英名 | Certified Care Worker |
略称 | CCW |
実施国 |
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資格種類 | 国家資格 |
分野 |
保健・医療、福祉 介護、家政、教育 |
試験形式 | マークシート・実技 |
認定開始年月日 | 1987年5月21日 |
等級・称号 | 介護福祉士 |
根拠法令 | 社会福祉士及び介護福祉士法 |
公式サイト | https://www.jaccw.or.jp/ |
特記事項 | 日本介護福祉士会(職能団体) |
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介護福祉士(かいごふくしし、英: Certified Care Worker)は、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とし、社会福祉業務(身体介護・生活援助など)に携わる人の国家資格である。
福祉系では、社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ、名称独占資格の国家資格である(名称に福祉士が入る三資格を、福祉系三大国家資格(通称:三福祉士)と呼ぶこともある)[1][2]。和製英語で、ケアワーカー(CW)と呼称されている。資格登録者数は2020年現在で175万4486人[3]。
職能団体として日本介護福祉士会が存在する。法律上強制入会制度にはなっておらず、入会は各介護福祉士の任意である。日本介護福祉士会は47都道府県すべてに支部を置く。組織率は約5%(会員数は4.4万人)。
業務
介護福祉士は、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの〈厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。〉を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする(法第2条2項)。
具体的に可能な医行為は以下がある(施行規則1条)。
口腔内又は鼻腔内のため、咽頭の手前までを限度とする。4の実施については、胃ろう・腸ろうの状態に問題がないことの確認を、5の実施の際には、栄養チューブが正確に胃の中に挿入されていることの確認を医師又は看護職員(保健師、助産師、看護師及び准看護師)が行うとされている[4]。
現状と課題
介護福祉士は、病院・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・デイケアセンターや障害福祉サービス事業所等の社会福祉施設が活動場所となることが多い。本職種の専門性深化と共に、様々なコ・メディカル分野の専門職との連携などが望まれている。賃金が安く業務内容の苛酷さから離職率が高い。2007年度雇用統計では、介護職員及びホームヘルパーの離職率は21.6%で、全労働者離職率よりも5.4%多い[5][注釈 1]。介護保険外サービスを展開する「ライフケアサポート」の代表・中村英樹[6]は「国家資格でありながら、現場でのヒエラルキーは最底辺」と指摘している[7]。
厚生労働省は、介護福祉士の養成校卒業生に対する、国家試験の受験を完全義務化する時期について、予定(2016年度)よりも6年先送りにし、2022年度から実施する方針を固めた。ただし、2017年度からは、事実上、国家試験の受験の義務化が始まり、2017年度から2021年度までは、国家試験に合格できなくても、5年間限定で暫定的に、介護福祉士の国家資格は授与されるが、その間に正式に国家試験に合格するか、もしくは現場で5年間勤務しないと、介護福祉士の国家資格は剥奪される[8][9][10]。また、2015年3月5日、段階的に国家試験を義務化する法律案を、与党である自民党の介護に関するプロジェクトチームが大筋で了承[11]、同年4月3日、社会福祉法等の一部を改正する法律案として閣議決定[12]し、衆議院へ提出した [13] [14]。この法案は、第189国会では衆議院を通過後、参議院で継続審議になり、第190国会で成立した[15]。
取得方法
受験資格
介護福祉士となるためには、介護福祉士国家試験に合格する必要がある。従前は指定養成施設を修了するだけで資格があったが、これは廃止された。ただし経過措置がある。
国外からの介護福祉士受け入れ
日本政府はタイとの自由貿易協定(FTA)において、タイ国介護福祉士有資格者を受け入れるか否か継続協議するとしたが、2024年まで合意はされていない[16]。
実施された規制緩和
- 日本政府はフィリピンとの経済連携協定(EPA)で、フィリピン共和国国家資格の介護福祉士が、日本の介護施設への受け入れの方向で合意され、厚生労働省は2年間で1000人(看護師400人、介護福祉士600人)[17]の上限を設け受け入れることとした。調印は2006年9月9日に行われるもフィリピン側の批准遅延により2009年度以降にずれ込む予定である。
- 日本とインドネシアとの経済連携協定が2007年8月20日に調印され、日本の国家資格の取得のための必要な知識及び技術の習得を目的とした介護士候補者の受け入れ、資格取得後の就労が可能となった。2008年4月17日の衆議院本会議で可決され、同年7月に看護師候補者200人、介護士候補者300人が入国しEPA活用による外国人労働力受け入れ初事例の予定である。人数枠は2008年度から2年間で合計1000人(看護師候補者400人、介護福祉士候補者600人)で、介護士候補者は日本の受入先介護施設で3年間の介護実務経験を経て日本の国家試験に合格すれば介護福祉士として日本で働き続けられるが働きながら在留の認められる短期間に受験するため合格率は低い。
- 2009年4月14日より韓国からインターン300人を受け入れることになっており、人材派遣側の釜山市は毎年300人以上を日本で就業させることを目標としている[18]。
介護の日
認定介護福祉士との関連
類似した名称の資格に認定介護福祉士があるが、これは一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が2015年12月から行っている民間資格であり、国家資格である介護福祉士とは決定的に異なるため注意が必要である。
ただし認定介護福祉士資格の受験には介護福祉士として5年以上の実務経験を要するため、認定介護福祉士は皆介護福祉士所持者となる。
脚注
注釈
- ^ 介護職員+ホームヘルパーの値は「事業所における介護労働実態調査(平成20年7月)」(介護労働安定センター)、全労働者の値は「雇用動向調査(平成18年)」(厚生労働省)による
出典
- ^ “三福祉士 社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士”. ケアマネ全書. 2015年2月8日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士の福祉系三大国家資格を取得しよう!!” (PDF). 専門学校高崎福祉医療カレッジ. 2015年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月21日閲覧。
- ^ 資格登録者数(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士)公益社団法人社会福祉・振興センター公式HP(PDF)
- ^ 平成23年06月22日 社援発第622001号
- ^ “福祉・介護人材確保対策について”. 政策レポート. 厚生労働省 (2008年8月). 2012年12月2日閲覧。
- ^ 美術評論家の中村英樹とは別人
- ^ 「医療現場ヒエラルキーの底辺」と嘆く介護福祉士の苛酷な労働実態 DIAMOND online 2019.2.6 5:00(2020年1月7日閲覧)
- ^ “介護福祉士 試験義務化延期 養成校卒業生対象 2022年度から完全実施”. 読売新聞. (2015年2月15日)
- ^ “<介護福祉士資格>国家試験合格の義務付け先送り”. 毎日新聞. (2015年2月13日). オリジナルの2015年2月19日時点におけるアーカイブ。 2015年2月19日閲覧。
- ^ “介護福祉士の国試義務化 2年後から段階的実施 厚労省提案”. 介護・地域包括ケアの情報サイト Joint (官庁通信社). (2015年2月14日). オリジナルの2015年2月19日時点におけるアーカイブ。 2015年2月19日閲覧。
- ^ “介護福祉士養成課程の国試義務化、自民PTが段階的実施を了承”. 介護・地域包括ケアの情報サイト Joint (官庁通信社). (2015年3月5日). オリジナルの2015年4月2日時点におけるアーカイブ。 2015年3月9日閲覧。
- ^ 平成27年4月3日(金)定例閣議案件 首相官邸HP
- ^ 衆議院 閣法 第189回国会 67 社会福祉法等の一部を改正する法律案
- ^ “介護福祉士の国試義務化、届け出制の創設を閣議決定 政府”. 介護・地域包括ケアの情報サイト Joint (官庁通信社). (2015年4月3日). オリジナルの2015年5月1日時点におけるアーカイブ。 2015年4月24日閲覧。
- ^ 衆議院 閣法 第189回国会 67 社会福祉法等の一部を改正する法律案
- ^ “日タイ経済連携協定(付属書7 自然人の移動に関する約束)” (PDF). 外務省. 2008年4月18日閲覧。
- ^ “日・フィリピン経済連携”. 外務省. 2008年4月18日閲覧。
- ^ “介護ヘルパー研修生300人日本に派遣…釜山”. 聯合ニュース. (2009年4月14日). オリジナルの2009年5月5日時点におけるアーカイブ。 2009年5月5日閲覧。
- ^ 『「介護の日」について』(プレスリリース)厚生労働省、2008年7月28日 。2009年5月5日閲覧。
関連項目
- 介護支援専門員
- 訪問介護員
- 福祉住環境コーディネーター
- 福祉用具専門相談員
- 介護予防運動指導員
- 日本介護学会
- 日本介護福祉学会
- 日本介護福祉士会
- 日本介護福祉士養成施設協会
- 三福祉士
- 介護士
外部リンク
- 一般社団法人日本介護協会
- 社会福祉士及び介護福祉士法施行規則 - e-Gov法令検索
- 介護福祉士国家試験の受験機会の拡大 - ウェイバックマシン(2009年2月5日アーカイブ分) (PDF) - 総務省
- 第170回国会 99 介護職員基礎研修等に関する質問主意書 - 衆議院
- 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
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